メロキュン企画第8弾に覚悟を決めて飛び込んでみました!
今回のお題テーマは『新春!!蓮キョ☆メロキュンカルタ大会!!』
現段階では【あ】【ほ】【き】【ね】【す】の札が素敵な作家様によってアップされております!
企画に関しては総合案内ピコ様
のブログをご参照ください!
私がゲットしたのは【こ】
さて、はたしてちゃんと『メロキュン』できるのでしょうか・・・
ちょっと長くなってしまったので、前中後編です。
では行ってらっしゃいませ
前回のお話↓
Call my name 中編
「キョーコ・・・って呼んでもいい?」
(そんな距離で、そんな声音で、反則よ~!!!!)
後ろから抱きしめられて耳元で囁かれ、キョーコは身を固くして耳まで真っ赤だった。
蓮の告白から2ヶ月。
嘘だの畏れ多いだの気の迷いだの、さんざんキョーコは曲解を重ね、逃げ回っていたのだが日ごと恥ずかしい求愛の言葉を囁く蓮にひた隠しにしていた恋心を暴かれ、ついに一ヶ月前から蓮との関係は『事務所の先輩後輩』から『恋人』にレベルアップしていた。
もちろん蓮の手によって恋人のスキンシップはレベルCまで体験済みとなったが、そこは天然記念物乙女でありめでたくラブミー部卒業試験受験資格を手にしたものの試験に合格できるかは危うい状態のキョーコ。蓮の言動に免疫もなかなかできず恥ずかしがってばかりだ。
「許可を得る前に、もうキョーコって呼んでるじゃないですか・・・」
赤くなってもじもじと言葉尻は尻すぼみになっていくキョーコの言葉に、蓮はついつい悪戯心を刺激される。
「うん、今の所ベッドの中だけね」
わざと、耳元で艶を宿した声で囁く。
すると抱きしめていた身体がふるっと震えて、更にキョーコの頬が熱くなる。
「なに?したくなった?」
顔は見えなくても耳元で妖しい夜の帝王の雰囲気を察知し、キョーコは涙目でキッと蓮を見上げた。
「~!!!っ・・・つ、敦賀さんの、イジメッ子ぉ~!!!!!」
蓮はベッドの中だけでキョーコを呼び捨てで呼ぶ。
ただでさえ、蓮と不釣り合いだと思って遠回りして無視してきた自分の恋心。名前を呼ばれるだけで心臓が跳ね上がり、ぎゅうっと苦しいくらい甘く痛む。
そんな自分の心臓に耐えかねて、キョーコは表向きは周囲に交際が広まると蓮のスキャンダルになることを恐れて、付き合っていても今迄通り呼んでくださいとお願いしたのだった。
蓮は別にキョーコとの交際をオープンにしても自分に不利益が無いが、まだ新人で駆け出しのキョーコが蓮との交際発覚で受けるであろうデメリットを考えキョーコのお願いを聞き入れていた。
本来であれば、他者の目が無いプライベート空間であれば名前呼びでも良いはずだが、蓮は一貫してキョーコのことを「最上さん」と呼んでいた。もちろん本名を知らない人の居るところでは「京子さん」。
そう、ベッドの中を除いては。
初めて肌を重ねた時、蓮は愛おしさから自然と「キョーコ」と呼んでいた。
恋人との初めてのスキンシップに羞恥心でいっぱいだったキョーコは名前を呼んだだけで敏感に反応した。自分が呼んだ名前に全身で反応を返してくれるのを目の当たりにして、嬉しくて。
それから蓮は快楽に翻弄されてキョーコが溶けかかっているときにだけ、「キョーコ」と名を呼ぶ。
キョーコはキョーコで、肌の触れ合いの時にしか呼ばれない自分の名を不意に素で呼ばれると、トロトロに溶かされて最後は意識を手放してしまう情事を思い出し、身体の疼きと恥ずかしさにいつも真っ赤になってしまうのだ。
じたばたと暴れえて何とか蓮の腕から脱出を図るキョーコだが、その体格差と力の差でそれはかなわない。
モコモコと暴れるキョーコの動きを楽しんでいるかのように蓮は抱きしめた腕をふっと緩めては逃げ出そうとするキョーコをギュッと捕まえなおす。
「はーなーしーてーくーだーさーいーーーー!!!」
「やだ」
キョーコが怒気を含んだ声で抗議しても、蓮は拗ねたように拒否し手を緩めない。
「ねえ、外でも呼んでいい?」
「ダメですって言ってるでしょう!?スキャンダルになったらどうするんですか!」
「俺はかまわないよ?何も恥じることなんてないし」
「よりによって私なんですよ?畏れ多いっ」
「俺は君がいいんだよ?君を選んだ俺のこと、信じてくれないの?」
「信じないわけじゃなくって・・・」
ごにょごにょとキョーコは文句を並べるが、最後は付き合ってるのがバレたら私は全国の女子に呪い殺されます!と力いっぱい訴える。
自分が不利益を被ることがらには蓮が譲歩してくれるのを知っているから。
ふーっと蓮がため息をつき、キョーコの顔を覗き込んだ。
その顔には意地悪似非紳士も夜の帝王もなくて、困ったように微笑む優しい表情。
「分かったよ。君が困るなら・・・」
そんな蓮の表情に、キョーコは自分の方がやっぱり子供だと思い少し心苦しくなる。
「じゃあそのかわり・・・」
「ひゃあ!!」
後ろから抱きしめられていたのに、急に膝の下に手が入りキョーコはひょいと抱き上げられる。
突然のことに、ビックリしてキョーコは声を上げた。
「ベッドの中では俺のことも名前で呼んで?」
「!む、む、む、むむ・・無理ですぅ!!」
「どうして?」
「先輩に対して畏れ多いしっ」
「先輩だけどもう恋人だよ?」
「敦賀さん年上だしっ」
「俺は名前で呼ばれたい」
「恥ずかしいしっ!!」
「俺の名前、恥ずかしい?」
「ちがっ・・・んっ・・・」
押し問答の最中に蓮に抱きかかえられたまま寝室に連行されたキョーコは最後は口を塞がれて
反論も弁解もできない。
「キョーコ」
(・・・もう、だめ)
ベッドの上におろされ、耳元で囁かれる自分の名前。
キョーコはかーっと熱くなる自分を持て余し、蓮を見上げた。
夜の帝王の顔になった彼にそのままベッドに押し倒される。
キスの雨が降ってきて、呼ばれる名前とともに甘い心地よさに溶かされていく。「キョーコ、名前・・・呼んで?」
「・・・んっ・・・あん・・・・」
「呼んで?蓮って・・・」
快感に翻弄され、言葉を紡ぐことはできない。漏れるのは吐息と喘ぎ声だけ。
キョーコはついに蓮の名前を呼ぶことはできなかった。
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がんばって砂糖を振りかけてみましたが、塩の間違いだったかしら??
メロキュンってムズカシイ・・・