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Simon Says...〜食いしん坊OLグルメログ〜

はじめまして!彩紋です。
食べることが大好きなアラフォーです❤️
歳を取ることは大好き!!
その歳だからこその視点と時間を大いに楽しみましょう!
こちらでは私の日常の食べログと旅行記を気ままに発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

☆「チェイサー」
(原題:추 격 자  THE CHASER)
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ、キム・ユジョン、チョン・インギ、チェ・ジョンウ
<http://www.chaser-movie.com/ >

【ストーリー】
デリバリー・ヘルスを経営する元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)が、相次ぐデリヘル嬢失踪について調べる内、次第に世にもおぞましい猟奇殺人事件がその全貌を露にしていくというクライム・サスペンス。


まだ記憶にも新しい、2003年9月からわずか10ヶ月間で21人もの人間を殺害し韓国を震撼させた、
実際にあった猟奇的殺人事件に基づいて作られています。


TRAILERからして早速グロテスクな殺害描写を連想させる映像―――。
血が大嫌いの私が間違いなくまず避けるジャンルの作品です。

ところが事実ベースと聞いた途端、にわかに興味を持ち真実を知りたくなる。
私みたいな人間をいささか卑しく残酷だなぁと思ったりもします。
ですが、人を面白おかしく恐がらせるために作ったサスペンスフィクションではなく、
あえて事実を作品という形に残す行為に強いエネルギーとメッセージ性を感じ、
目を背けずにそれらを受信しなければという義務感に駆られて観に行って来ました。
(偽善者ぶってるように聞こえるかも知れませんが。)


【ユ・ヨンチョル事件について】
ユ・ヨンチョル(柳永哲) 死刑確定2006.6/9 
「韓国史上の最悪の食人殺人鬼」「殺人機械」
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【生い立ち】
■少年時代
・ソウルから車で4時間のコチャン生まれ。
貧しい家庭に育ち、ベトナム戦争帰りの父からは酒と博打に溺れた末、
暴力を振るわれる日々を送る。少年時代から窃盗などをくりかえしていた。
・中学生の頃、親父が他界。後に兄も亡くす。(本人も父兄同様に症状を患っている)
・美術に長けており、芸術高校への進学を目指したが、ヨンチョルは重い色覚障害だったため不合格。
・失意の中、ヨンチョルは学歴として認められない各種学校へ進学。
・上の兄は成績のよい他の兄弟と比較し、ふがいない弟(ヨンチョル)に暴力を振るい罵った。
■青年時代
・1991年、結婚。男の子をひとりもうける。
・2000年、15歳の風俗嬢を暴行。
・2002年5月、妻に訴訟を起こされて離婚。
・2003年9月から2004年7月の約10ヶ月の間に17回にわたり21人を殺害。
・2004年7月、21人殺害(のちに31人と供述)容疑で逮捕。
・2006年6月、死刑確定。

【残虐な犯行】
・殺害されたのは、売春婦から金持ちの老人等である。
(そのうち11遺体をばらばらにして埋め、3遺体を焼いた。)
・遺体の一部を食べ、治療薬になると思っていた。
「自分が殺した人のうち、6人の死体は臓器の一部がないはず」と供述。
「普段から気管支が悪く、殺す前に血液型を聞いて、O型だったらその人の臓器を食べた。」
「漢方医学の本を見て好奇心で、ほかの臓器も食べてみた」と話した。
・「自分と同居し、自分を傷つけて出て行った女性と名前が同じであった場合は、
顔や尻、性器まで残忍にえぐり取った。」

【事件に関連した特記事項】
・事件の被害者遺族が(初老の婦人)警察署の前で、連行される犯人を罵った時、
阻止するためかあろうことか刑事が遺族を暴行。(蹴ったりした。)
その場面をカメラで捕らえていたため、報道後警察は謝罪した。
・犯人の態度が常に権力に対峙し、帽子を目深にかぶった風貌がクールだとしたグルーピーが出現、
ファンクラブ等を作り会員を募った。
・裁判でユ・ヨンチョルは初めから「死刑になる」ことだけを願っていた。
法廷の出席も意味がないと大部分を拒否。被害者遺族へ裁判中暴言を吐いたりと
反省や更正を見受けられるような態度は一度も見せたことはなかった。
・死刑を検察から求刑されたときユ・ヨンチョルは「感謝する」と語ったという。
・2006年に死刑が確定するも、死刑廃止を掲げる政府の反対を受け、現在も服役中。
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作品では犯人のこれらの薄幸な生い立ちや犯行背景については割愛されています。
事実に基づき描くなら、もっと徹底的に事件背景を描くべきだという声もあるようですが、
真実は誰にもわからないのだし、犯人の供述がどれだけ信憑性のあるものなのか、
調べる限りでも情報によって齟齬がある。誰にだって「背景」はあり、
「=だから犯行に及んだ」という安易な決着はこの作品において必要はないように感じました。

事実に対して、作品にとって必要な取捨選択を行うこと。そして、効果的な脚色を施すこと。

活花に例えるなら、

切ってはいけない枝と、切ってもよい枝。

作品の本筋からしゅるしゅるとガス漏れを発生させてメッセージが弱くなる
もしくは展開が失速してしまうことを懸念し、伝えるべきことを伝えるために、
監督が切り捨てた枝は正しい判断だと思います。

大分、作品自体の話からずれてしまいましたが、パンフレットによると、

・(デリヘル嬢などが多かったため)被害者が軽んじられていた
・内部の手柄争いなどで捜査が一向に進まず、一時は犯人を取り逃がしてしまうこともあった

これを受け、

"社会は個人に復讐をを禁じているのに、制裁を加えるべき社会がその役割を果たしていない"

当時の警察に対する不信感・怒りが創作の原動力となっていると述べていたナ・ホンジン監督。

まさに私が作品を見終わった後に感じた作品の結末に対しての憤りこそ、
監督ご自身が事件当時に抱いた警察への不信感そのものでした。
実際に件の事件報道を、隣の国で起こった惨劇とどこか安易に受け流していた自分に
気づかされ注意をする機会を与えられたことに感謝しています。