まず、背景が素晴らしい。
人の手で描いたからこそ生まれるアニメーションとしてのリアルが随所に。
日常に馴染んだ風景って、全く白紙の状態から描く場合に、本当に細部まで気を使わないと、確かに日常に存在する風景だったとしても、線が多すぎて逆に違和感を与え、不自然を生んでしまうような気がします。
アニメーションに限らず、人に何かを伝えるという行為は、ただすべての情報を渡すだけではダメで、描く線、描かない線の取捨選択が必要なのかなと。
地道な選択が重ねられて、選りすぐられた点と線が織り成す世界に、私は作品の登場人物の息づかいをしっかりと感じることができました。
CG技術に依存せず、人間の手と筆とペンだからこそなし得た職人技ですね。
あと、主人公ももの声を担当した美山加恋ちゃんの声が素晴らしくて、すぐに世界に入り込めたというのもあります。
子役の次は声優として食べていけばいいんじゃないかと思うほど。
総合的にバランスのとれたアニメーションだったのではないでしょうか。
日々の忙しさに埋没しそうになったときになど、お勧めです。
