東京駅で美味しいモーニングを食べて帰ろうか、という話になった。
東京でモーニング。
ふと大好きなマンガ(いつかティファニーで朝食を)で話題にされた六厘舎が過ぎったけれど、ここは健脚が強みの我々らしく築地まで足を伸ばすことにした。
美味しい!
なかなか日常生活において築地でお寿司という発想はないので、フィナーレに相応しい選択と互いを褒めあった。
しかしながら、さすがに長時間のバスの旅が、重力を倍増させてきた。
そのはずなのに、不思議と生ものを口にすると、リセットしたくなる衝動。
どちらからともなく珈琲が飲みたいという話になり、三井ガーデンホテルのバーラウンジでブラックコーヒーを頼んだ。
明日から仕事だ。
束の間の非日常だった。
魔法がとけていく瞬間。
たまにはこんな現実逃避も悪くない。
目の前の日常と、あと僅かばかりの母娘の時間が新しい決意を生み、手を繋ぎながら帰路についた。
背中に父の視線を感じながら。
根拠はまったくないけれど、
うん、大丈夫。
頷く私もいつか母の気持ちが分かってあげられるようになるだろうか。



