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【緊急経済対策】「アベノミクス」試金石 公共事業や官民ファンドなど企業重視、産業育成の色濃く

 政府が11日決めた緊急経済対策は、国の支出ベースではリーマン・ショック後の平成21年4月に当時の麻生太郎政権が決定した対策に次ぐ規模になった。公共事業や官民ファンド(基金)の創設などに積極的に予算を配分するのが特徴で、過去の対策に比べ企業重視、産業育成の色彩が濃い。今回の対策が10年以上にわたるデフレ不況にあえぐ日本経済をどこまで上向かせられるか。「アベノミクス」と呼ばれる安倍晋三政権の経済政策の試金石となる。(本田誠)

 今回の経済対策は「リーマン・ショック時の臨時、異例な対応を除けば史上最大規模になる。経済再生への強い意志を示す本格的な対策に仕上がった」。安倍首相は同日の会見でこう胸を張った。

 対策は国の支出が総額10兆3千億円。民主党の鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦政権が実施した経済対策のいずれも上回り、景気浮揚に向けた財政拡大路線への転換を印象付けた。

 中身で目立つのは「コンクリートから人へ」を掲げて民主党政権が大幅に削減した公共事業の復活だ。

 東日本大震災の復興事業や防災、減災対策を中心に、学校や病院の耐震化、被災地の道路整備などを進める。中央自動車道笹子トンネル事故を受けて、老朽化した道路やトンネルの点検、補修も加速する。

 公共事業は建設業の売り上げ増加や機材など周辺産業の拡大、雇用増を通じて景気を下支えする。安倍首相は「安易なバラマキではない」と強調した。

 一方、官民が連携して資金を供給するファンドの創設も並ぶ。政府は国際協力銀行などの政府系金融機関を通じて返済順位の低い劣後ローンなどの形でファンドに資金を拠出。ファンドは企業の国際展開や新規事業の創出を後押しする。万一、ファンドの支援事業が失敗しても民間が損失を受けにくい仕組みとすることで、投融資のリスクに及び腰な銀行などの資金を呼び込む。

 今回の対策では、麻生政権が導入し、民主党政権でも引き継がれたエコカー補助金、家電エコポイントなどの家計支援による消費喚起策は姿を消した。企業を直接的に支援することで「企業の収益を向上させて、雇用や賃金の拡大につなげたい」(安倍首相)とのシナリオだ。

 ただ、対策の効果が息切れして景気が失速すれば、国の借金ばかりが残るという事態にも陥りかねない。

 厳しい財政事情の下では、産業競争力を阻害する規制の打破など財政出動を伴わない施策で持続的な経済成長につなげ、税収増も図る必要がある。規制改革は既得権益を持つ団体や省庁などの抵抗が強く、安倍首相のリーダーシップが問われるのは間違いない。