夏の吐息/小池 真理子恋ではない。愛でもない気がする。「愛情」そんな気持ちがふんわりと漂う、六編の物語。小池真理子さんだから、あっさりと終わるわけではない。そこには、沸き立つようなときめきはないし、遭わないほうがいい出来事も、ある。それでも、人生の中でもしもこんな軌跡をたどることがあるなら、きっと心に優しい奥行きが生まれるんだろう、と思わずにはいられない。そんな珠玉の物語が集まった短編集です。