少しずつ読み進める物語ではない気がして、昨夜映画一本分の時間で一気に読んだ。

不倫だとか正式な結婚だとか、そういうことが話の芯ではない。

それは、ひとを愛するということのひとつひとつの環境にすぎない。

長い時間、愛するひとを想い続けられますか、と、答えを求められているわけでもない。

長い間心を掴んで離さないひとがいて、そのひとを愛し続けた、というそれだけのこと。

でもそこには、手にしたものと失うものが極端なほど積み重ねられて…

それでも愛し続けた、愛し続けることしかできなかった。

そこに流れた数十年には、関わった人間の数だけの数十年がある。

シンプルな、それだけのこと。

自分にも、今日電車で隣に立つこの人、その人にもそれぞれに、同じ意味をもつ年月があるのだから。




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