枚方(ひらかた)市で、福祉タクシーをされているSさんから、ブログ掲載の承諾をいただきましたので、2回に分けて掲載させていただきます。

 

その1

福祉タクシーを開業してずいぶんの年月が経ちました。

ご用命いただくお客さんも増えましたが、一方でお別れも多いこの頃です。

お亡くなりになったり施設に入られたり・・・

 

まず紹介する方は、長い間一人暮らしをされていましたが、最近施設に入られました。

年に数回の通院と駅前の銀行などへのご用命をいただいていました。

 

某日朝に電話がかかってきて

「今日空いている時間に迎えに来て」

「今すぐ行きます」。

 

玄関先に待ち構えていて、彼女と愛用の押し車を載せる。

「駅前の〇〇銀行へ」。

 

「あわててはるようだけど、どないしはったんですか?」。

「ガスコンロが点かへんねん。料金の振り込みを忘れてたんや」

「それは不便ですな」。

 

銀行の窓口で彼女が振込用紙を提示し事情を説明すると窓口嬢は

 

「この用紙は期限が切れているので受け取れません」。

「どうすれば?」と代わりに私が尋ねる。

 

「ガス会社の支店に・・・」「それはどこ?」。

調べてくれて行先を教えてくれました。

 

またタクシーに乗車。

その支店には駐車場がないので近くのスーパーに。

 

お客はタクシーに乗ってもらったまま、私がその支店の窓口へ。

振込用紙と事情を説明。「しばらくお待ちください」。

ジリジリと待つこと10数分。

 

「調べましたけど、未納の料金はありませんが・・・」。

 

タクシーに戻りその旨彼女に説明。

「何でやろ、なんでやろ?」。悩みはより深くなったようでした。

 

家に戻り「中に入って見てくれる?」というのでお邪魔することに。

 

コンロの前に立った彼女がコックを回すが点火しない。

「おかしいいやろ?」。

 

「ちょっと見せてください」

と着火用乾電池のボックスを開けると・・・+-逆に入っていました。  

 

大騒動の2時間余り。

大変な感謝と料金に大幅な上乗せをいただきました。

 

お年寄りの生活全般の味方、福祉タクシーです。