2021年6月~7月にかけて掲載しました、

枚方市に住む高齢者の方から寄せられた投稿の続編です。(投稿第5稿)です。

高齢者に避けられない悲劇が骨折。

前回までのあらすじは、

 

 

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私は2019年2月に、首の手術(脊椎管狭窄症)を、

4月末に、左手小指の腱(筋)切断のための手術を受けた。手術・入院・リハビリの1年であった。

その間、健康保険によるリハビリと、介護保険によるリハビリを受けた。

そして2020年1月には、同じく狭窄による腰の手術を受け、術後、リハビリ専門の中村病院に転院し、健康保険によるリハビリを受け、退院後同病院デイセンターでは介護保険によるリハビリを受けている。

 

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中村病院退院に向けての準備の最中、夫の様子がおかしいことに気づく。

娘がしぶる父親を病院に連れて行ったところ。

「硬膜下血腫」が判明。何か月か前に転倒して頭を打ったのを放置していた結果であった。直ちに手術となり、「数時間遅れていたら片半身マヒだった」ところを救われる。

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「年寄り二人暮らし」⑤

 

骨粗しょう症の治療

2020年4月私も夫も退院。夫は買い物、調理、私のリハビリや通院のための送迎をしてくれた。

 

私の介護認定は「要介護2」となり、介護用のベッドのレンタルや必要な手すりの取り付け(トイレや風呂の中、段差のあるところ)がなされ、ヘルパーさんのシャワー介助などで、順調な生活が始まった。

 

退院後、関西医大に中村病院退院の報告と診療を受けるために通院。しかし、3月末に腰骨骨折をしたため「骨粗しょう症」の治療をすることになった。その治療方法は

①   月1回病院で注射を受ける

②   月2回自分で注射をする

③   飲み薬の摂取

 

さて、どれを選ぶかと言う事になり、

①はコロナ禍の中、病院にはあまり近づかない方がいい。

③はあまり効果がない。ということで

②の自分で注射することを選んだ。

 

それから「テリボン(骨粗鬆症治療剤)」との付き合いが始まった。2年間208本を目途に週2回おなかの筋肉に注射する。「ブシューとするだけ。ブシューですわ」との先生の言葉が忘れられない。

 

週2回の手間などはいいのだが、1本の値段の高さにびっくりした。1本7~8百円(1割負担)。

3ケ月分27本で2万円位になる。「

これはまた高額医療費に該当して返ってくるのやろうな~」とそんなことを思いながらのスタートだった。

今年(2022年)4月に208本を完了。

後は半年ごとに注射を受けることとなった。

「腰骨の修復はしっかりできている。」

との先生の言葉に一安心。

 

張り切りすぎる夫が・・

 

 順調と思われた生活で気になったことは、夫の頑張りすぎで、車での買い物だが、車から家まで荷物をはこぶのにハーハー言っている。

心臓に負担がかかっているのだろう。

「夜だけでもお弁当をたのもう」と提案しても「やれるだけやったらいい」の繰り返し。

夫が通院している間に、近くのお弁当配達を2週間頼んでみた。その後、3ケ所のお弁当を食べた結果、値段・内容はかわらず「おいしいとも言えず、まずいとも言えず」だった。

 

 (話は少し戻ります)そんな間に夫の体調が悪くなりはじめ、消化器は胃から始まり大腸まで検査のため2日間の入院を繰り返したが、大腸にはポリープが沢山あったものの摘出して検査したところ良性のものだった。

 

11月に入ると、今度はやっぱり心臓に不調が出てきたのであった。診察結果は軽い心筋梗塞だと言われ3日程度の入院を3回繰り返した。しかし最後の検査は軽い梗塞ではすまなかった。

 

手術することとなったが、夫の心臓病は長いキャリアだから大変な手術となったのだろう。担当医からは「血圧が下がり、意識が無くなったが、施術はある程度までやれた」と言われたものの、その後家族が呼ばれ経過説明がされた。

 

「尿が出なくなり腎臓透析をする。血圧の低下、流動食。肺炎の熱もある(最悪の場合)延命をどうするか?」

と問われた。

「過度な延命は望まない。生きようとする力があるのなら生きてほしい」と願った。

が、最後には「今夜か、明日かと思ってほしい」と言われた。でも次の日には「どういう訳か尿がでました」

 

こんなやりとりを3度の繰り返し。

私達には祈るしかない毎日だった。コロナ禍の中で面会もできず、様子もわからず、「やっぱダメなんかな~」と「お別れの会はどうするか」を教会の牧師はじめ友人に連絡した。

 

一方、私の通帳のお金を出せるようにするべく放っていたカードを作るなどあわただしい数日を過ごした。

その後、12月27日になって病院から「元気になって来られた」と連絡が入り「新しい年が迎えられるな~」を実感した。

 

電話口でおもいっきり泣いてくれた若い友人は「私の涙は何だったのだ~」と笑いあった。

 

 

つづく

 

 

 

「すずらんのつどい」は2015年9月「すずらんの集い―いっしょに考えてみませんか福祉・介護―」をテーマとしてケアマネジャー経験者を中心に結成しました。常時メンバーは5名。

拠点は大阪府枚方市の北部、楠葉地区においています。

近づく超高齢化社会を見つめ、高齢者福祉の学習、関係者との情報交換、枚方市の高齢者施策についての話し合いなどの活動をしています。

 

 

久しぶりのお話、身につまされることもありますね。

なにより、無事にお正月が迎えられたことが嬉しいですね。