「すずらんのつどい」は2015年9月「すずらんの集い―いっしょに考えてみませんか福祉・介護―」をテーマとしてケアマネジャー経験者を中心に結成しました。常時メンバーは5名。

 

 拠点は大阪府枚方市の北部、楠葉地区においています。

 

 近づく超高齢化社会を見つめ、高齢者福祉の学習、関係者との情報交換、枚方市の高齢者施策についての話し合いなどの活動をしてきました。

 

 今回は枚方市に住む高齢者の方から寄せられた、投稿を掲載します。

 高齢者に避けられない悲劇が骨折。このお話は、かなりながーいので、連載となります。

 

 

 

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「年寄り二人暮らし」①

s・m

 

 私は一昨年(2019年)2月に、首の手術(脊椎管狭窄症)を、4月末に、左手小指の腱(筋)切断のための手術を受けた。手術・入院・リハビリの1年であった。その間、健康保険によるリハビリと、介護保険によるリハビリを受けた。

 

 そして昨年(2020年)1月には、同じく狭窄による腰の手術を受け、術後、リハビリ専門の中村病院に転院し、健康保険によるリハビリを受け、退院後は介護保険によるリハビリを受けている。(同病院デイセンターで)

 

 一昨年の2度の手術のことを、小さな文章にしたところ、沢山の人が読んでくださり、分かりやすい文章だけど

「健康保険と介護保険のリハビリがどうちがうのか?」

「どうしたら介護保険が受けられるのか?」

「要支援や要介護とは何のこと?」

といった質問が寄せられた。

 

 腰の手術後、私は要支援1から要介護2となり、週1回のリハビリが週2回となり、生活が変わり忙しい毎日となった。

 前回に寄せられた質問の介護保険のこと、腰の手術について、そして夫のことを書いてみようと思う。

 読んでいただければ幸いです。

 

 一昨年(2019)2月首の手術を受けた時から腰にも狭窄があることはわかっていた。

足腰の痛みやしびれがあった。MRIの画像では首同様手術するしかないということだった。

思ったより短時間の手術だったが、首同様大きなボルトが3本入れられ、ネジがついていたり、キズのところは40個程のホッチキスが留めてあるレントゲン画像にびっくりした。

 

 術後は寝る時以外コルセットをして、トイレやリハビリ、洗面は車イスに乗せられていく。

起き上がると腰はもの凄い痛みでハーハーと息をしながら我慢するも続かない。

起き上がっての食事など無理。

 

 寝ている時はさほどの痛みはないが起き上がったとたん本当に痛い。

 

 よく時代劇の侍が刀で切られ肩で息をしながら倒れている場面が浮かび

「その痛みわかる!わかる!」

と妙な共感をした。

あまりの痛さに食欲もなく食べられない。

 

 すると大きな点滴をされる。大きなコルセットを付け点滴を引っ張ってリハビリに行くのもけっこう大変だった。

 

 その腰の痛さは私の食欲をすっかり失わせ、しっかり食べなきゃと座るが、座っておれない。

何とか一口食べたが味もわからない。

口に含んだまますぐ横に倒れてしまう。

 

 食欲どころではない。

首の手術後も首が痛く殆んど横になって食べた。何故こんなに痛いのか?に

「いかに頭が重いかです」と言われたことを思い出した。そりゃ上半身の重みがボルトの入った腰に乗るんやから痛いわなあ。

 

 と納得しても食欲はわかない。

病院に来た夫も「顔色が悪い」と言い出す。

「すぐ人を病人にする!」と怒っていたが、後ほど分かったのは「あの時貧血になっていた」だった。

 

そこで「冬だけど」と思いつつ「いちご」を差し入れてもらうこととした。

それでもあんまり食べないと担当の教授が

 

「しっかり食べなあきません。食べ物は口から摂取しないと身にならない。

点滴で採ってもあかんよ。

私なんかコンビニのおにぎりしか食べてない。こんなおいしい物を食べなあかんよ」

 

と心からのお説に「すみません先生。先生のお話は私の心によーく沁みこみました。

 

が。

食欲にはひびいてくれません」に

(と歯向かうと、先生のご託宣)

「今日の夕食と明日の朝、ある程度食べられたら、この点滴を外します」

 

(つづく)

 

 

 

 

ほたる袋