少し前に、枚方市楠葉地区で移動式スーパーが登場したという話をしましたが、

この現象がいわゆる「買物難民発生」かと思います。

 

では、なぜ特急電車停車駅近辺でも「買物難民」が発生するのか

を考えてみました。

 

楠葉・野田地区(枚方市)での原因を考えると

すでにこの地域では、八百屋、魚屋等は姿を消して久しく、

地元スーパーだけが食料調達の頼みだったのですが

その地元スーパーの撤退がそもそもの「買物難民発生」の始まりでした。

 

 国の耐震基準の変更に伴い、建て替えが必要となったことから、

地域からの撤退に踏み切ったらしいです。

この結果、このスーパーに頼り切っていた方々の買い物先がまったくなくなってしまいました。

 

そこで、このスーパーでは、地域から撤退する代わりとして、

本店が「移動式スーパー」を地域へ走らることにしたのでした。

 

これが、移動式スーパー「とくし丸」導入のいきさつらしいのですが、

実はこれ以外にも移動式スーパーが走る要件が生まれてきています。

 

それは、路線バスの廃止です。

地域には、私鉄が経営する路線バスがあり私鉄駅前から住宅街と市の施設を循環していたのですが、突然この路線が廃止になってしまったのです。廃止理由は、当たり前のことですが、バス利用者の減少です。

 

この結果、バスに頼っていた人々は移動手段を失ってしまいます。こうしたことから、比較的市街に近いと思われる地域でも「買物難民」が発生してしまうのです。

 

三つめは、住人の高齢化。

 

高齢になると、数段の階段の昇り降りができなくなります。

表玄関に設けた階段の昇り降りが使えなくなり、裏口から出入りしている方がおられました。表玄関は、雑草が生え放題です。

 

今から数十年まえ、郊外の開発が盛んに行われ、丘陵地帯に次々と住宅が建てられる時代がありました。

当然坂道を上り下りする必要がありましたが、当時の若い人々は、車があり、自転車があり、何より健康な脚がありました。

 

しかし時代は移り、車をあきらめ、自転車をあきらめ、そしてバスが来なくなる時代になります。その頃に老夫婦だけが住む地域では、地域での購買力が低下し、スーパーは撤退を余儀なくされます。

 

新興住宅地に移り住むときにこの事態を考えることができなかったのかもしれません・・

 

これから、住宅を買おうとする方は、老後の生活環境も考えて検討する必要があるかも・・

 

そうして、こういう時代に突然現れた新型コロナウイルス感染症はは、従来の生活スタイルを根本的に変えてしまう予兆があります。

 

その一つが,食事の宅配。移動式スーパーも、ますます増えていくかもしれません。

高齢者でなくても、宅配を利用する事態となっています。今後の地域での生活方式は、大きく変化する可能性もあります。

 

新型コロナにどう対応するかも含め、毎日の食事をどうするか、生活様式を含めて考える必要があるかもしれません。

 

外食産業に携わる方々も、そのことを検討されていると思います。

社会生活がどう変わるのか、元に戻れることを期待するだけでは済まない事態がくるかもしれません。

 

こころ引き締めて秋を迎える必要があります。

 

 

スタッフS