柔と耕作(松田)の新婚日記 26日目 (午前編第1部

            文書量(文字数)が膨大な為、一日を分割で表記しています。





帰国二十六日目。 柔と耕作の長い長い一日(二十六日目)


耕作は不意に目が覚めた。

耕作「(寝過ごしたか?)」

耕作「(いや、柔もまだ寝てるから、それは無いか。)」

耕作は自分の胸に顔を付けて静かに寝息を立てている柔の姿を確認した。

耕作「(今、何時何だ?柔を起こした方が良いのか?)」

耕作「(柔より早く起きたのは何時以来になるのかな?)」

耕作「(この体勢だと机の上の時計を見る事が出来ないな。)」

耕作「(柔がまだ寝てると言う事は5時になって無さそうだ。)」

耕作「(起こしても良いけど、時間前だと悪い気がするし。)」

柔「うふ、先に目が覚めたのね?」

耕作「うおっ、びっくりした~、今起きたの?」

柔「うん、たった今、目が覚めたよ。」

耕作「今何時か分かる?」

柔「一寸待ってね。」

柔は上体を少し起こして机の上の時計を見ると、再び耕作の胸に自分の顔を付けて
耕作の顔を見詰めた。

柔「4時半だね、昨日早く寝たから目が覚めるのも早かったみたい。」

耕作「そうか、十分に寝たから自然に目が覚めたのか。」

柔「そうだと思うよ。」

柔「あたしもそうだから。」

耕作「なるほど、今日はもう少し遅くまで起きてても良いかもね。」

柔「まさか、昨日お話した事を忘れた訳じゃないよね?」

耕作「忘れてなんかないよ。」

耕作「だから、遅くまで起きててもって言ったんだよ。」

柔「そうだったの?ごめんね~、また、早とちりしちゃった。」

柔「それで、あそこも・・。」

耕作「あっ・・、それは以前も話した事が有ったでしょう?」

柔「うふふ、相変わらず、お元気そうで何よりですわ。」

耕作「こらこら、朝っぱらからそんな事を言わないの。」

柔「分かってま~す、乙女はそう言う事を言っちゃいけないのよね~。」

耕作「こいつ~、分かってて言ってたのか~。」

耕作は柔の頭をクシャクシャと撫でた。

柔「あは、何だかその撫で方気に入ったかも。」

耕作「これこれ、どさくさに紛れてバスローブの中に手を突っ込んで俺の胸を撫でないの~。」

柔「え~、撫でる位良いじゃな~い。」

耕作「いや、気持ち良くなるから駄目だって。」

柔「そう言えば、前もそう言ってた事が有ったね。」

柔「あなたに襲われるといけないから撫でるのは止めるね。」

耕作「俺がそんな事しないと分かってて、敢えてそういう事を言うんだね。」

柔「一応、止める為の理由付けって事で、許してね。」

耕作「そう言う理由なら許すよ。」

耕作「しかし、朝から元気だよな~、俺達。」

柔「そうね~、特に・・、あなたはね?」

耕作「まだ言うか~?」

柔「あは、ごめんなさ~い、もう言いませんから~。」

耕作「まあ、良いけど、もう治まったみたいだし。」

柔「あ~、ほんとだ~、残念・・。」

耕作「君にとっては残念な事なんだね。」

耕作「そう言えば君の太腿に当たってたんだっけ?」

柔「そうだよ、だから分かったんだもん。」

耕作「これで何度目なんだ?こんな風になるのって。」

柔「え~っと・・。」

耕作「あ、いや、答えなくて良いから。」

柔「そうなの?」

耕作「態々回数を覚えて・・、そうだよな、君の事だから。」

柔「分かっちゃった?あなたに関する事は大抵覚えてるよ。」

耕作「そう言ってたね、忘れても良いんだよ?」

柔「いやよ~、あなたに関する事は絶対に忘れないも~ん。」

耕作「そうだろうな~、忘れなくても良いけど、他所では言わないでよ?」

柔「心配しないで、あなたとの秘密になる事だから他所では絶対に言わないから。」

耕作「それを聞いて安心したよ。」

耕作「ところでどうする?」

柔「どうするって?今から何かするの?愛し合うとか?」

耕作「また、早とちりする~、違うよ。」

柔「な~んだ~、違うのか~、期待して損しちゃった~。」

耕作「朝から出来ないのを分かってるのに、そんな事を言うんだね。」

柔「まあね~、それでどうするって言うのは起きるかこのまま時間まで寝てるかって事で良いの?」

耕作「しっかり、分かってるじゃないか、そうだよ。」

耕作「どうしたい?」

柔「あたしとしてはこのままで居たいかな~。」

耕作「分かった、もう少しこのままで居よう。」

柔「あなたを直に感じられるからね~、この体勢だと。」

耕作「それは俺も同じだよ、君がノーブラなのも感じてるし。」

柔「やだ~、もう~、態々口に出して言わなくても良いじゃな~い。」

耕作「さっきのお返しだよ。」

柔「なるほど、これでお相子だね。」

耕作「そう言えば、今も朝練の後に風呂に入ってるの?」

柔「一応、浸からないけど体は洗ってるよ。」

耕作「そうなんだ、俺も体位は洗うかな。」

柔「うふ、一緒に入れるね?」

耕作「浸からないから別々でも良いんじゃない?」

柔「え~、一緒に入らないの~?」

耕作「朝からは止めとこうか、変に刺激し合っても大変だし。」

柔「それもそうね。」

柔「会社に行かないといけないのに、もやもやした気分のまんまじゃ行けないよね。」

耕作「お楽しみは今夜という事で我慢しよう?」

柔「えへへ、そうだったね~、今夜か~、早く夜にならないかな~。」

耕作「これこれ、その気持ちを引きずったまま会社に行ったら駄目だよ。」

柔「分かってま~す、そこはちゃんと切り替えるから心配しないでね。」

耕作「君の切り替えの早さは知ってるから、心配はしてないよ。」

柔「でも、今のであなたも楽しみにしてるって分かって、嬉しかったよ。」

耕作「俺も君と何か一緒にするのは楽しいよ。」

耕作「君もそう言ってたでしょう?」

柔「うん、あなたと何かするのは楽しいよ。」

柔「だから、今はずっと一緒に居る事が出来るから嬉しいのよね~。」

耕作「それは俺も同じだよ、君の傍に居る事が出来るんだから。」

柔「編集長さんとうちの社長に感謝しないといけないね。」

耕作「そうだよな~。」

耕作「編集長がお願いした事を君の所の社長が快諾してくれたから、今こうしていられる訳だし。」

耕作「まあ、その恩には報いてるとは思うけどね。」

柔「そうよね。」

柔「あなたもあたしもお仕事で御恩返しはしてると思うよ。」

柔「勿論、これから先もそうしないといけないと思ってるけど。」

耕作「俺もそう思うよ。」

耕作「そろそろ起きない?」

柔「そうね、あなたもコーヒー飲みたいでしょうし。」

耕作「着替えをしないといけないのも有るよ。」

柔「そうだった、あなたもあたしもバスローブの下は何も着て無かったんだった。」

柔「ね~、あなた~?」

耕作「分かってるよ、着せて欲しいって言うんだろう?」

柔「あは、分かっちゃった?」

耕作「君がそう言う声で聞いてきた時は大抵何かして欲しい時だって分かってるからね。」

柔「上だけで良いよ、下は自分で穿くから。」

耕作「そうしてくれると助かるよ。」

耕作「まあ、上を着せるだけでもかなり刺激的だけど。」

耕作「インナーはスポーツ用だよね?」

柔「勿論よ、あなたは?」

耕作「そう言えば、あれ以来穿いた事は無かったな~。」

柔「この際だから穿いてみたら?」

耕作「そうするか、君もあの時みたいに赤面しないだろうし。」

柔「うふ、今はね~、中を見ちゃってるから、さすがにそうはならないと思うよ。」

柔「上はトレーニングウェアだよね?」

耕作「そのつもりだよ、君もでしょう?」

柔「うん、打込はやって無いからね。」

耕作「だから、以前に比べて30分短くなってるのか。」

柔「そう言う事になるかな。」

耕作「代わりに練習の時に多目にやってるのか。」

柔「そうね。」

耕作「でも、それで良く速さをキープ出来てるね。」

柔「速さに関してはトレーニングの時に意識してやる様にしてるからかも。」

耕作「なるほど、だからか。」

柔「反射神経の反応速度に関しては、あなたが常に一緒に居てくれるから速いんだと思うよ。」

耕作「という事は、今の君は常に精神的に安定してるって事なんだ。」

柔「そうなの、あなたと一緒に居ると落ち着けるのよね。」

柔「あ、いけない、起きようか。」

耕作「そうだった。」

2人は抱擁を解いて耕作がベッドに座る間に柔はベッドから下りてお茶とコーヒーを注いで
コーヒーを耕作に渡しながら軽めのキスをすると寄り添って座った。

耕作「目覚めのキスとコーヒー、ありがとね。」

柔「どう致しまして。」

柔「それともう一つ、おはよう~。」

耕作「そうだった、おはよう~。」

柔「今、あたしがベッドから下りる時見て無かった?」

耕作「見てた、ドキッとしたよ、君も俺がベッドに座ろうとするのを見てたでしょう?」

柔「あは、分かってたのね、あたしもドキッとしちゃった。」

柔「下に何も着て無いのが分かってるから余計にそうなのかもね。」

耕作「そうだと思う。」

耕作「しかし、つい見てしまうのは2人とも一緒なんだな~。」

柔「うふ、そうね、まあ、見えないって言うのは分かって見てるんだけど。」

耕作「それは俺も一緒だよ。」

耕作「でも、凄くセクシーだったよ。」

柔「そう?嬉しいな~、そう言って貰うと。」

耕作「最近、君を見てて良く思うんだ。」

柔「何を思うの?」

耕作「君の身の熟しがとても優雅に見えるんだよね。」

柔「そうなの?」

耕作「そうだよ、何をする時でも、とても優雅に見えるんだ。」

耕作「たった今、ベッドから下りる時の仕草も一度正座する感じで両足を揃えた後に片足ずつ
    床に下ろしてたでしょう?」

柔「良く見てるわね~。」

耕作「意識してやってたの?」

柔「ううん、多分、無意識でやってたと思う。」

柔「そうやって下りてるって、自分では気が付かなかったもん。」

耕作「なるほど、動作が自然と優雅になってるのか。」

柔「それって、良い事なのかな?」

耕作「とても良い事だよ、他の人が見てもそう感じると思うよ。」

柔「他の人が見るから良い事なの?」

耕作「君の身の熟しを真似したいって思うんじゃないかな。」

耕作「他の人の手本になる事は良い事なんだから。」

柔「そうなんだ、でも、意識してやってる訳じゃないしな~。」

耕作「君が意識してるかどうかじゃなくて、実際にそう言う身の熟しをやってる事が大事なんだ。」

柔「そうなのね。」

耕作「また、新たなギャップが生まれた訳だ。」

柔「ギャップ?どんなギャップなの?」

耕作「柔道やってるのに身の熟しが優雅って言うギャップね。」

柔「あ~、そう言う事ね。」

耕作「あっ、でも、待てよ・・。」

柔「どうかしたの?」

耕作「善く善く考えると、君がジョディー達と柔道をしてる姿も優雅に見えてたな。」

柔「どういう事?」

耕作「いや、ギャップにならないかもって思った。」

柔「柔道やってる姿も優雅だから?」


耕作「うん、どちらも優雅な動きだとギャップにならないでしょう?」

柔「それもそうね、同じだとならないよね。」

耕作「まあ、良いか、君の動き自体が優雅なのは変わらないんだし。」

柔「あたしはあなたにそう感じて貰えてるだけで嬉しいから。」

耕作「そうだね、他の人がどうこうとか気にしないよね、2人とも。」

柔「そうそう、あたし達だけ分かってれば十分だよ。」

柔「そろそろ着替えようか?」

耕作「そうするか。」

耕作「着る物を持ってきたら着せてあげるから。」

柔「分かった~、じゃあ、下だけ穿くね。」

耕作「その間に俺も下を穿いておくよ。」

柔と耕作は立ち上がるとカップを机の上に置き、着る物を選んでお互いに背を向けて
バスローブを脱ぐとインナーの下をそれぞれに穿いた。
柔は着せて貰うブラを持って耕作の傍に行った。

柔「やだ~、あなた~、それにしたの?」

耕作「可笑しいかな?」

柔「ううん、可笑しくはないけど、結構際どいのを選んだのね。」

耕作「君も平気だって言ってたから、これにしたんだけど。」

耕作「君が嫌なら着替えるよ?」

柔「嫌って事は無いから、そのままで良いよ。」

柔「しかし、他の人には見せられないな~。」

耕作「いや、他の人には絶対に見せないから。」

耕作「君だからこういう姿も見せてるんだし。」

柔「それもそうね。」

柔「しかし、やっぱり、あなたのって・・。」

耕作「はい、そこまでね、それ以上は乙女として言葉にしちゃ駄目だよ。」

柔「そうでした、これ以上は口にしないね。」

耕作「柔?」

柔「うん?まだ何か有るの?」

耕作「ここでは胸は隠して欲しいかな~って思うんだけどな~。」

柔「あっ、あれってお風呂に入った時だけだったの?」

耕作「いや、そんな事は無いけど、普通にしてる時は隠して欲しいかな。」

柔「じゃあ、確認なんだけど、お風呂に入る時と愛し合う時以外は隠すって事で良いのね?」

耕作「そうしてくれると嬉しいかな。」

柔「分かった、そうするね。」

柔は自分の胸を両腕で隠した。

柔「これで良いのね?」

耕作「うん、それで良いよ、じゃあ、着せるからブラを渡して向こうを向いてね。」

柔「は~い、お願いしま~す。」

柔は耕作にブラを渡すと背中を向けて万歳の格好をした。
耕作は受け取ったブラを柔の頭の上から被せて胸の辺りまで下ろすと、柔は自分でブラを整えて
耕作の方を向いた。

耕作「やっぱり、きれいなバストラインしてるな~。」

柔「や~ん、もう~、どこ見てるのよ~。」

耕作「仕方ないよ、きれいなんだから、つい見てしまうのは。」

柔「まあ、きれいって言ってくれてるから良いけど。」

耕作「取り敢えず、トレーニングウェアを着ようか。」

柔「そうだね。」

柔と耕作はトレーニングウェアを着るとベッドに寄り添って座った。

柔「2人一緒にこの格好をするのってアメリカ以来だよね?」

耕作「そうなるのかな?」

耕作「確か、君のスポーツ用のインナーを買いに行った時だったかな?」

柔「そうだね。」

柔「あの時は途中まで一緒に走って行ったんだよね~。」

耕作「俺が持久力無いからな~。」

柔「でも、あたしが本格的に柔道が出来なくなったらウォーキングは一緒にやってくれるのよね?」

耕作「勿論、そのつもりさ。」

耕作「その時は君は身重になってるんだから、1人でなんか行かせられないよ。」

柔「うふ、ありがとう~、頼りにしてるからね~。」

耕作「任せとけ、君を必ず守るから。」

柔「あ~ん、その言葉良いな~。」

柔「あなたに惚れ直しちゃった~。」

耕作「惚れ直したところで、そろそろ行こうか?」

柔「あっ、時間が・・。」

耕作「そうだよ、時間の余裕が無くなるから。」

柔「急いで行きましょう。」

柔と耕作は立ち上がるとお互いの腰に手を回して寄り添って下に下りて行った。



下に下りた2人は道場へ向かった。

道場に着くと2人とも腰に回していた手を外し、柔は一礼すると中に入り、耕作も後に続いた。
柔「あたしは正面の奥でするけど、あなたはどうする?」

耕作「柔軟を一緒にするんだから、俺も一緒の場所でするよ。」

柔「あ、そうだったね、じゃあ、始めましょうか。」

耕作「そうするか。」

柔と耕作は奥に行くと一緒に組んで柔軟を始めた。

柔「最初はあなたがあたしを押してくれない?」

耕作「良いよ、じゃあ、押すよ。」

柔「お願いしま~す。」

耕作が柔の背中を押して柔は開脚の前屈を始めた。

耕作「相変わらず、体が柔らかいな~。」

柔「まあね、ずっとやってたからね。」

柔が一通り柔軟を終えると次に耕作が柔軟を始めて柔が背中を押した。

耕作「もう少し加減してくれないかな?」

柔「え~、これだけしか曲がらないの?」

耕作「さっき、言ったじゃないか、固いって。」

柔「しかし、固過ぎじゃない?」

耕作「柔軟は殆どやってなかったから仕方ないよ。」

柔「暫く一緒にやってたら少しは柔らかくなるかもよ?」

耕作「そうなると良いな~、一応頑張ってはみるけど。」

柔「はい、終わったよ。」

耕作「じゃあ、別々にトレーニングするか。」

柔「そうね、後でどうだったか言うね。」

耕作「今後の事も有るから頼むよ。」

柔「任せて~。」

柔と耕作は少し離れると各々でトレーニングを始めた。

耕作が腹部周辺を重点的に鍛えるトレーニングをしながら柔の方を見ると柔も耕作を見て
微笑んでいたので微笑み返した。

耕作「(俺が言った事をちゃんと守って見てくれてるのか。)」

柔は耕作の考えを見透かす様に頷いていた。

耕作「(俺の考えを読まれたっぽいな。)」

耕作「(こうして柔のトレーニングしてる姿を改めてみると動きに無駄が無い分優雅に見えるな。)」

耕作「(こういう所から動きを自然に変えてたから、普段の生活でもその動きが出るのか。)」

耕作「(それにしても相変わらず素早い動きをしてるな。)」

耕作「(少し疲れてきたな、これ位にしておくか。)」

耕作が柔を見ると、また考えを読まれてるのか首を横に振っていた。

耕作「(ふふ、また読まれたか、仕方ないけど、もう少し続けるか。)」

耕作「(何で俺が考えてる事が分かるんだろう?)」

耕作「(表情に出てるのかな?)」

耕作「(それとも、やっぱり、以心伝心なのか?)」

耕作「(後で聞いてみよう。)」

耕作「(さすがにきつくなってきたな。)」

耕作「(止めるとするか。)」

耕作が再び柔を見ると、柔は分かったかの様に微笑みながら頷いていた。

耕作「(柔の許しも出たから止めよう。)」

耕作はトレーニングを止めて胡坐をかいて柔を見ていた。

耕作「(柔もそろそろ終わりそうだな。)」

少しすると柔もトレーニングを終えて耕作の元にやって来ると正座して寄り添って座った。

柔「どう?久し振りできつかった?」

耕作「そうだな、まだ体が慣れて無い分きつく感じたよ。」

柔「続けてれば体も慣れて楽になると思うよ。」

耕作「そうだな、この先ずっと続ける様にするよ。」

柔「良かった~、これからも朝は一緒に体を動かせるのね。」

柔「あっ、違う意味での事じゃないよ?」

耕作「ははは、ここでそんな事したら滋悟朗さんにコテンパンにされた上に出入り禁止にされるよ。」

柔「うふふ、そうよね、ここは神聖な道場なんだし。」

耕作「しかし、練習終わって直ぐにそんな冗談を言える様にもなったんだね。」

柔「それはね~、あなたの教育の賜物かな~?」

耕作「俺って、君にそんな教育をしたつもりはないんだけど?」

柔「あら~、しっかり、教えて下さったじゃありません事?」

耕作「そうだっけ?」

柔「あなたの夜の授業は楽しく受けさせて頂きましたもの。」

耕作「いや、あれは君が何も知らないって言うからやっただけなんだけど。」

柔「うふふ、分かってるわよ、あたしの為にやってくれてたのよね。」

耕作「そうなんだけど、こんな冗談を言わせる為じゃ無かったのにな~。」

柔「でも、あなたも嫌な気分になったりはしてないでしょう?」

耕作「当然だよ、君が冗談を言ってるのは分かってたからね。」

柔「良かった~、あなたの反応がどうなのか見たくて冗談を言ったのよ。」

耕作「ま~た、俺を揶揄ったのか~。」

柔「ごめんね~、でも、あなたも楽しそうにお話してくれたから安心したわ。」

耕作「それはそうだよ、君と楽しく話せるのは嬉しいから。」

柔「それは、あたしも一緒かな~、あなたの喜ぶ顔が見られて嬉しかった。」

柔「さてと、ここでお話してても良いけど、お風呂に入って汗を流さないと。」

耕作「そうだね、行こうか。」

柔「え?一緒に入ってくれるの?」

耕作「別々に入ると時間が掛かるから入るのは一緒で良いよ。」

柔「わ~い、一緒にお風呂~、嬉しいな~。」

耕作「そんなに嬉しい事なの?俺と一緒に入るってだけで。」

柔「それはそうよ~。」

柔「一緒に何かする事自体があたしにとっては嬉しい事なんだから。」

耕作「そうだったね、じゃあ、行こうか。」

柔「は~い、行きましょう~。」

柔と耕作は立ち上がるとお互いの腰に手を回し寄り添って風呂場へ向かった。

柔「あっ・・。」

耕作「着替えを持って来てなかったね。」

柔「どうしようか?」

耕作「取り敢えず、インナーだけ脱いでウェアを着て上に上がって着替えようか。」

柔「なるほど、それは良い考えね、そうしましょう。」

風呂場の脱衣所に入った2人は着ていた物を全部脱ぐとタオルで前を隠して風呂場に入り
湯船の傍へ行くと各々で体をきれいに洗い泡を流した。

柔「どうする?温いけど入る?」

耕作「止めとこうか、風邪引いたりするとシャレにならないし。」

柔「そうだね。」

2人はそれぞれに体を拭いて脱衣場に行くとバスタオルできれいに拭き上げてウェアだけを着た。

柔「じゃあ、上に行きましょう~。」

耕作「分かった、行こうか。」

2人はお互いの腰に手を回し寄り添ったまま風呂場を後にして2階へと向かった。



2階の部屋に入るとそのままの体勢でベッドに座った。

柔「お疲れ様でした~。」

耕作「君こそ、お疲れだったね。」

柔「あなたの方が久し振りで疲れちゃったでしょう?」

耕作「そうなんだよな~、かなり体が鈍ってるよ。」

柔「さっきも言ったけど、暫くしたら慣れてくると思うよ。」

柔「元々は体を鍛えてたんだし。」

耕作「まあ、無理しない程度に頑張るよ。」

柔「それで良いんじゃないかな。」

柔「無理すると体に負担が掛かっちゃうからね。」

耕作「今、フッと思ったんだけど。」

柔「何を?」

耕作「君も産後はこんな思いをするんだろうな~って。」

柔「やっぱり、あなたって素敵ね~。」

耕作「そうかい?」

柔「こんなにも、あたしの事を気遣ってくれてるんだもん、素敵過ぎよ~。」

柔は急に耕作に抱き付き顔を胸に埋めてきたので、耕作も思わず優しく抱きしめ返した。

耕作「あれ?泣いてるの?」

柔は顔を上げて耕作を見詰めたがその眼には涙が溢れていた。

柔「えへへ、感激の涙で~す。」

耕作「何か、君の涙を久し振りに見た気がするよ。」

耕作「凄く愛おしく感じた。」

柔「改めて、あなたと一緒になれて良かったな~って感激しちゃった。」

耕作「その涙なんだね。」

柔「うん、うれし涙でも有るかな。」

耕作「そこまで感激されるとお礼をしないとね?」

耕作が柔の頬に片手を添えると柔はそれに応える様に目を瞑ったので優しく長めのキスをした。

柔「はぁ~、素敵なお礼、ありがとう~。」

耕作「君もお礼返ししてたけどね。」

柔「あは、ついね~、返さないとって思っちゃったから。」

耕作「君も俺と同じ様にキスが上手になったね。」

柔「そうね~、最初のキスは凄くぎごちなかったのが記憶の片隅に残ってるかな~。」

耕作「それは俺も微かに覚えてる気がする、あの時の事だよね?」

柔「うん、アメリカでの最初の日の夜の事よ。」

柔「あたしのとっては最高のキスだったのよね~。」

耕作「何で最高なの?」

柔「だって~、あなたにプロポーズされた後のキスなんだもん、最高に決まってるじゃな~い。」

耕作「そう言う意味での最高なのか、それは俺も同じかな。」

柔「あなたもそう思ってたのね~。」

柔「同じ思いだったんだ~。」

耕作「まあ、俺の場合はかなり緊張してたから、その時直ぐにはそう思わなかったんだけど。」

耕作「あの後、部屋に帰って風呂に入ってる時に思い出して、そう感じたんだよな~。」

柔「あれから結構立ってるけど、いまだに鮮明に覚えてるのよね~。」

耕作「俺もかな、君のあの時の表情が今の表情に似てた気がするよ。」

柔「そうかも、感激してたのは同じだし。」

耕作「そうだ、俺のトレーニングは君から見てどうだった?」

柔「あっ、良かった~、あなたが聞いてくれて、忘れるとこだった。」

柔「えっとね、もう少し負荷を掛ける様にした方が良いかな?」

耕作「負荷を掛けるだけで良いの?やり方とかは?」

柔「あたしが見た限りでは、あなたのやり方で十分だと思ったよ。」

耕作「そうか、じゃあ、明日から少しずつ負荷を掛ける様にしていくよ。」

柔「それが良いと思う、いきなり高負荷にすると長続きしなくなっちゃうしね。」

耕作「しかし、あの位置から見てて、それが分かるって凄いよな~。」

柔「あたしもやってるから、どの位の負荷が掛かってるか分かるからかも。」

耕作「これからも何か注意する事が有ったら遠慮なく言ってくれて良いから。」

柔「うん、出来る限りアドバイスはするよ。」

耕作「そろそろ下に下りる時間じゃない?」

柔「まだ少し時間は有るけど、行きましょうか。」

柔「その前に着替えないといけないけどね。」

耕作「また、着せてって言わないよね?」

柔「今度は自分で着るから、言いませんよ~。」

耕作「じゃあ、着替えようか。」

柔「は~い。」

柔と耕作は腰から手を外し立ち上がってそれぞれに着ていく服と下着を選んでお互いに
背中を向けて着ると向き合った。

柔「これで良いかな~?」

耕作「会社に行くのに、それってセクシー過ぎない?」

柔「だって、会社の中は制服だし。」

耕作「それもそうか、じゃあ、そのままで良いのか。」

柔「うふふ。」

耕作「何か可笑しな事言った?」

柔「ううん、以前なら、そんなセクシーな服は~って言ってたな~って思いだしちゃって。」

耕作「あ~、そう言う事か。」

耕作「今では君も立派な俺の奥さんだから、少し位セクシーさも有って良いかなって思ったんだ。」

柔「まあ、余り過激な服は持ってないから安心してね。」

耕作「それは、俺も知ってるから、第一、君がそんなに過激な服なんて着ないでしょう?」

柔「あ~、言ったな~。」

耕作「あっ、悪かった、謝るから、過激な服を買うのは止めようね。」

柔「良し、許して進ぜよう。」

耕作「良かった、思い止まってくれて。」

柔「過激な寝間着は良いの?」

耕作「そうだな~・・。」

耕作「やっぱり、止めにしよう?」

柔「何で?」

耕作「君の魅力に勝る過激さは無いから。」

柔「う~ん、喜んで良いのか、それとも、馬鹿にされてるのか・・。」

耕作「喜んで良いんだよ?一緒に風呂に入った時の俺の反応を見てるじゃない?」

柔「そうだった、じゃあ、素直に喜ぶね~。」

柔「褒めて?くれて、ありがとう~。」

耕作「褒めての所を疑問形にする辺りさすがだね。」

柔「一応ね、ほんとなのか自分では自信が無いからね。」

耕作「自信もって良いと思うんだけどな~。」

柔「良いの、あなたが喜んでくれるだけで十分なんだもん。」

耕作「それもそうだね、俺も君と同じだし。」

柔「じゃあ、下りましょうか。」

耕作「そうだね。」

耕作がポットを持つと柔は急須とカップ2つを持ち寄り添って下に下りて行った。