柔と耕作(松田)の新婚日記 16日目 (午前編第3部)
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キョンキョン「松田さん?良くあれで分かりましたね。」
耕作「まあね、ここに佐藤が居たから口で言えなくてジェスチャーしてたっぽい。」
耕作「それは俺が柔に『今からやって乾くの』って聞いた答えだって思ったんだ。」
キョンキョン「なるほど、それなら直ぐに分かりますね。」
舞「あ~、あれを洗濯するんですね。」
舞「えっと、佐藤さんは詮索しないで下さいね?」
佐藤「あ、はい、分かりました。」
美咲「昨日の分なんですね。」
キョンキョン「そうみたいですね。」
佐藤「しかし、柔さんって結構忙しないんだね。」
耕作「そうだよ、だから面白いんだよ。」
耕作「ただ、本人は至って真面目な時が有るから、声に出して笑えないけど。」
耕作「後、冗談と本気を見分けないといけないから暫く見てるしかないんだ。」
舞「なるほど、それで旦那様は黙って見てる事が多いんですね。」
キョンキョン「お似合い夫婦ですね、柔さんのする事を全て寛容な心で見守ってる。」
美咲「確かに、旦那様の寛容さが有ればこそですね。」
耕作「それも有るけど、実際、見てて面白いと思わない?」
舞「あ~、それは有りますね~、後、柔さん自身も楽しそうですよ。」
佐藤「お前、柔さんを見て楽しんでるのか?」
耕作「いや、楽しいから見てるって言った方が正しいかもね。」
佐藤「どう違うんだ?」
耕作「大きく違うぞ?見て楽しんでるだと小馬鹿にしてる感じだろう?」
耕作「俺のは楽しいから見てるんだから。」
美咲「なるほど、旦那様が言ってる事は正しいと思います。」
佐藤「そう聞くと見て楽しむと楽しいから見てるじゃ大違いだな。」
キョンキョン「その通りですね。」
舞「言葉が入れ替わるだけで意味合いが違ってくるんですね。」
耕作「そうだね、柔が居たら舞さんみたいに言うと思うよ。」
舞「そうなんですか?」
耕作「うん、柔にこう言う事を話すと『日本語は難しい』って言うからね。」
キョンキョン「柔さんってそう言う事も松田さんとお話してるんですか?」
耕作「それだけを話すんじゃなくて、何かを話してて『日本語が難しい』ってなるんだよ。」
舞「やっぱり、柔さんって本題から別な話になるんだ。」
美咲「それでお話が長くなる訳なのね。」
耕作「そうだね、舞さんが言ってた事は当たってると思うよ。」
耕作「柔と話してると最初の話と違った話になってる事が良く有るから。」
キョンキョン「それってある種の才能ですよね?」
耕作「そうだと思うよ、他の人には真似出来無いかも。」
佐藤「お前、それで良く疲れないな?」
耕作「どうして?」
佐藤「だって、延々話し続けてるんだろう?」
耕作「じゃあ、聞くけど柔と話してて疲れたとか思った事はあるか?」
佐藤「いや、話自体も面白いし、冗談も織り交ぜるから疲れたって言う感覚は無いかな?」
舞「私も佐藤さんと同じかな?後、話してて楽しいです。」
美咲「私も舞と同じですね、お話してても飽きないです。」
キョンキョン「私も皆と同じですね~。」
キョンキョン「前の試合の時も披露宴の時もお話聞いてるのが楽しかったですから。」
耕作「皆、そう思ってるって事は柔の話は不思議な魅力が有るって事だと思うよ。」
耕作「お~い、柔~、何をそこでコソコソしてるんだ~。」
柔「あ~、見つかっちゃった~。」
耕作「また後ろに回り込もうとしてたな~。」
柔「見つからないと思ったのに~。」
耕作「ここからは丸見えだよ。」
キョンキョン、舞、美咲、佐藤「あはは。」
柔「えへへ、ただいま~、戻ったよ~。」
舞「ふふふ、柔さん、お帰りなさ~い。」
美咲「ふふふ、お帰りなさい。」
キョンキョン「うふふ、お帰りなさい、柔さん。」
佐藤「ははは、柔さん、お帰りなさい。」
耕作「くくく、お帰り~、お疲れ様だったね。」
柔「もう~、皆して笑わなくても良いじゃな~い?」
舞「だって、柔さん、可笑しくって~。」
美咲「普通に戻って来れば良いのに~。」
キョンキョン「松田さんにちょっかい掛けたかったんですね~。」
佐藤「本当に面白過ぎますよ。」
柔「ほんとに、もう~、ところで何のお話してたの?」
耕作「君の話しには不思議な魅力が有るって話してたんだ。」
柔「あたしに魅力が有るって?」
耕作「君の話に魅力が有るって言ってたの。」
柔「な~んだ~、あたしにじゃ無くてお話になのね~。」
耕作「いや、君自身にも魅力は有るよ?」
柔「やっぱり~、そう思うの~?うふふ。」
舞「なるほど、こうやって話を膨らませるのか。」
美咲「そうだね、本題から少しそれた話をする事で話を膨らませるのね。」
耕作「あ、いや、今のは柔が天然だから出来る事だから真似出来ないと思うよ?」
柔「あ~、ま~た、あたしの事を天然って言った~。」
耕作「違うの?」
柔「ううん、その通りだよ。」
舞「そうだった、柔さんが天然って言う事をすっかり忘れてた。」
美咲「うん、それが無いと無理なのね。」
キョンキョン「もう~、舞も美咲も無理に真似ようとしなくても良いのよ?」
佐藤「柔さんが天然ってどう言う事なのかな?」
耕作「佐藤?今の会話聞いててどう思った?」
佐藤「お前が言ってる事と柔さんが言ってる事に齟齬は有ったな。」
耕作「お前が聞いてて柔がわざと言ってる様に聞こえたか?」
佐藤「いや、素で間違えてた様にしか聞こえなかったよ。」
耕作「それが天然って事なんだ。」
耕作「本来の意味とは違うが人に対して使う場合は少し抜けてるって言う意味合いが有るかな。」
柔「あたし何か抜けてるの?」
耕作「あ、君に言った訳じゃ無いよ、一般的にはって事なの。」
柔「何だ、それなら良いか。」
舞「天然って元々は人には使わないんですか?」
耕作「いや、本来の意味では使うよ?」
キョンキョン「本来の意味はどう言った事なんですか?」
耕作「人に対して使う場合は生まれつきって言う意味で使うんだ。」
耕作「天性と同じ使い方をするのが本来の使い方なんだけどね。」
美咲「それがどうしてそういう使われ方になったんですか?」
耕作「俺も詳しくは知らないんだ。」
耕作「ただ誰かが言い出したのが始まりなのは間違いないと思うよ。」
佐藤「お前、良くそう言う事を知ってるな?」
耕作「お前も記者なんだから言葉自体をもっと勉強しないと。」
佐藤「確かに、記者をやる以上は言葉は学ばないといけないな。」
柔「日本語は難しいからね~。」
舞「本当だ、柔さんはやっぱり言うんだ。」
美咲「そうだね、さっき旦那様が言った通りだね。」
柔「ね~、あなた?あたしの事で皆に何か言ったの?」
耕作「今みたいに言葉の話をした時に君が必ず『日本語は難しい』って言うって話したんだよ。」
柔「あ~、その事をお話したんだ、なら、良っか。」
キョンキョン「柔さんって皆のお話を必ず聞いてるんですね。」
耕作「そうだよ、だから変な事は言えないんだ。」
耕作「あ、しまった~。」
柔「ね~、あなた?変な事って何?」
耕作「えっと、例えで言っただけだから気にしなくて良いんだよ。」
柔「そうなのね、あなたが気にしなくて良いって言うなら気にしないね。」
舞「本当に素直なんですね、柔さんって。」
美咲「ある意味凄いですよ。」
美咲「皆の話を聞いてて自分に関係有りそうな事は必ず質問するって。」
耕作「そうなんだよね、だから下手な事は言えないんだよ。」
キョンキョン「松田さんのお話を良く聞いてるみたいですね。」
柔「コーヒー飲みますか?無くなってるみたいだけど。」
舞「柔さん、私が淹れますから。」
柔「そうなの?ありがとう~。」
舞「佐藤さん、コーヒー淹れましょうか?」
佐藤「あ、すみません、お願いします。」
舞はコーヒーを自分の分を含めて5杯分淹れて皆に渡した。
佐藤「舞さん、ありがとう。」
耕作「ありがとね。」
美咲「ありがとう~、舞。」
キョンキョン「舞、ありがとう。」
佐藤「柔さん、話しながらでも周囲の事に注意を払ってるんですね。」
キョンキョン「そうですね、私も見習わないと。」
舞「私もそうしよう。」
美咲「私も見習おう。」
耕作「そう言えば、柔道の試合の時でも周囲の状況を把握してたな。」
佐藤「柔さんって柔道の試合では集中してるんじゃなかったのか?」
耕作「集中してるよ、でも周囲の状況は把握してるんだよな~。」
佐藤「それって相手を見てないんじゃないか?」
耕作「この前話したじゃないか、柔は感覚で相手の動作を事前に察知するって。」
佐藤「それと相手を見てない事にどういう関係が有るんだ?」
耕作「感覚で相手の動作を把握してるから見る必要無いだろう?」
佐藤「あ、そうだな、見てなくても対応出来る訳か。」
耕作「そう言う事だよ。」
柔「あたし、褒められてるの?」
耕作「そうだよ、褒めてるんだよ。」
柔「そうなんだね、嬉しいな~。」
舞「柔さん、可愛い~。」
柔「ありがとう~、舞さんも美咲さんもキョンキョンも可愛いよ。」
柔「しかし、さっきからまた何時もの様にあたしのお話になってるね。」
キョンキョン「柔さんが皆から好かれてるって言う証拠ですよ。」
柔「前もこんなお話した記憶が・・。」
耕作「間違いなく同じ会話をしてるよ。」
柔「やっぱりそうだったんだ。」
柔「あたし以外の話題にしませんか?」
耕作「君は何か有るの?」
柔「う~ん・・、思い付かないな~。」
柔「あっ、思い付いた~。」
耕作「どんな事なの?」
柔「舞さんも美咲さんも1人住まいなの?」
舞「そうですよ、1人で済んでます。」
美咲「私もそうです。」
柔「なるほど。」
耕作「何がなるほどなの?」
柔「って事は東京出身じゃ無いって事になるのかな?」
耕作「あ、それで、なるほどなのか。」
舞「私は東京じゃ無いけど関東ですね。」
美咲「私も関東ですね。」
柔「関東か~、お、って事は女性陣は皆、関東圏で、男性陣は東北圏になるのか。」
耕作「それがどうかしたの?」
柔「ううん、どうもしないよ?事実を言っただけだよ。」
耕作「何時もこんな感じなんだよね~。」
舞「ふむ、ふむ、唐突に何も関係無い事を言うのも会話を長くする秘訣なのか。」
美咲「そうかもしれないね。」
柔「あ、そうだ。」
耕作「今度は何だい?」
柔「えっとね、舞さんも美咲さんもお手紙と電話でやり取りするんでしょう?」
舞「はい、そのつもりですけど。」
美咲「私もそうですよ。」
柔「電話は頻繁に掛けられないから、主にお手紙のやり取りになるのよね?」
舞「多分、そうなると思いますけど。」
美咲「私もかな?」
柔「どの位の頻度でお手紙を書くつもりなの?」
舞「それは・・、佐藤さんのご迷惑にならない程度かな?」
佐藤「俺は舞さんからの手紙を迷惑とは思いませんよ?」
美咲「私もだけど、三浦さんはどう思うんだろう?」
佐藤「三浦も俺と同じだと思いますよ。」
舞「じゃあ、1週間に1通とかでも大丈夫ですか?」
佐藤「そうですね、それよりも多くても良いけど、そうなると舞さんが大変でしょうから
それで良いと思います。」
舞「分かりました、その週に私の周辺で有った出来事とかでも良いですか?」
佐藤「はい、構いません。」
柔「舞さ~ん?何か抜けてない~?」
舞「え?他に書く事とか有るんですか?」
柔「また、また~、恍けちゃって~。」
美咲「お手紙って舞が言った事以外に書く事って有るんですか?」
柔「え~、2人とも書かないの?」
耕作「舞さんが言った事以外に何を書くんだい?」
柔「まあ、あなたは舞さんと同じ事しか書いてこなかったから、そう思うんでしょうけど?」
耕作「いや、あれは君にも説明して納得してたじゃない?」
柔「あ、そうだったね。」
キョンキョン「柔さん、他に書く事って何ですか?舞も美咲も考え込んでますけど。」
柔「えっと、2人とも普通の文通をするの?」
舞「え?お手紙ですよね?」
美咲「お手紙で文通って当たり前じゃないんですか?」
柔「もう~、鈍いんだから~。」
柔「お手紙じゃなくてラブレターじゃないの?2人が佐藤さんと先生に送ろうとしてるのは。」
舞「あ、そうだった。」
美咲「あっ、そうでした。」
キョンキョン「なるほど、そう言う事ですか。」
キョンキョン「という事は後足りない書く事って言うのは・・。」
舞「あ~、恋の話ですか?」
美咲「大好きですとか書くんですか?」
柔「そうハッキリ言わなくても、ほら、佐藤さん照れてるよ?」
舞「あ~、佐藤さん、すみませ~ん。」
佐藤「あ、舞さん、大丈夫ですから。」
柔「あたしも恋文なんて書いた事無いけど。」
耕作「恋文とかまた時代掛った事を。」
柔「良いじゃな~い?日本人なんだから~。」
耕作「駄目って言ってないよ?」
柔「あは、そうでした~、それさっきも言われたけど。」
柔「あたしも書いた事は無いけど。」
柔「書き出しは普通なら『ご機嫌いかがですか?』だけど、恋文なら『大好きな〇〇さんへ』
とか『愛しい〇〇さんへ』って書くのが一般的なんじゃない?」
舞「確かに、そうですね。」
美咲「良くご存知ですね。」
柔「後、最後は普通なら『かしこ』で締めるけど、恋文なら『あなたの最愛の○○より』とか
『あなたの愛しい○○より』とかじゃないの?」
耕作「柔?そろそろ止めないと佐藤が顔赤くしてるぞ。」
柔「あ~、佐藤さん、ごめんなさ~い。」
佐藤「いえいえ、免疫が無いだけですから、気にしないで続けて良いですよ。」
柔「もう終わりましたから、舞さん、美咲さん、最後のは無しで良いよ。」
舞「はい、そうですね、最後のまで書くと何だか可笑しい気がしました。」
美咲「私も舞と一緒かな?最後のはちょっとって思いますし。」
キョンキョン「しかし、柔さんって書いた事も無いのに良くそう言う事を知ってますね。」
柔「テレビで見たのを覚えてたのかも?」
耕作「恐るべき記憶力だよ、君のは。」
柔「あたしって恐ろしいの?」
耕作「いや、単に凄いって言う言葉を恐ろしいに置き換えただけだよ。」
柔「そう言う言い回しが有るの?」
耕作「そうだね、凄く強いって言うのを恐ろしく強いとかに言い換えたりするね。」
柔「へ~、そう言う言い回しするんだね。」
舞「もしかして、柔さんが日本語が難しいと思ったのって旦那様の影響じゃ無いんですか?」
耕作「そうなのかな?」
美咲「私も今そう思いました。」
キョンキョン「今も松田さんが柔さんに言葉の使い方を教えてましたしね。」
佐藤「そうですね、間違い無く言葉について教えてました。」
柔「そう言えば、向こうでも主人はあたしに使い方とか違いとかを良くお話してくれてたよ。」
耕作「という事は、やっぱり俺の所為なのかな?」
柔「あなた?所為じゃなくてお陰だよ?」
耕作「あ~、そうだったね。」
耕作「ただし、お陰って言うのは自分で言うと相手に恩着せがましく見られるから
自分では絶対に言わない様にしてね。」
柔「あ、そうなんだ、言わない様に気を付けるね。」
舞「今のは何なんですか?」
柔「主人がね、所為だと悪く取られるからお陰って言いなさいって言ってくれたの。」
柔「でも、今主人が言った様に自分の事を言う時は使っちゃ駄目なんだって。」
美咲「柔さんが言う様に誰々の所為だとその人から悪い影響を受けたみたいに取られますね。」
佐藤「そうですね、お陰だとその人から良い影響を受けたとかになりますね。」
耕作「まあ、あくまで受け手の印象なんだけどね。」
キョンキョン「そうでしょうけど、一般的には所為だと悪く取られる方が多い気もします。」
耕作「確かに、それは有るね。」
柔「また、何でこんなお話になってるんだろう?」
柔「あたしがお話してたのって恋文のお話だったよね?」
舞「そうでしたね。」
美咲「はい、柔さんは恋文の書き方をお話されてました。」
柔「う~ん・・、あ~、やっぱり、またあなたがお話を変えてるよ?」
耕作「いや、君が自分の事を『恐ろしいの』って聞いたからじゃない?」
柔「あ、そうでした、あたしが変えたのか~。」
舞「やっぱり、こうやって会話を長くしてたのか・・。」
美咲「そうだね、しかし、とても真似出来ないよ。」
舞「うん、前の会話を覚えてないと駄目みたいだし。」
キョンキョン「だから、言ってるじゃない?無理に真似しようとしなくても良いって。」
舞「あは、そうでしたね~。」
キョンキョン「それに出来る事を真似しようって言ってなかった?」
美咲「あ、そうでした、無理な物は真似しないで良いんですよね。」
キョンキョン「それで良いと思いますよ。」
柔「えっと、完全に真似するんじゃなくて、自分風にアレンジしないと長続きしないよ?」
キョンキョン「そうですよね、どうしても無理がいきますからね。」
舞「分かりました、考えて自分に合う様にアレンジします。」
美咲「私もそうします、しかし、また柔さん、サラッと真面目な事言いますね。」
舞「そうだね、思い出した様に真面目な事言いますよね。」
耕作「これも柔が何時もやってる会話なんだ。」
佐藤「松田の言う通りだと思いますよ、この前もこんな感じでしたし。」
柔「あ~、スト~ップ、また、あたしのお話になろうとしてるよ?」
耕作「仕方ないんじゃないか?君ほど不思議で普通じゃない子って居ないし。」
柔「あなたがそうやって、あたしの事を皆にお話するからじゃないの~?」
耕作「いや、俺が話さなくても君が話し始めるだけで、そういう展開になってるよ?」
柔「そうかな~?違う様な気もするんだけど。」
舞「違くないですよ?柔さんが凄過ぎるのは事実ですし。」
美咲「そうそう、何故そんなに凄い事が出来る様になったか知りたいんですよ。」
佐藤「未知なるものへの探求心ってとこでしょうかね~。」
柔「あたしが未知なるものって事ですか?」
佐藤「いえ、そう言う訳じゃ無いんです。」
柔「それじゃ、どう言う訳なんですか?」
耕作「これこれ、佐藤が困ってるからその辺にしないと。」
柔「あ、佐藤さん、すみません。」
佐藤「いえ、大丈夫ですから。」
耕作「佐藤が言った未知なるものへの探求心って言うのは誰しも持ってる好奇心の事だよ。」
柔「何だ、そうだったのか~。」
舞「やっぱり、旦那様は柔さんを納得させるのは上手いですね~。」
佐藤「なるほど、そういう風に最初から答えを言えば良いのか。」
耕作「柔は疑問に思ったら、それが解消されるまで徹底的に聞くからね。」
キョンキョン「良い事では有りますよね。」
美咲「だから、色々聞くんですね。」
舞「柔さんの前では余り難しい言葉を使ったら駄目って事なんですか?」
耕作「一概にそうは言えないんだよね、難しい言葉知ってる場合が有るから。」
キョンキョン「この前も使ってましたよね。」
美咲「そうでしたね。」
柔「洗濯物干してきま~す、直ぐ戻るけどね~。」
キョンキョン、舞、美咲「いってらっしゃい。」
佐藤「どうぞ~。」
耕作「いってらっしゃい。」
柔は洗濯場へ向かった。
舞「柔さん、時計も見ずに良く分かるな~。」
耕作「それは柔道で培われたものだから、君達には真似出来ない事だと思うよ。」
キョンキョン「そうなんですね、柔道って時間制でしたしね。」
舞「それじゃ、旦那様の言う様に真似は出来ないですね。」
美咲「それも凄いですね、時間が感覚で分かるって。」
耕作「トレーニングとかもずっと時間で区切ってやってたから、時間が感覚で分かる様に
なったんじゃないかな。」
耕作「直ぐに出来る事じゃ無いよ。」
美咲「そうなんですね。」
耕作「佐藤?確認したい事が有るんだが。」
佐藤「何だ?」
耕作「昼ご飯を食べる所の宛は有るのか?」
佐藤「ああ、それなら俺の行きつけの知ってる店が有るから、そこにしようかと。」
舞「どんなお店なんですか?」
佐藤「夜は居酒屋やってる店で、昼はランチタイムが有るんですよ。」
舞「居酒屋ですか、どんな所だろう?」
佐藤「行ってのお楽しみという事で。」
舞「そうですね、今分かってしまうと面白くないですしね。」
美咲「そうそう、初めて行くお店なら尚更ですよ。」
キョンキョン「時間的には大丈夫なんですか?」
佐藤「はい、10時半には店は開いてますので。」
舞「それなら大丈夫ですね。」
美咲「そこから久保田城って遠いんですか?」
佐藤「大丈夫です、そんなに遠くありませんから。」
キョンキョン「久保田城から秋田空港までは?」
佐藤「見送りの時間には充分間に合う距離ですから心配無いですよ。」
キョンキョン「分かりました、その辺りの事は佐藤さんにお任せします。」
舞「さすがは記者さんですね、そう言った距離感が有るって。」
佐藤「そうですね、しょっちゅう市内とか回ってますから。」
舞「佐藤さんってスポーツの記事を主に書いてるんですか?」
佐藤「はい、松田と一緒ですよ、大会が有ればそこへ出向いたりしますから。」
舞「東京に来たりもするんですか?」
佐藤「全国大会規模のなら必ず行きますね。」
舞「そうでしたか。」
佐藤「もし、そう言う事が有ったら事前に舞さんにはお知らせしますから。」
舞「そうして頂けると嬉しいです。」
耕作「ところで、佐藤?お前を紹介された時に聞こうと思ってて忘れてたんだが。」
耕作「柔の記事はもう出してるのか?」
佐藤「いや、原稿は書いてるけど、記事としては出して無いが、どうして?」
耕作「そうか、だから誰も来なかったんだな。」
佐藤「そうだな、出してたら大変な事になってただろうし。」
佐藤「最初からお前達がここを離れる今日以降に記事にしようと思ってたからな。」
耕作「ありがとう、助かったよ。」
佐藤「お前達が居る間に記事にして他社が高校に殺到すると不味いからな。」
美咲「どうして不味いんですか?」
佐藤「そうなると高校側にも迷惑が掛かりますからね。」
美咲「なるほど、だから不味いと仰ったんですね。」
舞「佐藤さんもそう言った配慮されるんですね。」
佐藤「勿論ですよ、周囲に迷惑を掛ける様な事はしたく有りませんから。」
柔「たっだいま~。」
耕作「お疲れ様だったね。」
キョンキョン、舞、美咲「お帰りなさい。」
佐藤「お帰りなさい、早かったですね。」
柔は耕作に寄り添って座った。
柔「少なかったからなんですけどね。」
舞「あれだけなら少ないですね。」
美咲「確かに。」
柔「何のお話してたの?」
耕作「皆がこれから行く所とかを話してたよ。」
柔「そうなんだ。」
柔「それじゃあ、その時の車に乗る皆の席って決めてるの?」
佐藤「あ~、それは決めて無いです。」
キョンキョン「乗る時の席って決めてた方が良いんですか?」
柔「そうね、決めてないと譲り合って乗るのに時間が掛かるでしょう?」
舞「あ~、それは昨日がそうでしたね。」
美咲「どう言う順番で乗ったら良いのかしら?」
柔「直ぐに答えは出ると思うんだけど?」
キョンキョン「どうしてですか?」
舞「もしかして、柔さんの中ではもう決まってるんですか?」
柔「知りたい~?」
美咲「はい、教えて下さい。」
柔「運転するのは佐藤さんでしょう?」
舞「そうですね、ご自分の車ですから。」
柔「なら、助手席は決まってるでしょう?」
キョンキョン「そうなんですか?」
舞「もしかしなくても、私ですか?」
柔「そう言う事になるね。」
美咲「あ~、なるほど。」
キョンキョン「佐藤さんの隣だから?」
柔「キョンキョン、正解~。」
キョンキョン「そうすると後ろは先生を挟んで私と美咲ですか?」
柔「残念、少し違うかな?」
柔「あなたなら分かるよね?」
耕作「ああ、分かるよ。」
美咲「え?旦那様も分かってるんですか?」
耕作「言っても良いのかい?柔。」
柔「うん、良いよ。」
耕作「佐藤の後ろの席がキョンキョンで真ん中に美咲さん、最後に乗るのが三浦だろう?」
柔「さすが、あなただね、正解で~す。」
キョンキョン「どうして、そう乗るんですか?」
耕作「日本では余りポピュラーじゃ無いけど、欧米ではレディーファーストなんだよね。」
舞「あ、それ聞いた事は有ります。」
美咲「英語の意味的には何となく分かるんですけど、実際どう言う事をするのかまでは。」
耕作「そうだな~、例えば店に入る時は、男性がドアを開けて女性を先に入れたりとか、
その店で女性が座る時に男性が椅子を引いて座り易くするとか。」
耕作「そう言う感じで、何時でも何事にでも女性を優先する事かな?」
柔「そう言えば、あなたもそうやってくれてたね。」
舞「旦那様、素敵過ぎますよ~。」
佐藤「そうなのか、やっぱり女性ってそうされると嬉しいものなんですか?」
キョンキョン「そうですね、自分が大事にされてる気持ちになるんじゃないですか?」
美咲「私もそうされたら先輩が言う様な事を思いますね。」
佐藤「それとさっきの席順が関係有るのか?」
舞「佐藤さん、車のドアを開けて女性を先に載せるって言う部分が関係有るんじゃないですか?」
佐藤「あ、そうか、そうですね。」
柔「今の事を踏まえて、中に入って座る順番はどうしてなのか分かるよね?」
キョンキョン「そうですね、先生が最後なら、その隣は美咲ですよね。」
舞「だから、先輩が最初に乗る事になるんだ。」
柔「そう言う事なのですよ?分かりましたか?」
キョンキョン「しかし、またもや柔さんの凄さを認識しました。」
柔「どうしてなの?」
キョンキョン「だって、その事がすんなり出て来るんですもの。」
舞「そうですよね~、私はそこまで思い付きませんでしたよ~。」
美咲「私もそこまで考えが及びませんでした。」
佐藤「三浦にはその旨伝えて、早速実践させるよ。」
佐藤「勿論、俺もそうだけど。」
柔「そう言う細やかな配慮が女性には堪らないんです、覚えておいて損は無いですよ?」
佐藤「なるほど、そう言う事なら覚えておく様にします。」
舞「しかし、柔さんはやっぱり凄いです。」
舞「座る順番だけで、ここまで会話を長く出来るんですから。」
柔「は~い、そこまでね~、ま~た、あたしのお話になるからね~。」
舞「うふふ、そうですね。」
耕作「佐藤?今言った事は恥ずかしがってちゃ出来ないから。」
耕作「気取らずさり気無くスマートに出来る様にならないとな。」
佐藤「お前の言う通りだと思う、常日頃から心掛ける様にするよ。」
柔「あ~、そろそろ出掛けないといけないんじゃないですか?」
佐藤「あっ、そうですね。」
キョンキョン「大変、私達まだ着替えて無かった~。」
佐藤「その位の時間の余裕は有りますから。」
キョンキョン「分かりました、直ぐ着替えてきますから。」
舞「佐藤さん、少し待ってて下さい。」
美咲「じゃあ、急いで部屋に戻らないと。」
柔「お化粧は手短に控え目でね~。」
舞「もう~、柔さんったら~、分かってますよ~。」
キョンキョン達は大急ぎで部屋に戻って行った。