「話し合いは大切」、と多くの人は、考えていると思います。
でも、
「人間なんだから、話し合えば分かり合える」、
と言われると、
「それはどうなんだろう?」
と疑問を呈する人は、多いかもしれません。
話し合いだけで、分かり合えない要因は、
実に、さまざまあるだろうと思います。
みなさんの経験上でも、
話し合って、分かり合えたこともあれば、
いくら話し合っても平行線、もしくはケンカになった、
ということも、多かったろうと思います。
旧約聖書の「創世記(11章-1)」に、
人は、もともと同じ言葉を話していたけれど、
自分たちの力を見せつけるような、
天まで届くような、塔の神殿を造ろうとし、
神様が、人間たちの将来を憂いて、
違った言葉を話すようにして、世界の各地に散らしてしまった、
という記述が出てきます。
この塔を建築しようとした地が、
「バベル(=混乱)」と呼ばれ、
有名な「バベルの塔」のお話しにつながります。
こんなところからも、
人間にとって、
言葉によるコミュニケーションには、
もともとどこか困難さがあるような、そんな印象を受けてしまいます。
(実際、ノンバーバルで成立しているコミュニケーションの部分jは、大きいそうですから…)
難しさを引き起こす要因のひとつに、
言葉に宿す、「感覚」の違いも大きいでしょう。
それは、
人の性格、生まれ育った環境、そして、民族、国家、宗教…。
様々な要素から、そこに刷り込まれます。
環境で言えば、
「寒い」という時、
日本に住む私と、北国に住む誰か、南国に住む誰かでは、
きっと、体験によって刷り込まれたその温度感は、全然違うでしょう。
それぞれの国にいて、ネット上でやり取りしていたとして、
私が、「今日は、寒いんだよ」と言ったときに、
その日たまたま、みんなにとって、「寒い日」だったりすると、
「こっちも、今日は寒んだよ」と、
その会話は成立してしまいます。
例え、その日の気温は、まったく違うものだったとしても…。
ある日、南国の誰かが、日本に遊びに来て、
私の「寒いんだよ」って気温を、実際に体感してみたら、
「これは極寒だよ~、凍え死んでしまいそうだー!」
ということになります。(ちょっと大げさですが…)
ヘタをすれば、南国の誰かは、
「寒い」といった私に、軽く不信感を持ってしまうかも…。
でも、その南国の誰かに、日本の気候について説明すれば、
「なるほど」
と、取りあえず理解してくれるかもしれません。
同じように、北国の人にとっては、私の「寒い」が、
「こんなの、寒いうちに入らないよ~」
という、ちょとした苦情になるかもしれません。
日本語であれば、私達日本人は、
当たり前のように、その言葉で人と会話をし、
自分の伝えた言葉の意味が、
そのまま相手に「届いている」、と信じて疑っていないし、
自分が「受け取った」言葉の意味は、
相手が投げかけたものを、
自分は間違う事なく、ちゃんと受け取っている、
と、これも信じて疑いません。
でも、話し合いで、理解し合えないなら、
バベルで引き裂かれたように、
私達の話す言葉は、同じ日本語であっても、
なにかしら、言葉に刷り込まれた「感覚」の違いまで読み取れず、
理解し合えない部分を生んでいたかもしれない、
という事を、疑う必要もあるかと思います。
(それが、全部でないにしろ)
言葉は、とても便利で、
とてももどかしいものでもある、と思います。
大切な人々とは、
行き違いのないように、丁寧に、言葉と時を積み重ね、
関係を育んで行って下さいね。
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Machiko t.(まちこ)
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