このブログはドラマ・マジすか学園の過去編小説となっています(・∀・)
ドラマを観たことの無い方でも一応楽しめる、と思います(・_・;)
※「ドラマ2」とは繋がりはありませんので、ご了承ください。
※「ドラマ無印」とだけ繋がっております。
※ちなみにまるっと全部フィクションです。
※医療関連についても完全にフィクションです。
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『大島優子3学年編』
『冬編』第9話
病室で目を覚ます。もうこの天井にも見慣れてしまった。
「よう、おはよう」
横に目を向けると、花瓶の花を取り替える穐田がいた。優子は起き上がる。
「おはようございます。今日は早いっすね、穐田さん」
「今日は昼からバイトなんだ」
「あぁ、そうなんすね」
「それより、最近マジ女も慌ただしいみたいだな」
その言葉に優子は軽くため息をつく。
「なんだ、前田敦子をどうしていいのか、まだ迷ってんのか?」
「そうっすね。学ランが戦り合ってしばらく経ちましたけど、まだ四天王には手を出させてないんすよ」
「そろそろ限界だろ?メンツってもんがあるからな。いつまでも前田をほったらかしじゃ、他の生徒に示しがつかん」
優子は困ったように頬をかく。
「この前、実はこっそり学校に行ったんすよ」
「知ってる」
「え?」
驚く優子。穐田は意地悪そうに笑っていた。
「やっぱりバレてたか」
「バレないと思ってんのか。サドたちに会ってきたんだろ?」
「はい。それで、そこで前田の顔も見てきたんすよ。そしたら、ここの病院で働いてる奴でした」
「あぁ、波美さんと栞さんは黙ってたみたいだな」
「穐田さんも知ってたんですね。まぁ、それはまだいいとして、私が部室に行ったら、サドとシブヤが言い合ってたんすよ」
「内部分裂寸前か」
「はい」
「まったく、私が現役だったら即効潰しに行ってたな」
「潰れませんよ。あいつらは、そんな簡単にバラバラにならないですから」
自信に溢れた表情で優子が言う。穐田はフッと微笑む。
「まずは、桜華(おうか)のスカジャンが舞うか」
「誰よりもラッパッパのブライドを大切にしてますからね、シブヤは」
「…高田先輩と同じだな」
穐田が懐かしそうな表情を見せる。思い出すのは、灰となった桜華のスカジャン。高田から受け継いだその大切なスカジャンを失いながらも、スカジャンに宿った信念を守り抜いた川崎。そしてその責任を背負いながら後を継いだ板野。
「桜華のスカジャンに託されてきた想いの重さは、他のスカジャンとは一線を画す。次に託されるのが誰になったとしても、この戦いの思いが新たにスカジャンに刻まれることだけは確実だ」
照明に照らされた派手な壁を蹴りつける。派手な音楽が鳴り響く。
「お、落ち着いてください、シブヤさん」
荒れる板野を心配そうに矢神がなだめる。差し出された手を板野が払いのけた。
今日は前田の教室に乗り込み、前田たちに四天王としての威厳を見せつけてきたが、その後サドと言い合って、結局前田には手を出すなと言われて終わってしまった。
「サドは何してんだ。さっさと前田とやり合えば済む話だろが」
矢神が心配しながらも出て行き、部屋に一人きりになると板野は呟いた。
「あっしもそう思います」
音楽が止み、突然背後から声がした。驚いて振り返る。そこには不敵に微笑むネズミがいた。
「あ?お前は…。いつの間に入り込んでいやがった?」
「怪しいもんじゃねえっすよ。というか、あっしの正体はどうせバレてんでしょ?」
「蒼薔薇のブレインだろ?」
「えぇ、元ですがね。N港の時はお世話になりました」
「わたしらは何もしてねえよ。戸島さんが一人で潰したようなもんだ」
「そうですね。あっしもラッパッパに負けたとは思ってないっす」
「は?喧嘩売りに来たのか?」
「いえいえ、めっそうもありません。あっしは喧嘩はしませんので。というか、あっしとサドさんの関係もなんとなく知ってるんでしょ?それにあっしも今はマジ女の生徒ですし、仲間みたいなもんですから、そんなに警戒しないでくださいよ」
「悪いが、私はお前を信用しない。んで、要件は何だ?さっさと言え」
「いやぁ、あっしも最近のサドさんにはいらいらしてましてね。あんな腰抜けのサドさんは見たくないんすよ」
「それで?だから何だ?」
「あっしは断然シブヤさん派っす。むかつくんすよ、前田。なんでサドさんはゴー出さないんすかねぇ」
ちょこちょこ動き回りながら、ネズミが小芝居するように一人で淡々と喋り出す。板野は黙って聞いていた。
「サドさん無視しちゃうのは、やっぱマズいっすかねえ。じゃあ、これはどうっすかね。これ名案。前田攫ってきちゃうってのはどうっすか?誰も知らない所でタイマン張れば、わからないでしょ?勝っても負けても、前田は言いませんから。ね?これならむかつく前田をぼこって、サドさんにもばれずにすみますよ」
「そんな簡単に前田を誘い出せるとは思えねえがな」
「大丈夫っすよ、鬼塚だるまがいますから」
「あ?」
「アイツ、昔シブヤさんのギャルサーでパシリしてたみたいで、なんだかシブヤさんを恨んでるみたいなんすよ」
「鬼塚が?うちのギャルサーに?覚えてねえな…」
「ま、超下っ端っすからね。そんで、鬼塚はきっとシブヤさんが前田を攫おうとしたら、きっと自分が前田を守ろうと思って、一人で乗り込んでくると思うんすよ」
「ふーん。それで?肝心の前田は?」
「鬼塚を餌に誘い出します」
「前田はそれに乗るか?そこまで舎弟関係が深まってるとは聞いてねえがな」
「来ますよ、必ず」
自信に溢れたネズミの言葉。板野は拳の骨をポキっと鳴らすと、矢神を呼んだ。
「ダンス。お前人数集めて前田さらってこい」
「は、はいっ」
矢神がすぐに駆け出していく。
「この命令でいいんだろ?」
「はい。十分です。きっとシナリオ通りに進みますよ」
数時間後、矢神は嬉しそうに、前田を攫おうとしたら邪魔をしてきた鬼塚から受け取った、板野への果し状を持ってきた。
シナリオ通りだが、何も知らずに嬉しそうにしている矢神に若干イラっとし、板野はゲンコツを矢神にぶつけた。
「うにゃっ。何で殴るんですか」
「馬鹿が、少しは自分で考えろ」
「え?何をですか?」
その幼い表情に板野は不安になる。来年本当に矢神に桜華のスカジャンを守り抜くことができるのだろうかと。しかし、もう決めていることだった。
「なんでもねえよ。もう今日は帰れ」
「はいにゃ…」
凹みながら矢神が部屋を出て行く。
果し状を見つめ、板野は意識を集中させた。数日後、鬼塚がここに乗り込んで来たら、前田と戦り合うことになる。そして、もしかしたら負けることになるかもしれない。サドの命令に背いて勝手に動いた上、負けでもしたら、自分はもうラッパッパにはいられないだろう。そうしたら、この桜華のスカジャンともお別れとなる。
「…最後の喧嘩か」
あの日、自分のせいで燃えたスカジャン。今自分が着ているのはオリジナルではない。だが、高田の信念を継いだ川崎が袖を通し、その信念と共に板野がまとっているそのスカジャンは、今やオリジナルを超える輝きを放っていた。
「勝つためじゃない…この信念を託すための戦いを…」
覚悟を決めた桜華の四天王の拳が、強く握りしめられた。
続く
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「次回予告」
サドの意に背き
覚悟を決めた板野
桜華のスカジャンが舞い
信念の桜を紡ぐ
ドラマを観たことの無い方でも一応楽しめる、と思います(・_・;)
※「ドラマ2」とは繋がりはありませんので、ご了承ください。
※「ドラマ無印」とだけ繋がっております。
※ちなみにまるっと全部フィクションです。
※医療関連についても完全にフィクションです。
ーーーーー
『大島優子3学年編』
『冬編』第9話
病室で目を覚ます。もうこの天井にも見慣れてしまった。
「よう、おはよう」
横に目を向けると、花瓶の花を取り替える穐田がいた。優子は起き上がる。
「おはようございます。今日は早いっすね、穐田さん」
「今日は昼からバイトなんだ」
「あぁ、そうなんすね」
「それより、最近マジ女も慌ただしいみたいだな」
その言葉に優子は軽くため息をつく。
「なんだ、前田敦子をどうしていいのか、まだ迷ってんのか?」
「そうっすね。学ランが戦り合ってしばらく経ちましたけど、まだ四天王には手を出させてないんすよ」
「そろそろ限界だろ?メンツってもんがあるからな。いつまでも前田をほったらかしじゃ、他の生徒に示しがつかん」
優子は困ったように頬をかく。
「この前、実はこっそり学校に行ったんすよ」
「知ってる」
「え?」
驚く優子。穐田は意地悪そうに笑っていた。
「やっぱりバレてたか」
「バレないと思ってんのか。サドたちに会ってきたんだろ?」
「はい。それで、そこで前田の顔も見てきたんすよ。そしたら、ここの病院で働いてる奴でした」
「あぁ、波美さんと栞さんは黙ってたみたいだな」
「穐田さんも知ってたんですね。まぁ、それはまだいいとして、私が部室に行ったら、サドとシブヤが言い合ってたんすよ」
「内部分裂寸前か」
「はい」
「まったく、私が現役だったら即効潰しに行ってたな」
「潰れませんよ。あいつらは、そんな簡単にバラバラにならないですから」
自信に溢れた表情で優子が言う。穐田はフッと微笑む。
「まずは、桜華(おうか)のスカジャンが舞うか」
「誰よりもラッパッパのブライドを大切にしてますからね、シブヤは」
「…高田先輩と同じだな」
穐田が懐かしそうな表情を見せる。思い出すのは、灰となった桜華のスカジャン。高田から受け継いだその大切なスカジャンを失いながらも、スカジャンに宿った信念を守り抜いた川崎。そしてその責任を背負いながら後を継いだ板野。
「桜華のスカジャンに託されてきた想いの重さは、他のスカジャンとは一線を画す。次に託されるのが誰になったとしても、この戦いの思いが新たにスカジャンに刻まれることだけは確実だ」
照明に照らされた派手な壁を蹴りつける。派手な音楽が鳴り響く。
「お、落ち着いてください、シブヤさん」
荒れる板野を心配そうに矢神がなだめる。差し出された手を板野が払いのけた。
今日は前田の教室に乗り込み、前田たちに四天王としての威厳を見せつけてきたが、その後サドと言い合って、結局前田には手を出すなと言われて終わってしまった。
「サドは何してんだ。さっさと前田とやり合えば済む話だろが」
矢神が心配しながらも出て行き、部屋に一人きりになると板野は呟いた。
「あっしもそう思います」
音楽が止み、突然背後から声がした。驚いて振り返る。そこには不敵に微笑むネズミがいた。
「あ?お前は…。いつの間に入り込んでいやがった?」
「怪しいもんじゃねえっすよ。というか、あっしの正体はどうせバレてんでしょ?」
「蒼薔薇のブレインだろ?」
「えぇ、元ですがね。N港の時はお世話になりました」
「わたしらは何もしてねえよ。戸島さんが一人で潰したようなもんだ」
「そうですね。あっしもラッパッパに負けたとは思ってないっす」
「は?喧嘩売りに来たのか?」
「いえいえ、めっそうもありません。あっしは喧嘩はしませんので。というか、あっしとサドさんの関係もなんとなく知ってるんでしょ?それにあっしも今はマジ女の生徒ですし、仲間みたいなもんですから、そんなに警戒しないでくださいよ」
「悪いが、私はお前を信用しない。んで、要件は何だ?さっさと言え」
「いやぁ、あっしも最近のサドさんにはいらいらしてましてね。あんな腰抜けのサドさんは見たくないんすよ」
「それで?だから何だ?」
「あっしは断然シブヤさん派っす。むかつくんすよ、前田。なんでサドさんはゴー出さないんすかねぇ」
ちょこちょこ動き回りながら、ネズミが小芝居するように一人で淡々と喋り出す。板野は黙って聞いていた。
「サドさん無視しちゃうのは、やっぱマズいっすかねえ。じゃあ、これはどうっすかね。これ名案。前田攫ってきちゃうってのはどうっすか?誰も知らない所でタイマン張れば、わからないでしょ?勝っても負けても、前田は言いませんから。ね?これならむかつく前田をぼこって、サドさんにもばれずにすみますよ」
「そんな簡単に前田を誘い出せるとは思えねえがな」
「大丈夫っすよ、鬼塚だるまがいますから」
「あ?」
「アイツ、昔シブヤさんのギャルサーでパシリしてたみたいで、なんだかシブヤさんを恨んでるみたいなんすよ」
「鬼塚が?うちのギャルサーに?覚えてねえな…」
「ま、超下っ端っすからね。そんで、鬼塚はきっとシブヤさんが前田を攫おうとしたら、きっと自分が前田を守ろうと思って、一人で乗り込んでくると思うんすよ」
「ふーん。それで?肝心の前田は?」
「鬼塚を餌に誘い出します」
「前田はそれに乗るか?そこまで舎弟関係が深まってるとは聞いてねえがな」
「来ますよ、必ず」
自信に溢れたネズミの言葉。板野は拳の骨をポキっと鳴らすと、矢神を呼んだ。
「ダンス。お前人数集めて前田さらってこい」
「は、はいっ」
矢神がすぐに駆け出していく。
「この命令でいいんだろ?」
「はい。十分です。きっとシナリオ通りに進みますよ」
数時間後、矢神は嬉しそうに、前田を攫おうとしたら邪魔をしてきた鬼塚から受け取った、板野への果し状を持ってきた。
シナリオ通りだが、何も知らずに嬉しそうにしている矢神に若干イラっとし、板野はゲンコツを矢神にぶつけた。
「うにゃっ。何で殴るんですか」
「馬鹿が、少しは自分で考えろ」
「え?何をですか?」
その幼い表情に板野は不安になる。来年本当に矢神に桜華のスカジャンを守り抜くことができるのだろうかと。しかし、もう決めていることだった。
「なんでもねえよ。もう今日は帰れ」
「はいにゃ…」
凹みながら矢神が部屋を出て行く。
果し状を見つめ、板野は意識を集中させた。数日後、鬼塚がここに乗り込んで来たら、前田と戦り合うことになる。そして、もしかしたら負けることになるかもしれない。サドの命令に背いて勝手に動いた上、負けでもしたら、自分はもうラッパッパにはいられないだろう。そうしたら、この桜華のスカジャンともお別れとなる。
「…最後の喧嘩か」
あの日、自分のせいで燃えたスカジャン。今自分が着ているのはオリジナルではない。だが、高田の信念を継いだ川崎が袖を通し、その信念と共に板野がまとっているそのスカジャンは、今やオリジナルを超える輝きを放っていた。
「勝つためじゃない…この信念を託すための戦いを…」
覚悟を決めた桜華の四天王の拳が、強く握りしめられた。
続く
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「次回予告」
サドの意に背き
覚悟を決めた板野
桜華のスカジャンが舞い
信念の桜を紡ぐ