年取った親が今も忘れない8月8日
町全体焼け野原で向こうが見通せる
避難した防空壕は祖父の手作りの大きい壕
子供の目だからかなり大きく見えてたはず
もあるけれど
東向きの壕に逃げ込んだ人たちは生きて帰れなかった
北向きの壕に逃げた人たちは命からがら生き延びた
空襲が収まって出口を出た男の人の声
みんななくなってるぞ!
よく覚えてるらしい
その第一声を聞いて外に出た親は
通りなんてもんはなくなって
向こうの向こうまで果てしなく見通せる焼け跡に驚いた
そして隣の壕を見に行くと煙に巻かれた人たちの
綺麗な顔がいつまでもアタマに焼き付いた
小さな小さな赤ちゃんまで
指先をピンと伸ばしてぷっくり膨らんでなくなってた
それから見たのはご遺体運搬のトラック
山のように積まれた人たちが
学校の運動場に並べられて
機銃掃射にあった電車の車体
めちゃめちゃに穴が空いていた
遠い記憶だけど
忘れちゃいけない記憶
特に今
勝つ気でいるか勝っても負けても大儲けの人たちが
暴論暴挙に乗り出している
原爆も怖いけど
地上戦の悲惨さを
今も色んな国が味わってる戦争を
その記憶を消しちゃいかんと思うのです
実体験がなくても人は想像力がある
繰り返し事あるごとにアタマに刻まねばならんと思うのです