(前回の続き)
では、これからの日本の子供たちに、どういった教育が必要なのか。
いろんな意見があるとは思いますが、一つはっきりしているのは、勉強したことが将来、その子供の武器になるようなものを勉強すべきだということです。その対極にあるのが、いくら勉強しても将来役に立たない受験勉強です。有名大学を卒業しながらも、就職先がない人がたくさんいることが、これを証明しています。
では、将来役に立つものとはなにか。まず、今の社会ですぐに役に立つものを考えればいいと思います。まずは、英語。
アメリカにきてからさらに思いますが、英語が得意な日本人というのは、本当に滅多にいません。逆に言うと、英語がこれだけ不得意な日本人を抱える日本の大企業が、これだけ世界に進出しているというのは凄いことです。もし、日本人の全てが、完璧に英語を使えたら、日本企業はもっと発展していたでしょうし、日本全体の経済的地位、さらには政治的な立場も、今よりもはるかに高い位置にあったでしょう。英語ができれば、日本がどうなろうが、海外で就職するチャンスもあります。以前、アルゼンチンがデフォルトした時に、海外で就職した人がたくさんいたと聞きましたが、これと同様のことが可能になります。英語ができるというだけで、チャンスは何倍にも増えるのは間違いありません。
そのためにはまず、日本の英語教育をなんとかしないといけません。まずは、英語のできない教師(すなわち、ほとんどの英語教師)には辞めてもらうしかありません。ちゃんとした発音もできない教師しかいないのに、リスニングテストを増やすとか、根本的にやる順番を間違ってます。よく、帰国子女が英語が上手すぎて日本人英語教師から嫌がらせを受けたという話を聞きますが、こういう教師には即刻退場してもらいましょう。これこそ、まず、すぐにでもやるべきことです。ダメ英語教師の雇用を守るために、全ての国民の利益が損なわれています。
さらには、英語を勉強する開始年齢を早めること。こういうことを言うと、「日本語が定着してから英語を勉強すればいい」と言う言語学者の人が必ず登場しますが、こういう人に限って、自分は英語が喋れません。まあ、日本語だけ勉強して総理大臣になっても、漢字すら読めないんですから、この理屈はナンセンス。実際に、バイリンガルになっている人を見れば分かりますが、そのほとんどが、小さい時から二ヶ国語を勉強していた人たちです。例えば、日本人が非常に苦手としている RやLの発音。その他母音の発音など、日本語にはそもそも存在しない音が英語にはたくさんあります。これをきっちり聞き分けるためには、7歳までに勉強を開始したほうが良いという研究があるようですが、4歳からアメリカに来た自分の子供を見ていてもはっきり分かります。このくらいの子供にとっては、RもLも完全に違う音。RightとLightを間違うことは絶対にありません。Mummy(ミイラ)とMommy(お母さん)も違う音です。こういった発音をきっちり聞き分ける能力をもっている子供には、絶対に早くからやったほうがいいに決まってます。年をとってからでは無理なんです。その上で、日本語能力がどうなるかは、各個人が、どれだけ日本語をきっちりと勉強するかどうか。英語も日本語も同時にしっかり勉強するのは大変ですが、受験勉強と違って、確実に将来役に立つのですから、やる意味はあるでしょう。うちの子供も、二ヶ国語を同時に勉強して、かなり苦労してますが、「英語と日本語を話せれば、将来いろんなことができるぞ」といつも言い聞かせているので、それを目標に頑張ってます。目標があるから頑張れる・・・、ごく当たり前のことです。
(次回へ)