お久しぶりです!踊るブログの紗理奈です。
「おかしなまほうつかい」完結にあたって、こちらであらすじを書くことにしました。
っていうのも、おかまほはネット上だとこのブログ発なのでね。あと長文になるし、こみっくりりーふ!より絶対こっちのがいいなって。
この記事でこのブログを知った人も多いと思うけど、過去記事はイタいのであんま閲覧お勧めしませーん!!!
とんでもなく長文になります。
おかしなまほうつかいへの私のクソデカ感情を見たい人だけお付き合いください。
ちなみに、2年前のブログ終了のお知らせ記事タイトルを「最後の挨拶」としたのは、大好きなシャーロック・ホームズの有名なタイトルを真似ての事でした。
ホームズと同じくこの場に帰ってきましたので、また同じように真似て「帰還」としたいと思います。
おかしなまほうつかい あとがき
まずは約4年半の連載、お付き合いありがとうございました。
…当初は2年くらいで終われるかなって思ってました!
しかもこんなにシリアスでしんどい展開にする気もなかったんですよね。
読んでくれてる人も多分「え、こんな展開になる…??」ってびっくりしてたと思います。私が一番びっくりよ。
くっきーたちが困難に向かいながら仲良くやっていくような漫画にするつもりだったんですが、いつのまにか辛い展開ばかり描いてしまってるな…という悶々とした気持ちがありました。
しかも普通に毎月フルカラー漫画を何ページも描くって割と正気の沙汰じゃなくて。別に筆も早くないし。
本当~~~~~~にぶっちゃけて言うけど、何回逃げ出そうと思ったかわからないですね!!
「こんなにしんどいなら絶対辞めた方が良いよコレ」ってずっと思っていました。
それでも、やっぱりおかしなまほうつかいにかける私の気持ちがすごく強かったんでしょうね。
最後まで描かないと、この先ずっとずっと後悔することになるような気がして。
せめてもっと描きやすい展開に…とも思ったけど、それじゃ意味がないなとも思ったり。
そもそも「この作品だけは自分の思うまま好きに描きまくる!!」という気持ちで始めたものだったので、もうそのままいかせてもらいました。
めちゃめちゃ後ろ向きじゃんって思われそうだけど、そうなんですよねぇ…。
いつも何かウキウキ準備して発車する割には「やっぱりこれ大変なのでは…?」って不安になって「もう帰りたい…」って思うタイプなので…楽しそうなことに対して見切り発車してしまうんだ…。
でも目的地に到着する頃には「来てよかった」って思えることもわかってるからね。
私の好き勝手についてきて、一緒にここまで来てくれた人には感謝だし、なんだかんだやり抜いた自分もおつかれ!!って思っています。
完走の感想はこんな感じなので…キャラクター1人1人への想いも、自分用に作ってた設定画と一緒に語ってみたいと思います。
キャラクターについて
ミルシェ&しなもん
▲しなもん国王の初期設定画
▲しなもん王子の設定画
▲ミルシェの初期設定画
一人ひとりといいながらすみません、一緒にしちゃった。びたーとみるくの親ですねぇ。
「THE・登場予定のなかった人達」です。
漫画を進める中で「やっぱ出さないとダメだなぁ」ってなって。急いでキャラデザしたりしてました。
しなもんは国や周囲の人を想う、とても優しい人なんですけど…みんなを守ろうとしたが故に誰も守れなかったという、なかなかに辛い立場。
過去の経験を踏まえてやった息子達の教育すら、裏目に出ちゃってるし。
妻の事はちゃんと愛してたと思うんですけど…びすけっとも、比べられないくらいかけがえのない人だった。
だから悲劇を呼んでしまったのかなと。
ミルシェの設定画像にめちゃくちゃ文字いっぱいあるのは、キャラ作り時に話の軸も一緒に考えていたからです。まだしなもんの見た目も定まってないですね。
この時はしなもんと仲悪かったり、生きてるびすけっとへの恨みをみるくに晴らしてほしい…と願っている設定だったみたいっすね。(多分なんか違う…ってなって辞めたんだな)
ミルシェも銃で撃つ発想は良くありませんけど、夫が家族でもない女の子を贔屓にしてたら普通に嫌ですよね。
結婚に大きな期待を持って嫁いだ分、悲しみも大きかったことでしょう。
「これが私たち家族の幸せを守る方法」だと、当時のミルシェは本気で信じてたんだと思います。
とにかく二人にはきっつい立場を与えちゃって、申し訳なかったとめちゃめちゃ思います。
3周年記念の人気投票漫画ではちょっとだけ仲いいところを描けて嬉しかったです。
▲がむの初期設定画
がむ、すごいよね。
最初から最後まで、事情の一切を知らずに出演してたんですよ。
くっきーに付きまとってただけっていう。
狂人ストーカーも良いとこじゃないすか。
てかたぶん今もあんま事情よく分かってないと思う。
「くっきーが可愛いという事以外は何もわからない」とか言いそう。
ついに本編ではまともに名前も呼ばれず。
でも、がむがいたからおかまほはちょっと読みやすくなってたと思います。
まさにコイツがコミックリリーフと言えるでしょうね!
泥棒だし、物壊すし、ストーカーだしうるさいし…っていうはちゃめちゃな奴なのに人気投票は2位だし。
なんかずるいよな~、こういう生き方ができるとマジで楽しそうだよね。周りは迷惑でしかないけど。
作中では立場が軽んじられがちですが、私的にはいてくれてありがとうって思ってます。
化け物みたいな運動神経で、くっきーを大胆に移動させてくれたのもコイツのおかげだし。はやく壊した壁分働いて、まっとうに生きてほしいですねえ。
ちなみに城兵なのにメイド服着せたのは私の趣味ですが、本人も女装に一切抵抗ないタイプだと思います。
オレはかっこいいし可愛いって思ってるからね。
…頑張って文字数稼いだけど、いうほど語れることもない男なのでこの辺にしときますね!
らむね
▲らむねの初期設定画
▲らむねのメイド設定画
一枚目の絵が古すぎるからメイドverも載せます。
がむと並んで、おかまほ読みやすくなってた枠。
くっきーの親友で、ある意味保護者。さらに、びたー達と対等に接することのできる貴重な立場。
しかもボケもツッコミもいける。
ついでに美人!
その場にいてくれるだけで色々と解決します。
おかまほを影で支えてるのは彼女かもしれない。
▲らむねの幼少期設定案
落書きがてら、くっきーとの出会いもどっかのタイミングで描こうと思ったけど、うまくまとまりませんでした。
まぁ本人が本編で言ってたことをそのまま引っ張ってくると、友達も頼れる人もいない孤独だった時に、くっきーに救われたんですよね。
とても安定して見える彼女ですが、くっきーが居なくなったら途端に不安定になると思うんです。
だから無理してでも助けに行ったし、守ろうとしてた。
くっきーの為であり、自分の為でもあったのです。
なのにクライマックスでは、みんなのために自ら消えようとするくっきーを肯定してて、ほんと~~にどこまでも強くていい子なんですよね。
まぁちょっと…暴力的だけど。ちょっと…圧もすごいけど…。
見方を変えれば、苦労してる分さまざまな事情を分かってて、それらに押しつぶされないよう気丈に強く生きてるってことで。
は~…愛おしいと思わない???
くっきーもくっきーでらむねのこと大好きだから、この二人を描く時はすっごく愛おしく感じます。
もともとはびたーを取り合うライバル関係にしてたはずなんだけどね…いつの間にからむねはただの保護者みたいになっちゃった。まあそれはそれで美味しいから良いんだ。
好きだぜ、らむねちゃん。
みるく
▲みるくの初期設定画1
▲みるくの初期設定画2
諸悪の根源…とかいったら聞こえが悪すぎるな。
親たちが生んでしまった歪みを、ぜ~んぶ直に受けて歪んじゃった子です。
本編も番外編もそこまで描けなかったからあとがきに書いちゃうけど…コイツ、元の設定はブラコンです。
このブログ昔から見てる人は多分みんな知ってるけどね。
キャラチェンジしたつもりじゃなくて、本編終了後の世界で「おにいさま大好き♡」になるイメージでした。本編が重すぎてそういうところまで持っていけなくて…ほんと力不足で悔やまれます。
でも、どうみてもマザコンだったからね。
本質は変わってないってわかるじゃん?…じゃん…?
おかまほ本編描くとしたら悪役になるのはこの子だなぁ、とずっと思ってました。
結局描いていくうちにみるくも悪役、というよりは可哀想な境遇の子という見方になったかもしれませんが。
始終「ここはどんな気持ちなんだろう?どう行動するだろう?」って考えさせられたキャラでした。
未だにきちんと描けてたのか全然自信がないよ。
だけど他のキャラクターと同じくらい「みるくにも幸せになってほしい」って読者に思ってもらえてたら、それで正解な気がしています。
そういう人に、数年後に無事に帰ってきて「おにいさま♥♥♥」ってベタベタやってるみるくの姿を妄想すると超楽しい、というライフハックをお教えしておきます。
▲みるくの囚人服設定画
あと「罪を背負わせるかどうか」、ここをとても悩みました。
言ってしまえば何しようが王族なのでいくらでも隠ぺいはできるし、びたーやくっきー達が「許します!」って言えばそれまでの話にできてしまうのです。
だから最初は”なんだかんだ許されて仲良くやって行く未来”を考えてました。でも…
「王族なら許されてしまうの?」「そもそも、それでみるくは本当に幸せになれるの?」と、激重なことを考えるようになり…。
結果的に。本人にはちゃんと自分の問題に向き合ってもらう形になりました。
もちろん悲しいことだと思うんだけど、私としては救いでもあると思っています。
自分のやってしまったことに向き合えないまま、幸せな日々を送るって結構難しいと思いますし。
それに、大好きなおにいさまが待ってますから。
「いつでも帰れる場所がある」という安心感があれば、遠くに行っても頑張れるんじゃないかなって…思います。
おかあさまもそんな彼を見守ってくれていると信じてます。
びたー
▲びたーの初期設定画1
▲びたーの初期設定画2
最後に良い所をぜんぶ持って行った男ですね。
びたーは、本編が始まる前と後で一番キャラが変わりました。
本編が始まる前って言うのは、まさにこのブログでただのオリキャラとして好き勝手描いてた頃のことを指しています。
もっとぶっきらぼうで乱雑だし、くっきーにも「うるさい、黙れ」とか普通に言うんだよね(ちなみにくっきーも今より活発で元気なキャラでした)。
てか王子様でもなかったし。生んだ当初はヤンキー寄りのキャラにするつもりだったのにいつの間にか一番優等生になってたし、マジでどうなってんだ??
本編では真面目が服着て歩いてるみたいな、良く言えばまっすぐ…悪く言えば不器用な子でした。
最初の方にくっきーにひどいことも言っちゃったし、あまり共感できないキャラだったかもしれません。
でもくっきー達と関わるうちに、また変わっていって。
クライマックス近くでは「びたーさまって意外といい奴やん?」ってなったんじゃないかなって。勝手に思ってます。
くっきーはもちろんそうですが、彼の成長を描くこともとても重要だと思ってたので、何気に一番描き方に悩んだ人でした。性格的にセリフも気軽に決められなくて、何度も書き直したり。
最終回や番外編では、これまでにない表情もお見せできたので…よりびたーくんを深く知ってもらえたんじゃないかなと。不器用なクソ真面目くん、私はとても愛しております。
これから先はみるくの帰りを待ちながら、くっきー達と一緒に、王子としてだけじゃなく一人の人間として生きる意味を見つけていってくれると嬉しいですね。
▲双子の衣装など諸々設定画
ちなみに私、
双子 マント 白髪
上記三つの要素がチョ~~~好きです。
びたーが何でこの容姿になったか、そしてなんでみるくが生まれたか。……わかるね???
子供時代も大きくなってからも双子は並んでるだけで可愛い!!!
くっきー
▲くっきーの初期設定画
▲くっきーのびす風衣装設定画
きたぜ、主人公!くっきーちゃん!!!!
愛してるぜ!!!!!!
くっきーに関しては、何をするにしてもとりあえず愛を叫ぶところから始まりますね。何してても可愛いんだこの子は!!!!
本編中は私の愛を押しつけがましく描かないように気を付けていたつもりです。マンガ外で性懲りもなくずっと「可愛い」「愛してる」って言ってますけど、私のこれは持病なので無視してくれていいです。
本編が始まる前の時間軸では、一般的な家庭の一般的な子供として暮らしていた子なんですけども。
びたー達と出会ってしまったばかりに、自分を取り巻くすべての環境が一変してしまいました。知らなかっただけで、ずっとその環境にはいたわけなんですけどね。
▲くっきーの幼少期設定案
文字が読めないのは「記憶を刺激しそうなものは遠ざけてほしい」っていうしなもんの願いから、パパママがそうしてたっていう設定があったりします。
全体的にほんわかしててオツム弱そうな感じに育ってるのは、パパママの教育方針の賜物だったってことです。かわいいからグッジョブだわ。
あんなちっちゃくて弱そうな感じなのに、とても重たい過去の記憶を呼び覚まされた後も、全然変わらないつよ~い子でした。
誰かの為を想って迷いなく行動できるってすごいですよね。
簡単なことじゃないのに、くっきーなら簡単に「やろう!」ってなっちゃうんでしょうね。だからこそびたーも「こいつは他人の為に生きすぎるから誰かが守ってやらんと…」ってなったんでしょう。
びたーの行動は予測がつきにくくてめちゃくちゃ悩まされたんですが、くっきーは私の頭の中で勝手に行動してくれる子なんですよ。
起こる出来事を決めたらくっきーはそれに沿って動いてくれる感じ。
長い時間、私の脳内で一緒に過ごしてきたおかげなのかもしれませんが「ああ、くっきーはこういうことが言えて、こんな行動もできるんだ…」みたいな気持ちになりながら描いてきました。
素直でけなげな彼女の事を、読者の方にも愛してもらえていたらすごくすごく嬉しいです。
皆に優しくて、明るくて、ふんわり可愛い女の子っていう…作った当時の私の理想が詰まった女の子でした。
そして多分それは、これからもそう。私の理想をずっと体現できるのは、くっきーしかいないんだと思います。
主人公として一つ話を描き切ることができて、めちゃくちゃ良かった。愛してるぜくっきー!!!
びすけっと
▲びすけっと(+くっきーの義両親)の初期設定画
▲びすけっと(魔力のすがた)設定画
くっきーより後に書くんかいって感じですけど。言いたい事が多いんだよね、この人は。
一言で言うなら「運命に翻弄されまくってる最強ポジおねえさん」って感じですかね。
魔力が強すぎたり、拾われた先がまさかの王子様だったりと、自分ではどうしようもない運のいいような悪いような出来事をずーっと経験してきて。
でも苦労してる素振りは全然見せない。
自分が周りに与える影響をわかってるから、他人と深く関わらないようにいつも一歩離れたところで世界を見ている感じ。まさにつかみどころがない人だと思っています。
作中ではくっきーの親でも友達でもないけど、めちゃくちゃ近い存在で。
一切の事情を知ってて、やろうと思えばおかしな王国を一瞬で何とかできちゃうような魔力もあって、でも何もしないで見守ってるっていうすご~く変な存在なんですけど…。
思えば思うほどびすけっとの立場は、作者である私自身の立場と近いな…!という風に感じていました。
いやもちろん私=びすけっとではないですけど!
…この感覚もなんかさ~~びすとくっきーの関係みたいでエモいんだよなあ!!!とか、ひとりで大盛り上がりしてた!!!
彼女が「くっきーの思念が育つように自分は見守り続ける」という立場を一貫してきたのは、もちろん本来は死ぬつもりだったからというのもありますが。
自分が自分として生きることで、周囲になにかしら影響を与えてしまうことを恐れたから…っていうのもすごく大きいんじゃないかな。
自分は普通に生きられない、だから関わる人に苦労を掛けてしまうかもしれない…そんな心配はずっとあったかなって。
頭が良い分、くっきーほど単純に物事を考えられないでしょうしね。
多分見守ってる間も、くっきーのことを「この子おバカだなぁ…」って思った瞬間が少なくなかったはず。
それでも最後にはやっぱり自分じゃなくて、くっきーにバトンを渡して消え去ったあたり、びすけっとだなぁ~って思います。
未来を担うのは、くっきーの方が適任だって多分思ってる。
てかなんなら人間として生きるのめんどくさいとか思ってそう。
生きてる間不可抗力だらけだったし、くっきーみたいに「やったれー!」みたいな性格でもないから、自分が影響しない場所で世界が回るのを眺めてる方が、もしかしたら楽かもね。
何かが一つでも違ったら、ごく普通に幸せな暮らしをしてたかもしれない。しなもんと結ばれたかもしれない。
そう思うと切ない気もするけど…もしそっちの世界線で物語が動いていたら、くっきーも生まれなかったわけですよ。
あっちが立てばこっちが立たない、みたいな話になっちゃうけど。
今のびす的には「くっきーが幸せになってくれること」が、一番の救いって言うか…幸せかもしれないですね。
いろいろあったけど、自分なりに考えてもがいて生きて、その結果くっきーが今自分の意思を継いで頑張ってくれている事。純粋に嬉しいと思います。
ま!これも…私はびすけっとじゃないから、わかんないんですけどね!!
ごめん、これ言いたかっただけだわ。
さいごに
さて!長文お付き合いありがとうございました。
「おかしなまほうつかい」は私にとって、絶対に描き切りたかった作品であり、思い入れのとてもとても深い作品でございました。
この4年半の間に、私自身の生活も変わりまくっていたんですけども。無事に完結まで描き続けられて、こうしてあとがきを書けたこと。心の底から良かったー!!と感じます。
そしてこんなにも自己満足の作品に感想をくれたり、応援をくださった皆様!!!ありがとう!!ありがとうー!!!!!
もともと「おかまほを描き終えたら紗理奈としての活動は終了にしよう」と思っていました。
そして当初の予定通り、これをもって終了させていただこうと思います。
”紗理奈”はこのブログと共に生まれた存在なので…なかなか年季の入った引退ですな。いうて、ここ数年はほぼ別名義で活動してたんですけど。
漫画としての次回作は今のところ考えてはいないのですが…
今後も可能な限り、自分の表現したいもの、たどり着きたい場所を探しながら進んでみようと思います。
それでは。おかしなまほうつかいのご愛読、本当にありがとうございました!
ここではないどこかで、またお会いしましょうとも。
じゃあね、ばいばい。
紗理奈