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初戦以来、しばらくは決して先制しなかった。
必ず相手に攻撃させてから、反撃する方法を取った。
その方が、自分自身背負う業が少ないと思った。
これは保身である。
自分の身が可愛いからこそ、背負う何かを軽減したい、
まぎれもなくただの保身だ。
覚悟が足りなかったとしかいいようがない。
手を汚すのに、正当防衛を装うもクソもない、
やることの本質は何一つ変わらないというのに。
初めて自ら相手に対して先制攻撃したときのことを、
とても鮮明に覚えている。
後から振り返って考えてみると、
あのときはあの方法しかなかった。
もしも相手からの攻撃を待っていたら、
確実に負けていた。
だからあの時は仕方なかった。
その後の自分は、先に手を出すことに関して、
抵抗感が全く失われてしまい、
なんでもありの自由すぎる人になってしまった。
だから今でも忘れられない。
転機となったあのときのことを。
2004年12月24日19時すぎ(日本時間)
2004年12月24日19時すぎ、
私は車で六本木通りを走っていた。
特に何も考えてなかった。
その頃の六本木通りは、ひたすら工事ばかりで、
ただ雑然としていて、多くのタクシーで混雑を極めていた。
いまの工事のない六本木通りからは想像もつかない、
カオスの通りに感じられた。
私は、ある一瞬、
特殊な情報を脳内に感知した。
私の周囲にいる不可視の存在からの連絡。
私が脳内で生んで、組織化した、
ある大きなグループの、
その中の責任者からの連絡だった。
無論、この世の存在ではない。
その霊的組織の責任者のことを、私は孔明と呼んでいた。
孔明からの連絡。
いま当方の周囲には敵方の密偵が多数潜んでいて、
これまで何一つ連絡しませんでした。
一瞬で必要な連絡を全て行います。
一瞬で理解して、即断即決してください。
これまでの先制不可の自己規制には反しますが、
今回だけはやむを得ません。
即刻決断の上、ゴーサインを下さい。
一瞬でお願いします。
私は瞬時に察知した。
それまで私は、およそ半月くらい前から、
そろそろユニオン最高位とやらないといけないだろう、
と漠然と感じていた。
ユニオン…
頭のおかしい統失がよく使用する用語がある。
何とか連合、という例のお定まりの固有名詞だ。
はっきり口にするだけで不快になってしまうのだが、
その何とか連合にほぼ相当する巨大な纏まりについて、
私はそれとなく想定かつ認識していた。
何とか連合とは表現したくないので、
私はユニオンという言葉を使っていたのである。
最高位とは、そのユニオンの首魁を指す。
私は孔明の連絡で、
瞬時に相手方がユニオン最高位に違いないと判断し、
そして即座に指示を出した。
先制する。
ユニオン主要三方面に対して同時に攻撃開始。
総指揮はヨーダ、副官はシディアス。
将官、参謀、方面軍、特殊部隊その他、
必要な戦力は自由に引き抜いて編成していい。
即刻開始。
孔明、後方の指揮は任せる。
2004年12月24日19時すぎ。東京都港区の六本木通り。
三日後、私は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
カラオケの個室に閉じこもり、
ヒトカラつまり一人カラオケを装いつつ、
歌は歌わずにウーロン茶を飲んでいた。
私「今回だけは先制すべきとはこのことだったのか」
孔明「……」
私「孔明、一発くらい発射されると知ってただろう?」
孔明「……」
私はじんわりと報告を受けた。
強力な恒星間ミサイルの開発が進行中だったこと、
まずプロトタイプが十発くらい造られて、
その後、改良型が数十発ないし百発近く製造予定で、
基本、全弾地球に放たれるはずだったこと。
私「プロトタイプは何発製造済みだった?」
孔明「三発です」
私「一発使ったな」
孔明「……」
私「あと二発か」
孔明「……」
二発目を敵方がいつどこに落とすのか、
孔明は答えなかった。
おそらく相手方にとって最高機密で、
当方の情報収集力では及ばない機密度なのだろう。
私はある老婆に協力を仰ぐことにした。
リウマチで寝たきりになっている、ある老婆だ。
一年前からお互いに発狂者…ではなくオカルティストであることを、
リアルで打ち明け合っていた。
その老婆は夢で見た内容をたびたび私に話してくれて、
何度も私の窮地を救ってくれていた。
なぜか、必要なときに重要なヒントになる内容を、
夢で見てくれるのである。
私は老婆の自宅を訪れた。
強風でいつ倒壊するのかわからないような、
危険な平屋建ての中の、エアマットのベット上で横臥していた。
私「いまちょっと困ってます」
老婆「え? なに?」
私「何か変な夢みてませんか?」
老婆「夢?」
私「はい」
老婆「ゆうべの夢でいい?」
私「もちろん、教えて下さい」
私は生唾を飲んだ。
私「どんな夢でした?」
老婆「遺跡」
私「遺跡?」
老婆「そう、遺跡を空から眺めてた」
私「どこの遺跡ですか?」
老婆「南米じゃない?」
私「南米?」
老婆「南米しか知らないから、遺跡とか」
私「ホントに南米ですか?」
老婆「さあ」
怪しい。信じていいものかどうか。
私「あとは何か見ませんでしたか?」
老婆「海」
私「海?」
老婆「そう、遺跡が見えて次に海が見えた」
私「ありがとうございます」
私は御礼をいって老婆宅を後にした。
私「あのさ、ひょっとして」
孔明「……」
私「二発目は一発目より強力?」
孔明「多分」
私「た~ぶ~ん~?」
孔明「……」
私「はっきり言ってくれ」
孔明「……」
南米沖に初弾より強力な二発目を落とされたら、
きっと日本の太平洋岸もただでは済まないだろう。
思わず私はそう考えた。
私「発射準備から発射して着弾するまで…」
孔明「……」
私「どれくらいかかる?」
孔明「二日くらいでしょう」
私は手に汗を握った。
月並みないい方だが実際そうだった。
いますぐ対抗策を考えないといけない。
2004年の9月から11月にかけて、
私は世界地図を毎晩ほぼ徹夜で眺めていた。
夜が明けるまで。
リアルの仕事に遅刻するといけないので、
毎晩職場に寝泊まりした。
世界中の全ての国名を暗記した。
全ての国の首都を暗記した。
大きな国々、主要な国々については、
5~10の都市を暗記した。
超大国と呼ばれるような国々は20~30の都市を暗記した。
そして暗記した都市の全てに、
私は自らのカゲを生んで配置した。
それぞれ一人一人に命名し、性格や特性も決めていた。
これらの作業は、
私の脳内でひたすら完遂した。
しかし、これでは不十分だった。
地球上に布陣するだけでは、
決定的な弱点が存在することは明らかだった。
私はじっくりと考えてみた。
ユニオンが放つ二発目は、おそらく南米沖だろう。
着弾を許せば、日本の太平洋沿岸も広く壊滅するかもしれない。
私自身も生き残れない可能性がある。
おそらく三発目以降を強力に放つ余力は敵方にはない。
ヨーダからの報告はそれほど悪いものではないので。
二発目をうまく防げば、その時点で勝負は決まる。
私は心の中で声を発した。
決して口からは発生されない声で。
静かな夜の時間に。
メフィラス、聞こえるか。
地球外に地球を覆うように布陣。
責任者になれ。
ヤプールとガッツは補佐役。
どれだけ人員をかけてもいい。
着弾を許すな。
ヨーダ、聞こえるか。
いまだけ指揮権をよこしてくれ。
広正面から一気に狭正面に転換する。
日輪、三六、千手、巨大化して敵主要三正面で城塞化。
広正面戦術を強化すると錯覚させる。
その間、ミサイル発射施設と製造施設に主力を集中。
幻魔、強攻する主力を側面から戦意減弱化で支援。
敵野戦軍主力は殲滅せず、最高位も逃していい。
ミサイル発射施設と製造施設の制圧を主攻目標とする。
開始。
12月31日の大晦日の夜、
私は六本木でケバブを食べながら、
作戦成功の報告を受けた。
ユニオンの恒星間ミサイルの関連施設のすべてを制圧。
敵主力野戦軍は後退。
ユニオン最高位にダメージを負わせることに成功。
私「最高位にダメージ?」
孔明「……」
私「まさか」
孔明「……」
私「あいつ、発射台にいたのか?」
孔明「おそらく」
私は爆笑した。
私「バカか、安全な本陣に潜んでいればいいのに」
孔明「……」
私は思わずケバブで誤嚥窒息しそうになった。
夜の六本木でケバブを立ち食いしながら、
ひとりで突如爆笑するのは正気の沙汰ではない。
むせ込みながら自戒した。
後に私は、ユニオン最高位が、
この物質的な三次元世界で一人の人間として、
普通に生きていることを知ることになる。
彼は日本にいた。
大きな肥満体でメガネをかけた独特の風貌で、
私はそれを知ってから、
ユニオン最高位ではなく、オバQと呼ぶようになった。
私はオバQを、悪戦苦闘の末、
およそ二年半後に退場させることに成功する。
スマトラ沖地震(2004年)、wikiより要約引用
2004年12月26日、現地時間7時58分、インドネシア西部、スマトラ島北西沖のインド洋で発生したマグニチュード9.1の地震。
この地震のマグニチュード9.1(Mw9.1)は、1900年以降でチリ地震、アラスカ地震に次いで3番目に大きい規模。2010年ハイチ地震(Mw7.0)の約1,400倍、2003年十勝沖地震(Mw8.0)の約40倍、2011年東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)の約1.4倍に相当するエネルギーである。
平均で高さ10mに達する津波が数回、インド洋沿岸に押し寄せた(地形によっては34mに達した場所もあった)。
ジェット機並みのスピード(約700km/h)で津波が押し寄せたと見られる。前述の速さで波が押し寄せたスリランカ、インド、モルディブ、アフリカ諸国などに対して、 震源の東側となったタイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマーなどでは比較的遅いスピードで津波が押し寄せた。
津波はアフリカ大陸東岸のソマリア、ケニア、タンザニアにも到達し、ソマリアで100人以上の死者が発生。南極大陸の昭和基地でも半日後に73cmの津波を観測した。アメリカ合衆国の西海岸、南アメリカ大陸でも数十cmの津波を記録した。
2005年の時点における死者の総数は、22万6,566人。津波による被害としては観測史上最悪の惨事となった。
(2017年「グロ画像総合スレvol.X」より引用)
2012年アセンション説が、
いまもって地球人類高次元昇華論として、
過大な幻想を抱かれて期待が醸成され続ける、
ということは事前に予想はしていた。
その期待自体はそう悪い事でもないが、
幾多の野心家が2013年以降もその論に乗じて、
挑戦はしたものの成果は上がらなかった。
できれば真摯かつアイデアに富む人たちに、
ぜひ今後も頑張って頂きたい。
ただ実際、2012年に、
一体どのようなイベントが画策されていたのか、
耳障りのいいアナウンスに酔った多くの神秘主義者が、
どれだけ知らずに加担したか。
そのことだけは、
ひっそりと小声で呟いておきたい。
過去ログを漁りつつ、
かいつまんで貼っていこうか。
(2006年「封印されし神々の復活」より引用)
718:2006/06/14(水) 01:59:45 ID:eMB56Mjp0
696へ
>最初の計画では2002年から第三次世界大戦が始まり
>今頃戦乱の真っ只中だったはずらしいんだが
>1999-2012年までのシナリオはキャンセルされて
>本当のシナリオを全て知っている人はいないかも
知っていることをいえる範囲でいいたい。
区切りとしては2001-2012年の方が的確だろうし、
1999-2012年の方がよりいいのかもしれない。
だが、これだけはいえる。
2012年までのシナリオがキャンセルされた過程で、
ひとつの大きな節目があった。
2004年12月24-31日。密かに8日間戦争と呼んでいる。
この頃の事は「狂人を装って雑談するスレ」で、
リアルタイム実況されたり、後から回想が述べられた。
気になる人は探してみて欲しい。
(2004年「狂人を装って雑談するスレ3」より引用)
833 名前: 04/12/28 22:46:09 ID:cm4ZjYeO
7万人ですよ、7万人!
834 名前: 04/12/28 23:02:52 ID:gYjOhRzt
次は防ぐ。
835 名前: 04/12/28 23:04:39 ID:f9mbtvxO
信じてるよ。
838 名前: 04/12/28 23:20:12 ID:gYjOhRzt
今日婆さんと会った。
二発目の場所を夢で見てた。あさってだろう。
たぶん三発目以降を強力に放つ余力はあちらにはない。
二発目をスカらせれば勝負は決まる。
(2005年「狂人を装って雑談するスレ4」より引用)
822 名前:05/01/15 00:45:31 ID:BoWYbZ8V
12月30日宇宙からの二発目は南米西海岸だったはず。
その結果、大津波は南米はおろか日本をも襲ったろう。
リウマチ婆さんが夢で見たのは、
南米の遺跡や山、そして日本の海だった。
それまでの私の耐震コンセプトは、
「都市部を守り山や海へ逸らす」だったのだが、
それが昨年末はものの見事に裏をかかれた。
規模が大きければ落とすのは海でも十分、だったのだ。
二発目以降は海にさえ落とさせてはならない。
私はこれまでの基本コンセプトを大きく修正し、
新たなシステムを大急ぎで完成させ、
同時に星外遠征軍には速やかな中枢部制圧を命じた。
日本は今も日本だし、世界は今も世界だ。
そして地球は今もまだ地球だし、
これからもずっとそうであることを祈りたい。


