表題のシャワーヘッド。
昨年のクリスマスプレゼントに妻からせがまれたもの。
僕はシャワーヘッドなんてまったくの無関心なんですが、これを使ってみてちょっと感動いたしました。これを使うと湯冷めしないんですよ。不思議ですねえ。寒さの厳しいこの季節でも、風呂上がりに「寒い寒い」と言いながら小刻みに震えて体を拭くことがなくなったし、湯上がりの冷えやすい体を保温するため、リビングの床暖で一番温かい場所を探すということもなくなった。湿度を気にすることもなくなった。気がつけば風呂上がりに半袖半ズボンでくつろいでやがる始末です。
僕はこれで単純な性格なので、プラシーボやインプリンティングってなもんにはめっぽう弱いんですが、それを差し引いてもどうもこいつの効能は本物っぽい。思い込みだけで冷えを克服できるんなら、そりゃ人間誰も苦労しませんな。極めつけは、このシャワーヘッドを導入してからというもの、二歳になる我が子の風呂上がりの顔つきが変わったのです。ほっぺたが赤らんで、見るからに血行がよくなっている。つまりはあったまってる。
どうやら「マイクロナノバブル」とかなんとかいう特許技術を使っているシャワーヘッドらしいのですが、要するにミクロな泡をたくさん生み出すシャワーヘッドってな具合でしょ。そんなことで「湯冷めしない」とか「体があったまる」とか、そんな魔法みてぇなことがありますかいな。いまだに半信半疑ではありますが、実際の効果を実感してしまっているのでぐうの音も出ない。
おまけに節水効果もあるらしいですよ。
これはまあ、実際にシャワーヘッドだけで湯船にお湯を溜めてみて確認しました。節水ね。確かに節水効果があると思います。だって、湯船にお湯が溜まるまでに、以前のシャワーヘッドの二倍以上の時間がかかったんだから。それでも、以前の粗末なシャワーヘッドに比べて、たとえば水量が少なくて頭を洗う時とか体を洗うときに物足りなさや不満を感じるわけではない。むしろ。前より肌に心地いい水の当たりです。肌に跳ね返って宙を舞う氷竜の息吹に身構えることもなくなった。どうにも科学というのは不思議なものです。
実際に使う水の量が半減するわけですから、節水効果があるのは明らかでしょう。
以前はいくら追い焚きしても寒がっていた冷え性の妻が、今は通常の自動焚き半分、このシャワーヘッドを使って半分くらいの割り合いで湯船にお湯を溜めると、追い焚きが必要ないくらい体があったまるらしい。僕もそう。風呂に浸かっている時点で「以前と何か違う」と感じる。しかしどういう原理でこうなっているのかが分からない。マイクロでナノな泡っつったって、実際に泡が見えるわけでもありませんしね。
「なぜだろう?」と思っていよいよ知的好奇心に駆られるがまま商品の公式サイトをようやく見てみたが、マイクロバブルがなぜ体をあっためるのか、その科学的根拠というのはよく分かりませんでした。
ただ、今確かに言えるのは、湯上がりだからってべらぼうに暖房を増やすことがなくなったこと。そして、どういうわけかベッドに入るまで体がぽかぽかしていること。節水だけでなく、間接的に電気の節約にもなっているという次第です。
お肌もしっとりしますね。
以前、湯上がりの息子の肌は乾燥しやすく、入浴後はクリームを塗ってあげないとすぐにカサカサになって可哀想だったのですが、こいつを使い始めてからというもの、ほっぺたや体がしっとりとしていてクリームがいらないんですよ。
こうなってくると、もう「実際にお肌しっとり効果がある」と認めざるを得ません。
でも、確か二万円近くかそれ以上しましたかね。シャワーヘッドにこんだけの金を出す気には、僕の感覚からすればないですよ。たまたま妻の要望だったので導入しましたが、結果的にはお値段以上の価値があるしろもんなんじゃないかと感じているわけです。
入浴剤も使わなくなりました。入浴剤を使わなくてもあったまるから。
なんとも不思議です。不思議だけど、こいつは大した優れもんだと思います。
シャワーヘッドねぇ。やっぱりなかなか興味を持てないというか、「シャワーヘッドマニア」にはどうやったってなれる気がしないんですが、そんな盲点にも感動が潜んでいると思うと、世の中まだまだ素晴らしいもんって色々あるんでしょうなあ。無関心なものにも、できるだけ関心を持つようにしよう──と、思いを改めた今日この頃です。

