【ジャカルタ平野光芳】超大型のサイクロン「パム」の直撃を受けた南太平洋の島国バヌアツでは17日、首都ポートビラ以外の離島でも甚大な被害が出ていることが確認された。オーストラリアのビショップ外相は「上空からの調査では、南部のタナ島(人口約2万9000人)で家屋の8割以上が破壊されていた」と明らかにした。だが離島への支援は手つかずで、被害の全容も依然として不明だ。
【バヌアツの地図】
情報も混乱しており、国連人道問題調整事務所(OCHA)は17日、これまでに確認されている死者数を「11人」と発表し、以前に公表した「24人」を訂正した。ただ確認された被害はごく一部とみられ、今後さらに増加しそうだ。被災地では水、食料、燃料、医療品など物資全般が不足しており、衛生状態も悪化している。
一方、日本政府が派遣する国際緊急援助隊の第1陣6人が17日、ポートビラに到着した。今後、各国の支援組織と連携しながら、被災地の医療支援などに当たる予定。