◇大阪府を相手に慰謝料など1100万円求める
大阪府警羽曳野署が傷害事件の容疑者を特定しながら放置したために公訴時効を迎えたとして、事件の被害者の男性(36)が府に慰謝料など1100万円の国家賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。男性は20日の第1回口頭弁論で「警察の怠慢で精神的苦痛を受けた」と主張し、府側は請求棄却を求めた。
訴状などによると、男性は1997年6月、大阪府藤井寺市のパチンコ店で男と口論となり、金属製の清掃用具で頭や顔を切られて負傷した。羽曳野署は容疑者を特定し、逮捕状の請求書類などを用意していたが、処理を怠り、2004年6月に時効(当時は7年)を迎えた。
男性は「事件処理を放置したことに正当な理由はない。時効になった経緯の説明も不十分だ」と訴えている。
この問題は12年11月に羽曳野署の機械室で事件の書類が見つかって発覚した。羽曳野署は男性に謝罪した。【服部陽】