<ベトナム人密航>40人手配、1億円ピンハネ 5人逮捕 | 国際そのほか速

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 日本で働かせ、給料をピンハネする目的で知人のベトナム人を不法に入国させたなどとして、警視庁と千葉県警の合同捜査本部と東京入管が、千葉県八千代市麦丸、無職、レ・ティ・ハ・ラン容疑者(49)らベトナム国籍の男女5人を出入国管理法違反(営利目的の集団密航助長)容疑などで逮捕した。逮捕は15日。【林奈緒美】

 捜査関係者によると、レ容疑者の両親はベトナム難民。レ容疑者は日本の永住資格を持つベトナム人男性の配偶者として2000年に来日し、自身も永住資格を取得した。永住者などの親族と認められれば日本の在留資格が得られる制度を悪用し、少なくとも約40人のベトナム人を不法に入国させ、飲食店や建設現場などで働かせていた疑いがあるという。「入国費用」として1人につき約250万~400万円を徴収し、総額1億円以上を集めていたとみて裏付けを進める。

 他に逮捕されたのは、レ容疑者と同居する内縁の夫で無職、グエン・バン・ビン容疑者(54)と25~29歳の男女3人。

 このうち、レ容疑者の逮捕容疑は08年7月、ベトナム人の女2人=出入国管理法違反(不法在留など)容疑で逮捕=を千葉県内の食品工場などで働かせるため、レ容疑者がベトナムで偽装結婚した男の連れ子と偽って2人に在留資格認定証明書などを取得させ、成田空港から不法に入国させたとしている。

 捜査関係者によるとレ、グエンの両容疑者は容疑を否認している。不法入国した女2人は容疑を認め、「1人につき400万円をレ容疑者に支払う約束で日本に来た」と供述しているという。

 レ容疑者はベトナムにいるブローカーと協力し、「日本で就職先をあっせんする。入国費用は毎月の給料から支払えばいい」などと知人らに持ち掛け、日本に不法入国させていたとみられる。

 「入国費用」を確実に回収するため、給与の振込口座はレ容疑者が一括して管理。1人当たり毎月5万円前後をピンハネした上で残りを不法入国者に手渡していたという。不法入国者は数年がかりで入国費用を完済していたが、中には「偽物の在留資格者だとばらす」などと脅され、さらに金を取られていたベトナム人もいたという。