ペットに家を荒らされない方法 | 国際そのほか速

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 もともとはペットは野生の心をもった生き物なので、飼いならそうとしてもペットの本能的な習性が人の生活空間を荒らしてしまい、頭にくることがあります。しかし、もう少し努力して理解を深めればペットの自然な欲求を受け入れつつ、家を快適で清潔にしておくことができます。

 人間なら文明の利器が本能と対立するときは、生活に合うように調整するだけですが、相手が動物だとそうはいきません。そして、動物の持って生まれた本能を無理にやめさせようとしても、うまくいくとは限りません。

 私は2匹の猫と暮らしていますが、この猫たちと気持ちよく暮らすのは、2つの基本に集約されると気づきました。それは、猫の行動習性を理解することと、それを取り入れながら工夫することです。本稿ではペットを飼っている時によくある「問題」とそれらにどう取り組むかをご紹介します。

物を噛む

 原因:物を噛むのはペットのごく自然な行動です。子犬や子猫は歯がムズムズするせいで噛むことが多いのですが、成犬や成猫が物を噛むのは、単にそれが噛みやすいからです。しかし、ビタミン不足のせいで物を噛んでいることもあるので、獣医に相談してみる価値はあります。もしペットの犬や猫がただ噛みたいから噛んでいるだけなら、いくつか対策が考えられます。

 してはいけないこと:やらせ放題にしていてはいけません。電源コードや有毒植物などを噛んでしまうとペットが危険にさらされることもありますから、噛むのをやめさせるのが大切です。

 解決策:噛みたいというペットの欲求を発揮するはけ口になるものを与えましょう。噛んでも構わない何か適当な物をペットの体の大きさに合わせて与えてください。小さいペットなら、ボール紙でできた箱かトイレットペーパーの芯がよいでしょう。猫なら、レモングラス、猫じゃらし、猫の体に優しい植物を試してみてください。犬用の噛むおもちゃもたくさんあります。ただ、次に述べる動物行動学者のCesar Millan氏の警告は心に留めておいてください。

 おもちゃを犬に買ってやるときは、おもちゃにあいている穴が大きくて犬の下あごがはまってしまわないか気をつけて選んでください。犬の口におもちゃがはまって取れなくなった急患を何度か診ています。それから、噛まれては困るものと形が似ているおもちゃは与えないでください。たとえば、古い靴を噛んでもいいものとして与えると、犬は古い靴と新しい靴の区別がつかないので、大変なことになります。…

 ペットが遊びで噛んでいるようなら、遊びの時間に噛ませるようにさせてください。そして、噛むと危険なものは隠すか捨ててしまうことです。詳しくは過去記事「大事なガジェットをペットの毛や囓りグセから守るための3つのコツ」を参照してください。

 抜け毛の散乱

 原因:あらゆる「ペット問題」の中で、これで責められるのはペットにとって何よりも不本意です。毛が多いので毛が抜けて落ちるのです。ペットが悪いわけではないとわかっていても、毛が散らかるのは人間のフラストレーションになります。

 解決策:毛が抜けることに関しては、すでに抜け落ちた毛をどうやって片づけるかに尽きるので、その対策を論じたいと思います。ペットにブラシをかけるのは抜け毛をコントロールするには一番簡単な方法かもしれませんが、それ以外の裏ワザもいくつかあります。

 ・ 埃取りモップ:ただ掃除機をかけてもペットの抜け毛をまき散らすだけになってしまうという指摘もあります。それを避けるにはマイクロファイバーがついた埃取りモップが良いでしょう。・ 重層:掃除機をかける前に絨毯の上に重曹を撒くのも良いそうです。絨毯にからまった毛が取れやすくなります。・ ゴムベラ:絨毯の上を乾いたゴムベラでこするのもペットの抜け毛を取るのには効き目があります。・ ペット用ナチュラルシャンプー:SheKnows氏によると、ペットの抜け毛の多くは表面の毛並みの下に生えているアンダーコートと呼ばれる毛なので、それを取るシャンプーを使うと良いそうです。どんなシャンプーを使うにしても、安全性をしっかり確認してください。・ 「セルフグルーミング」ブラシ:これを壁に取り付けると猫は自分でそこに歩いて行って体をすりつけて、自分で自分の体にブラシをかけることになります。「セルフグルーミング」ポールもあります。

 ペットの毛は、ペットを飼うと必ず直面する問題です。しかし、諦めてペットの抜け毛に埋もれて暮らす必要はありません。私の場合、一番効果的なのは、ペットの抜け毛の掃除を自分の生活リズムに1番合うやり方でルーティン化することでした。毎日数分間やるだけで、ずいぶんと家が快適になります。

 おしっこをひっかける

 原因:犬や猫がして欲しくないところで排泄する理由はいろいろあります。まず、健康上の問題が原因ではないことを確認してください。多くの動物は、体に痛いところがあったり、健康に問題があるときにこれをやり始めます。…そのためまずは獣医に相談してみるのが一番良いかもしれません。Dog Chat Forumによれば、犬も猫も自分のテリトリーを示すためにおしっこをかけることもあります。新しい物や新しい人が自分の家に入ってきたときにやりがちです。

 たいていは、不安感や自分が脅かされる予感があるせいです。たとえば、新しい赤ちゃん、新しいペット、お客が家に入ってきたときや、新しい家具を入れても感じるときがあります。また、ほかの動物の匂いが人の靴や服についていると、犬は自分のテリトリーを示す必要性を感じてしまいます。

 不妊手術や去勢で防止できますが、以下のことはしてはいけません。

 してはいけないこと:ほとんどの専門家が同意していることですが、怒鳴ったり、「粗相したところに鼻をぎゅうぎゅう押し付ける」のは、正しい解決ではありません。ペットがあなたを怖がることになるだけで、自分がしたことが悪いとは学べません。「Daily Puppy」では次のように指摘しています。

 犬の鼻を排泄物に押し付けて悪いことをしたと教えようとしても、まったく目的を達することができないばかりか、あなたがいると犬が怖がるようになるだけです。犬はあなたが脅威を与える存在だと思うだけでなく、いつ何をしてくるかわからない存在だと認識してしまいます。あなたの行動のせいで犬は怯えすぎてしまい、排泄欲求を感じると「逃走」しようとするかもしれません。その結果、リビングルームの真ん中で排泄する代わりに寝室に直行して用を足してしまうかもしれません。

 何よりも、動物の自然現象に対してそんなことをするのは良くありません。

 解決策:それではどうしたらいいのでしょうか。手始めに、「The Next」が紹介している犬に対して手軽にできる役立つコツを見てみましょう。

 ・ その犬自身の匂いを使う:犬のおしっこを片付けるとき、犬のおしっこに浸したペーパータオルを犬のトイレに置きましょう。これでして欲しい場所で用を足してくれやすくなります。・ 犬が粗相する場所におやつを置く:犬は自分が食べ物を食べるところでは排泄したくないものです。そのため、そこに食べ物が置いてあると、そこはトイレにしたくないと思うでしょう。

 「I Love Dog」のサイト上で、認定トレーナーのAmanda Cornell氏は、ポジティブな音を使って犬の行動を変えることを提案しています。犬がどこかでおっしこをしようとしていると思ったら、恐怖心を与えない音を使って犬の注意をそらすのです。…

 また、猫を飼っている時は次のことも留意しておきましょう。

 新しい猫が家に来た場合、猫はトイレを共用したくないことが多いので、複数の猫を飼うときは必ず余分に1つ猫用トイレをおきましょう。

 猫用トイレのことでは、ほかにもいくつか考えるべきことがあります。

 ・ 人通りが多い場所か?:猫はプライバシーを好むので、猫用トイレは猫が安心感を持てる場所に置いてください。・ 猫用トイレは猫にとって使いやすいか?:高齢の猫だと高さのある面に囲まれたトイレは使いにくいものです。あるいは、今使っている猫用トイレはあなたの猫には小さすぎるのかもしれません。・ 最近、猫砂のブランドを変えましたか?:猫砂のブランドにこだわりのある猫もいます。

 猫のスプレー行為に関しては、コーネル大学の獣医学部が以下の提案をしています。

 猫のスプレー行為の原因となるフラストレーションの元になりそうなものに対処してください。たとえば、新しい食事を徐々に取り入れたり、スプレー行為をコントロールできるようになるまでは、今までと違う物を食べさせるのをやめてみるなどです。刺激が足りない猫には遊びの時間を増やしてやるとフラストレーションが軽減されるかもしれません。

 スプレー行為は同じ家の中で飼われている猫同士のテリトリー争いの結果かもしれません。その場合は、猫同士をそれぞれ隔離して、もう一度ゆっくりと引き合わせてやる必要があります。そのときは、ご褒美の食べ物を使って猫が平和に振る舞えるようにさせましょう。

 そうです。ペットはなかなか気難しいものなのです。しかし、もう一度繰り返しますが、ペットは単に自然の摂理に従って行動しているだけなのです。だから、家を整った清潔な環境にしておくための妥協策を見つけるのは、ペットの行動の根本を正そうとしていることになります。コーネル大学は、猫がスプレー行為をしてしまった場所には消臭剤を使うことを奨励しています。

 家具で爪を研ぐ

 原因:その家のソファを見れば猫を飼っているかどうかわかるとよく言います。猫は、自分の匂いを付けたい、爪を研ぎたいなど、さまざまな理由で何かをひっかくのが好きです。だから、お宅のソファは座る場所ではないのです。残念ながら、猫の目には、ソファは巨大なネイリストに見えています。

 してはいけないこと:猫に怒鳴っても猫が意味はありません。このやり方は完全に失敗です。というのは、猫は社会的合図を読むことが苦手だからです。…獣医のTony Buffington氏は「Wired」のサイトで以下のように述べています。「ソファをひっかくのをやめてもらいたいから怒鳴っていることを猫は理解できません」とBuffington氏は言います。猫は自分がソファをひっかいていることに対して、あなたが怒りを爆発させていると認識する能力はないので、猫にしてみるとめちゃくちゃな攻撃をされているようにしか思えません。「猫にとっては、あなたは何の理由も無く攻撃してくる気が狂った霊長類でしかないのです」。

 だから猫に「ダメ」と言っても、猫はどうせひっかきますし、「猫が言うことを聞かない」と言うのは間違っています。猫はあなたが何を言っているのかまったくわかりようもないので、言うことを聞くことができないのです。

 解決策:猫が爪でひっかいて家具をだめにしないようにさせる方法については、過去記事に書いています。しかし、最善の策は、ひっかいてもよい場所を猫に与えることです。いったんひっかいてもいい場所ができると、ソファにはもう行かないかもしれません。しかし、猫が本当に使ってくれる爪とぎポールを選ぶ必要があります。「Cat Behavior Associates」では以下のような特性をもつ爪とぎポールを勧めています。

 ・ 頑丈で高さがあること:猫は体を伸ばす必要があります。私は、猫が爪を研ぐたびに動いてしまう使いにくいポールを買ってやるという間違いを犯したことがあります。残念なことに、猫はすぐにいつも引っかいていた私の椅子に戻っていってしまいました。・ 適切な素材:サイザル麻を好む猫が多いですが、木製のものやざらざらしたボール紙が好きな猫もいます。いろいろ試してみて自分の猫が好むものを見つけましょう。・ 適切な場所に置く:あなたの猫は食事の後に爪とぎするのが好きですか? それなら猫のエサの隣に爪とぎポールを置いてください。トイレで用を足した後に爪とぎするのが好きならトイレの横に置きましょう。原則として、猫が気分よく使える場所に置くことです。

 爪とぎポールを使ってもダメな場合は、水の入ったスプレーボトルを使ってみましょう。

 怒鳴ってはいけませんし、水を噴射しているのがあなただと猫に知られてもいけません。ソファで爪を研いだり、イライラしながら絨毯に深く爪を立てたりすると、あなたが近くにいなくても水がピュッと自分にかかると猫が連想するようになってもらいたいのです。…