
- 今期限りでの退任を表明する福島県の佐藤知事(4日、福島県庁で)
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福島県の佐藤雄平知事(66)は4日、県庁で記者会見し、来月9日告示、同26日投開票の同県知事選について、「新たな段階を迎えた復興の取り組みは、新しいリーダーの下で実施していくべきだ」と述べ、3選出馬はしないと表明した。
佐藤知事は会見で、不出馬を決めた理由について、東京電力福島第一原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設容認を今月1日に政府に伝えたことをあげ、「大熊、双葉両町に大変な負担をおかけするが、苦渋の決断を行い、復興に向けた大きな課題に前進のめどが立った」と語った。さらに、2006年の知事就任当初から、任期が10年にならない段階で退任すべきだと考えていたと説明。次の知事については「県政は継続性が大事。私の意思を継いで、復興を着実に進める方」と語ったが、具体名は言及を避けた。
知事選の告示が1か月後に迫る中、各党は今後、候補者調整を本格化させる。自民党福島県連は既に元日本銀行福島支店長の鉢村健(たけし)氏(55)を党本部に推薦要請している。佐藤知事に3選出馬を要請してきた民主党福島県連は、5日に県議団会議を開くなど対応を協議する予定だが、同県の内堀雅雄副知事(50)を推す動きも出ている。このほかに同県いわき市の牧師五十嵐(いからし)義隆氏(36)、前岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)、福島県郡山市の医師吉田孝司(こうじ)氏(36)が立候補の意向を表明している。