こんにちは!
産業医の森しほです。
仕事でも家庭でも予想外のことが起きたりして思う通りにいかないとき…
ついイライラしたり怒ってしまうことってありますよね。
「怒っちゃダメ」とわかってはいてもなかなかうまく気持ちをコントロールできないこともあるかもしれません。
でも考えてみてください。
「怒っちゃダメ」という言葉の意味。
怒るのは何でダメなのでしょう?
周りの人を不快にさせるからダメ?
血圧が上がるからダメ?
あとで後悔するからダメ?
怒ると理性的に考えられなくなってヘタをうつからダメ?
もちろんすべて正解です。
でも怒ってしまったときの反省点として
一番重要なのは、
「怒ったらうまくいったかな?」
という点だと思います。
うまくいったんなら、怒ったことが必ずしもダメではないのかもしれません。
たとえば、
ノラ猫が台所に入ってきてお魚を食べていたら、
冷静に
「きみの家はここじゃない、そのお魚は食べないでほしい」
と説得するよりも
「こら!!」と怒ったほうが早いでしょう。
でも大抵の場合。
仕事などで人間相手に怒った場合、
家庭では子どもや配偶者にたいして、
「怒ってもうまくいかなかった」という経験を持つ人が多いのではないでしょうか。
付き合いの長い人間相手に「怒る」という交渉カードを使って、うまくいくケースはかなり限られています。
そして、
うまくいかなかったんなら、似たようなケースではもうその「怒る」というカードはきるべきではありません。
「怒る」というカードは、
簡単で、
まれに、劇的な効果をあげることがあります。
「怒る」というカードを切りたくなる人は、その劇的な効果をあげたときの記憶が強く残っているので、つい「怒る」カードを切りたくなっているのです。
大穴狙いのギャンブラーと同じです。
大穴が当たって大儲けした記憶に囚われて、毎回毎回大穴狙いをしていたらすぐに負けてしまいますよね。
「つい怒ってしまう」という人も、
「ほぼ間違いなく効果がないのに、たまたまうまくいったときの記憶に囚われて怒るカードをきろうとしている」と自覚するべきです。
「何度も何度も同じことを注意しているのに改まらない!」
というのも同じです。
その注意の仕方に効果がなかったということなので、注意の仕方を変えるか、システムの方を改めるしかありません。