2016発表済み

 

楽園             

 

 

断捨離は 私を分解していくみたい

結局 答えを曖昧にして 

入れるのは 太陽とお月さまだけなの

他人も肉親も行けない 私の楽園

1ピースの私は どこにいるの

玄関までの人と

キッチン・廊下までの人が居て

勝手に決める女王は 私

   あとの来客は さくらと声と線ぐらいなもんで。

 

2016発表済み

 

 


 

なぜだろう?
耳が痛い人がいる

しびれる人がいる
怒りが現れている人がいる
心理にはまっている人がいる
嘘をついている人がいる
艶のある人がいる
人が恐い人がいる
健康とわかる人がいる
みんなに好かれる人がいる
声でこれだけわかるんだ

 

 2016発表済み

 

       僕の地図               

 

 

僕の体の中に地図がある

まるで 星の航路のように 広がった静脈と動脈のような道があり

コンパスのように 僕の心の臓が指し示す その道を選んで 

僕の体の中の地図を頼りに走ってきた

その地図を信じてやみくもに 只々 走ってきただけだ

今は疲れて 迷路のようなブラックホールに入り込んでしまったけれど

面倒くさい 走りたくない 歩きたくない 消えてしまいたい

タクシーに乗りたい 終わりにしたいって何度も思いながら

今は 難破船のように漂ってるんだ

漂うだけでも何か意味があると思いながら

僕のコンパスが動くのを 待っているんだ

 

2016.01.13発表済み

 

流星の軌道                       

 

 

小さいけどね、僕ら集まって流星になるの

見たことのない虹色をはなつ大きな流星群になるの 

そう決めたんだ だから早く一緒に来てくれない?

私の理想とはかけ離れていたのに

いつのまにか理想にリンクしていた彼らはそう言ったんだ

 

私の生きたい世界は 自分の体を思い通りに

出来る宇宙人ばかりだから

ついつい卑屈になってしまうけれど

寝ないと持たない体力 

無気力をどうしたらいいのか持て余しているけど

 

解ったんだ

 

現在の常識なんてもういらない

未来の非常識の方が問題だから

病気を疑う理解の無い人たちに

未来の常識を作るために 声に出そう

 

きっと僕たちの軌道の積み重ねで

未来の常識が出来上がる

だから ありのまま 声をあげよう 

頑丈な鳥かごに入って 僕らの宇宙の軌道を描こう

 

2017.5月「階段」発表済み

 

こどもの階段                               

 

シッター先のゆうくん(2歳)は 私が保育園のお迎えに行くと

毎回 何かしらプレゼントをしてくれるようになりました

2股に割れた木の棒きれだったり

シワシワにしなびた葉っばのついた小枝や

うねうねと曲がりくねった 小枝の1部などで

彼なりに理由があるのだろうけれど

おおよそ あんまりロマンチックなモノでは ないものでした

(ま、私は ゆうくんのプレゼントなら何でも嬉しいのですけれどw)

GW(ゴールデンウィーク)をはさんで 3週間ぶりぐらいに お迎えに行った時です

久々に会うゆうくんは 凄くはしゃいで 私に抱きつき喜んでくれました

そして ゆうくん()に着くと ゆうくんママからのメモがありました

【ゆうくんが おみやげを用意しているので聞いて下さい】

と、書いてあるので 私は ゆうくんにたずねました

すると ゆうくんは 自信あり気に わたしにほほ笑んで

『おみやげがありましゅ!』

と、言って ガラスのテーブルにあった

小さな貝殻たちを 小さな指で 綺麗に ならべ始めました

 

・大きなオフホワイトのうずまき貝

・中くらいのグレーと白の混ざったうずまき貝

・小さいグレーと白のまだら模様のうずまき貝

・うすむらさきの小さなカラス貝の片っぽ 1枚

 

どれを私にくれるのかな と思っていたら

ゆうくんは 小さな指先で すーっと うすむらさきの貝を差しだしました

 

あぁ ゆうくんは 2歳なのに なんで私のほしいモノを選べるのだろう

言葉が伝えられなくても ゆうくんは知っている

私は泣き出したいほど 嬉しかったんだ でも、

ゆうくんは、もう・・・

あかちゃんの階段は 上り終えちゃったんだね

こどもの階段は 急がないで ゆっくり・・ね

 

そんな風に 思いながら ゆうくんの今を ぎゅっと。