職員室に電話をかけ、
学年主任を呼び出した。
長女の時の担任なので、よく
知っている先生だ。

「部活のことで、ご相談が
あるのですが。」
「あーはいはい。」
次女の部活は、人間関係で
よくゴタゴタしているので、
そのことだと思ったのか、
また何かありましたかーと
いう感じで応対してくれた。

「中間テストの順位が89位
以下の子は、ホールの雑巾
がけをするように言われて
いるそうなんです。」
というと、
「順位?」と、受話器の
向こうで絶句した。

やはり他の先生の耳には
入っていないらしい。そう
確信した私は、順位を公表
するようなことはやめて
ほしいこと、順位が半分より
下の子だけで、みんなが
使っているホールを掃除
しなければいけない理由が
わからないこと、順位が
一番の子がいれば、ビリの
子もいる、順位だけで本人の
努力を計るのは難しいのでは
ないかと思うということを
冷静に伝えた。

先生は終始、丁重に話を
聞いてくださり、最後に、
「お子さんが安心して学校
生活を送れるように
致します。」と、約束して
くださった。
この先生がこう言って
くださるんだから、安心
していていいはず。私も
丁重にお礼を言って、
電話を切った。