プロフィールでは書ききれなかった自己紹介を記載した記事です。
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なお、ブログ本文中ある会計等の記載、意見についてはあくまでも私個人としてのものであり、私が所属する監査法人の見解ではないことをご了承ください。
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内閣府 規制改革会議「健康医療ワーキンググループ」における2月18日の会議において、医療機関のガバナンスが議題にあがった。
アジェンダは以下の3つであった。
経験豊かな人材の活用による医療法人経営の効率化
医療法人経営の透明化・適正化
地域における医療機関のネットワーク化
このうち(2)の医療法人経営の透明化・適正化のなかで、「一定以上の医療法人については外部監査を義務付けるべきではないか」との論点が提示されている。外部監査というキーワードで、会計士としては色めきたってしまうのであるが、冷静に考えるといくつかの課題がありそうだ。
まずは、この議論が前に進むかどうかは、被監査主体となる医療法人側のメリットと監査による受益者を想定する必要がある。医療法人側としては単に監査が義務付けられただけでは、監査費用が負担となるだけでメリットはない。
したがって「アメ」がなければ大きな抵抗が予想される。その「アメ」は、主な受益者は誰なのかということがポイント。財務内容の透明化・適正化ということであれば、監査による主な受益者は医療法人に融資をしている金融機関ということになる。
金融機関としては医療法人から報告される財務内容に信頼性が担保されれば、与信リスクの低減という形で経済的メリットを受けることができる。その場合、貸出金利の低減によって医療法人の経済的負担を軽減し、それを原資に監査費用を捻出することができるのではないだろうか(想像であるが財務諸表の信頼性があれば行内の信用格付を1ランクアップさせるなどの優遇措置は行われているかもしれない)。
次に、テクニカルな側面として、そもそも監査意見を表明するための対象についての基準、すなわち医療法人の会計基準と財務諸表の開示ルールである。これが明確にならないと財務諸表についての監査はできない。なんとなくアバウトに適正などとはいえない。
これについては社会福祉法人など比較的近い主体の会計基準が定められているため、技術的には大きなハードルにはならないのではないか。