-プロローグ-「なぁ、カミサマっていると思うか?」 中学二年生の俺が、両親がケンカして離婚する三時間前に 小学五年生の妹、結(ゆい)に聞いた 「カミサマがいたら、こんなひどいことしないよ。」 泣きながら言う妹に、俺はこう答えた。 「意外とカミサマがこんな風に仕向けたのかもしれないぞ。」 その三時間後母に連れられ、俺は母の名字、"冴木" 悠牙になったんだ。 闇のなかに堕ちていく意識の中、そんなことが頭をよぎった。