映画「ブラインドスポッティング」を観てきました。
※ややネタバレあります。
日本版予告だといまいち本質からずれてるのと、音楽のかっこよさが伝わりにくいので海外版予告を。

私的に、ぶっちぎりで今年No.1映画でした。
とにかく音楽もストーリーもずしりと重い。
まるで映画10本分くらいの情報量でした。

幼馴染みのマイルズとコリン。
コリンが罪を犯して指導監督期間中というのが前半のストーリーの軸になります。
まるで乱暴者のマイルズが悪、それを消極的に制するコリンが善のように描かれるのですが、ストーリーが進むにつれて複雑さを増していきます。

何故マイルズはあんなにイキがるのか、コリンは何にそんなに怯えているのか。
人種、貧富、男女、様々な違いや差別が混ざり合い、同じ場所にいて同じものを見ているはずの人々の視点の違いが浮き彫りになっていきます。

そして、自分を取り巻くブラインドスポッティング(盲点)に気づかされた後、コリンに大きな決断を迫る出来事が訪れます。


日常の音とリンクする重低音の音楽、2人が会話しながら紡ぐラップのかっこよさ。
まるでラップミュージカルのような演出は素晴らしくて圧巻でした。

また、銃声があまりにリアルに響き銃が映し出される時も重みを感じさせるので、それは人を殺せるものだという緊迫感が痛いくらいに伝わりハラハラしてしまいました。

終盤、コリンが警官に銃を向けるシーンは本当に素晴らしかった。
今まで大人しく耐えてきたコリンが、想いのたけをラップでぶちまける。
超高速で語られるとめどない感情たちが、心を突き刺す。
まばたきも出来ないほど、彼の想いを受け止めるのに必死で見入ってしまいました。

とても重い内容でありながら決して暗くならなかったストーリーが絶妙でした。
誰かだけが悪いわけではない。
それぞれの視点は違う。
その背景を知ろうとすれば見えてくるものがある。

何かに怯えて視野が狭くなりそうな時、保身から人を排除してしまいそうな時。
この映画を思い出せば、見逃していた盲点に気づく勇気をもらえそうです。
そして、わかりあえなかった人や身近な人達のことも愛しく思える気がするのです。

思考も感情もフル回転でくたくたでしたが、最高に素晴らしい映画でした。