不透明 (いつかのカイスホ)
【スホドからのカイドかと思いきやカイスホ】「ジョンイナ!待てよ、おい」そう言ってジュンミョニヒョンはリビングに行こうとした俺の肩を掴んだ。丁度ヒョンとセフンの部屋の前。今はヒョンと俺とギョンス兄さんしかまだ宿舎に帰っていなかった。なにって言って置かれた手を軽く振り払う。「なにって…しらばっくれるな、ギョンスに何したんだよ。さっきから呼んでも部屋から出てこないし、何かあったか聞いても答えてくれないし。お前何かしたんだろ」確かに、けしかけたのは俺の方だった。風呂からあがってきたばかりのギョンス兄さんに唐突に言った。ジュンミョンヒョンを俺に頂戴って。目を丸くして驚いていたけど何も言ってこなかった。たぶん薄々気付いていたんだ。俺がヒョンをギョンス兄さんから奪おうとしていたことを。ほんの数分前の出来事だった。
わざとヒョンの耳に顔を近づけて小声で言う。「ああ、うん。あ、もしかして泣いてた?まあ無理矢理ヤっちゃったから、しょうがな」言い終わらないうちにヒョンが胸倉を掴んで壁に押し付けてきた。もちろんそんなこと嘘だったけど、ヒョンは今にも殴りそうな勢いだった。咄嗟にその手を制して軽々とヒョンを反対側の壁に押し付ける。
「お前…」「嘘、ホントは宣戦布告してきた。…ヒョンは俺が貰うって」そう言って少しだけあいていたヒョンの口に噛み付くようなキスをした。一瞬固まったヒョンの体はすぐに意識を取り戻して嫌だと叫び顔を振り払ったけど、俺は何度も その顔を追って無理矢理キスをした。酸欠になりそうになってようやく唇を離すと、至近距離にあったヒョンの目からつぎつぎに涙が溢れているのに気付いた。
なんで。そう言いたげな顔だった。
スホ目線
なんで…
疑問しか頭になかった。
今までそんな素振り見せたこともなかった。むしろ、自分はジョンイナにとっては鈍臭くてうざったくて苦手な部類であるとさえ感じていた。
けれど、
目の前で、僕の頬に伝う涙を拭い、真剣な眼差しで僕を見つめ、好意を伝えてきた男は間違いなくジョンイナそのものだった。
「…わからないよ…ジョンイナの…気持ちが。」
「俺の気持ち?」
「僕のこと、、す…きとか、、あり得ないだろ、、それに、さっきの嘘だって、つく必要なかった…」
「それは…ヒョンがいけないんだよ。あまりにもギョンス兄さんが心配って感じで必死だったからつい悪戯しちゃった…」そう言って口を尖らせて不服そうに言う顔はさっきまでの色気を帯びた艶やかな表情とは打って変わって、いつも通りのジョンイナだった。
「それより…ヒョン、今ここで決めてよ。ギョンス兄さんのとこへいくか、今すぐここで俺のものになるか」
唐突な質問に今自分のおかれている状況を思い出したが、すぐに答えをだすことが出来なかった。
何故だか、戸惑ってしまった。
ユラユラと揺れる僕の目が、答えに迷っていることを伝えていた。
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