地中埋設物の発見(瑕疵担保責任) | 奇人弁護士、家を建てる

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大阪で土地を買い、家を建てるまでのブログです。
奇人なので建てる家にも色々とおかしなところがあるかもしれません。

えー、前回のブログ投稿から2か月半ほど経ってしまいました。

 

毎年3月から4月にかけての時期は締切が重なってとても忙しいので汗

 

 

そしてその間にコロナウィルス感染症の大流行。

幸いにしてまだ身近で罹患した人はいませんが、本当に世界が一変したという感じ。

うちの事務所では対面の法律相談を中止して、電話かメールでの対応としています。

 

 

問い合わせはやはり減少傾向にありますねー。

というのも、うちは主な取扱事件が『労働』『交通事故』『不動産』『刑事(示談交渉』なんですが。

 

 

労働 : 労働問題は多発しているけれども正直相談どころじゃない&解決の目途が立たない

 

交通事故 : 外出自粛で交通量そのものが減っているので事故数も減少

 

不動産 : 建築関係は相談どころじゃないし、賃貸借の問題が顕在化するのは数か月以上先

 

刑事(示談交渉) : 外出自粛要請で痴漢や盗撮、酒席での喧嘩が激減しているはず

 

 

地方はそうでもなさそうですが、都市部は弁護士といえどやばいところも多そうです。

弁護士専用の匿名SNSでは廃業の話とか結構出てきているので。

 

 

とはいえ、飲食関係、観光関係、娯楽関係等に比べたら相当マシです。

今は雇用を維持して事務員の生活を守りつつ、できることをしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

さて、それで新居の建築についてですが。

 

4月の頭にようやく着工の運びとなりました。

 

 

それで着工直後にタイトルの埋設物のお話ですわゲッソリ

 

 

 

シドが購入した土地は駐車場として利用されていた土地なんですが。

駐車場になる前は工務店だか何だかが建っていたようなんですね。

 

で、駐車場のアスファルト解体が始まって速攻で住友不動産の担当Yさんから電話が。

 

 

担当Yさん

「恐れていたことが起こりました。地中から埋設物が出てきました」

 

 

 

こんな感じで。

 

 

 

 

 

 

たぶん昔ここにあった建物の外構部分のブロック塀とそのコンクリート基礎でしょう、と。

 

あと隣地所有者から「残しておいてほしい」と言われていた排水溝(写真2枚目中央)。

その地下の方に、うちの敷地を横断する形で雨水管が通っていることが判明。

 

 

さぁこれどうなるかなー、と思っていたんですが。

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、さほどのこともなくあっさり解決しました。

 

 

 

 

 

 

これ、法的に言えば『隠れた瑕疵についての瑕疵担保責任の問題』となります。

簡単に言うと、「一見してわからない欠陥があったときに売主に損害賠償できる」というもの。

 

こんなもん、間違いなく『隠れた瑕疵』に該当します。

あとは土地の売買契約で瑕疵担保責任の免除条項が付いていなければそれでOK。

念のため契約書は再確認しましたが、売り主の瑕疵担保責任は当然に明記されていました。

となれば、あとは最悪裁判でもすれば埋設物の存在で増えた工事代金は売主に請求できます。

 

 

そんなところまでもいかなかったんですけどね。

 

 

多少深さはあったものの、ブロック塀とそのコンクリート基礎、雨水管だけだったこと。

 

土地売買の仲介会社がまともな対応をするそこそこ大きな会社だったこと。

 

直接取引のあった売主が不動産会社だったこと。

 

 

これらが幸いして、増加分費用は売主が直接住友不動産に払うということですぐまとまりました。

 

 

 

まーでもこれ、だいぶラッキーな方です。

 

 

建物の巨大な基礎や厄介な廃棄物が出てくると処理費用がかさむので揉めます。

 

とんでもない仲介会社が絡んでいると常識では考えられないトラブルになることも。

(現在受任中の建物建築請負に関する事件がまさにそれ……)

 

売主がド素人の個人だと、まず瑕疵担保責任を理解させるところから始まってしまうし。

 

 

気を付けようと思って気を付けられるものでもありませんが。

これから土地を買おうという人は、上記のような点にも注意してみてください。

 

最低限、瑕疵担保責任の免責条項を確認しておくことは必須。

 

 

 

あと、排水溝と雨水管も実は隣地と繋がっていないことが判明し、撤去できることになりました。

 

これもよかったといえばよかったかなと。

後のトラブルの種を残すより、完全撤去して自分の使いやすいように変えた方が圧倒的に良いので。

 

 

こんな感じで、基礎工事は問題なく始められそうです。