最後の出勤日、辞める実感もないままいつも通り仕事をこなしていた。
私は運送業をしていて、この会社に居た5年ほど、ずっと同じ顧客の所に
集荷や配達をして回っていた。
最後の最終集荷の時、お客さん達がこぞってプレゼントを用意しててくれた。
それは、各店舗で売られているお菓子がほとんどで、
私は甘いものは苦手だったのだけど、
こんなに嬉しくて、寂しい贈り物は初めてだった。
私は、泣きながら、最後の集荷を回った。
会社に帰ると、今度は同僚達からも信じられないほどのプレゼントを頂いた。
とくにMさんは、私のために、お客さん達からと同僚達から寄せ書きを貰ってくれていた。
プレゼントはバイクにはつみきれなくて同僚に車で運んでもらった。
やめる事がすごく悲しくなってしまった。
なんて幸せな退社なのかと、私は誇りに思う。
今までがんばって良かった。