車で用足しに出かけた日。

上手じゃないけど、運転は結構好き。

お気に入りのCDを聞きながら走るのって気持ちいい。

良く通る田んぼ道に差し掛かった時、違和感を感じた。

その正体。

み、緑～～!!!

いつの間に芽吹いていたの!?

気づかぬ間に春が来ていた。

よく考えたらずいぶん暖かい…。

私、完全に置き去りになってた。

帰ったらバイク始動しよう!!

ウキウキしながらさっさと用足しを済ませて家に向かう帰り道。

良く晴れた青空に、まだ冬の名残香、澄んだ空気。

岩手山くっっきり。

お見事!!!

ビュリホーよ。

家着いたら即効でバイクのカバーをめくり、冬篭り用に巻いてた毛布を剥ぎ取る。

「うぃーっす!!相棒!!!」
相変わらずかっこいいんだから☆

さあ、あなたの鼓動を聞かせてよ。

キーを刺してセルを回す。

キュルル、ボーボボボボロロロロ…！

一発快調～♪さすがおりこうさん♪

少し暖気した後、アクセルを開く。

久しぶりに聞く相棒の力強い鼓動と振動が体を駆け抜けて、
まるで新しい血管が増えたように私の何かを覚醒させた。

バイクが無きゃ生きていけない。

衣食住とか、そういう事じゃなくて、

私を形作る大切なパーツなんだ。

冬を乗り越えてまた巡る春に何より感謝するのは、
バイクで走れるという事。

相棒、辛くなったらまた付き合って。

楽しい時はもちろん共に有ろう。

女神様（設定は男だけど）