この令和の時代にありながら頼りなげな、街灯の狭い光の輪の中に、
ちぎれた和紙のようにはらはらと、雪が舞ってる。

限られた約2メートル四方を照らされた正円で、突然可視化されるほど、仄かな降雪。

見上げる剥き出しの頬に、静かに落ち溶けた。


冬だ。

毎夜、寒さに凍えながら、寂しさにも耐えてきた。

もう慣れた。

なのになぜ、涙が浮かぶのか。

何を思い出しているのか。


瞬く星、燦々と輝く月、その月に照らされ影を落としながら流れる雲。

そんな月夜の晩にも、何を思うのか。


なぜ私は毎夜移ろう空を見て、涙を堪えているのだろう。


多分、答えは分かってる。


でも欲しいのは答えじゃない。