早朝6時半、パッキングされたバイクに飛び乗る。
「行ってきます」
朝日の中走るのも、フル積載のバイクに乗るのも本当に久しぶりで、何とはなしに浮き足立つ。
横から差す若い日差しは清々しい。
低い空はまだ少し白んでる。
収穫直前の田んぼ一面黄金色、ちぎれ雲の影を落とす岩手山。
すでに感無量です。
絶好調で走り続け、8時過ぎには青森県突入。
道の駅三戸で初めての休憩。
まだ開店前だ~。
ストレッチして出発。
小一時間走ったところでまた休憩。
道の駅七戸。
むちゃくちゃ綺麗!ホテルのよう!
もう疲れを見せ始めた足腰に、オロナミンCでファイト注入。
すぐ底をつく体力…くぅっ、情けない。
再び走り出す。
最高の天気に恵まれて、奇跡を感じずにはいられない。
中天からどんどん色濃くなって行く青空と、金色の稲のコントラストよ。
少しだけ色づき始めている山々が眩しい。
目の中に飛び込んでくる、カラフル。
迷うことなく、野辺地へ到着。
むつ方面へと舵を切る。
とたんに感じる海の予感。
街の切れ間から一瞬姿を見せた。
その興奮冷めやらぬうちに一気に視界が開けて、空よりも真っ青な海が広がった。
叫ばすにはいれなかった。
左右の半島もくっきりと見えてる。
最高だ。最高の瞬間だ。
左手に海を見ながら北上を続ける。
海と共にススキ野が風に煽られてうねるように波打ってる。
どこか恐怖すら感じるほどに厳しい海と陸の境目。
岩手とは全く違う景色の中にいると、本当に遠くまで来たと感じて、
それは凄く特別な事で、今自分の身に起こっていることが溢れて受け止めきれないくらいだ。
溢れた景色は涙となった。
世界はキラキラと輝いていた。