続いて向かったのは塔のへつり。

 

大迫力の巨岩に、若い緑が柔らかくなびいていて美しい!

 

こんなにも巨大な岩を侵食したとは信じられない程、深い緑色の川はとても穏やか。

 

つり橋は揺れに揺れて本当に生きた心地がしなかった。

腰抜けるかと思った。

 

侵食されて帯状にへこんだ部分を歩けるが、幅も狭く結構な高度で恐ろしい。

(反対側からわんちゃんが♡)

 

賽の河原のようにたくさんの石が積んである。

 

こういう場所は空気感が違う。

 

そこからとんでもなく急な石階段を登ると洞窟の中に神社がある。

中は薄暗く、とても厳か。

お社の横には子育て観音があり、その佇まいはおいそれと手を合わせてはいけないような気持ちになった。

 

とても美しい景観だが、高所が苦手だと辛い…。

 

 

バイクに戻って、今日の宿をどうするかしばらく悩んだ。

 

せっかくあったかいし、濡れているテントを乾かすという意味でもキャンプがしたい。

 

しかし、この腰でパッキングをといたり荷物運んだりできるか?

 

試しにちょっとかがんでみた。

 

っ、無理だ!

 

散々歩いたせいか、ちょっと悪化している感すらある。

 

キャンプ場で動けなくなる恐怖には勝てず、急いでケータイから宿を探した。

 

腰の為にも、旅の楽しみとしても、出来れば温泉がいい。

 

でもGWだし…と半ばあきらめがちに検索してみたら、安い温泉宿に空き部屋発見!

 

よし!決めた!

 

場所的に猪苗代湖の近くっぽい。

 

ちょうどキャンプするなら猪苗代湖の無料キャンプ場にしようと思っていたから、

キャンプ場も覗いてみてから温泉に向かおう。

 

塔のへつりから会津若松市街地を抜けて猪苗代湖へ。

 

湖畔に近づいたその瞬間から急速に空気が冷えた。

 

めちゃくちゃ寒い!

 

当初泊まる予定だったキャンプ場に到着すると、すでに何張かテントが張ってあった。

 

ああ、キャンプしたかったな…と湖畔に着いたら飲もうと買っておいた缶コーヒーを片手に水際まで行ってみた。

 

少し霞がかって幻想的。

 

なんだけど、極寒!!

 

何この寒さ!?息白いんですが!?

 

まだ日が落ちていないこの時間でこの寒さって夜はどうなっちゃうの…?

 

あ、ある意味、キャンプ出来なくて良かったのかも…。

 

そのまま湖畔周遊。

磐梯山が綺麗に見えてる!

裾野から山腹まで霞んでいて、幻の山みたい。

 

思っていた以上に綺麗で男らしい峰。

 

以前来た時には天気に恵まれず、猪苗代湖からお姿を見れなかったので、

今回見れて良かった。

 

 

猪苗代湖の南側あたりに今日の温泉があったはず。

 

一旦バイクを停めて、地図とケータイの宿情報を確認。

 

嘘だ!猪苗代湖側からの道がないじゃないか!

 

ってゆうか、会津若松市じゃないか!

 

ってゆうか、昨日行ったさざえ堂の近くじゃないかあああ‼‼‼

 

…ねえ、私何やってるの?

 

行ったり来たりしてばっかりじゃないか。

 

ちょっと落胆しつつ、でもいったん通った道だから迷わないもん!

 

と自分を励まして、会津若松の東山温泉へ向かう。

 

うぅ、冷えたからか腰が痛い。

 

早くお風呂に入りたい…。

 

昨日歩いてきたさざえ堂のある飯盛山に差し掛かり、「私、本当に何やってるんだろ…」

とへこみそうになったが、真っ直ぐに温泉街へ向かう。

 

東山温泉街にはたくさんの温泉宿があって、その中には恐ろしく上等な日本家屋のお宿があったり、立派なホテルが立ち並んでいた。

 

そのまままっすぐ行くと、私の予約した旅館発見!

 

昭和の鄙びた温泉宿と言った趣。

 

玄関から入ると、とても感じの良いおじさま二人が迎え入れてくれた。

 

やっと着いたど~

必要最小限のお部屋。

何とテレビがブラウン管、部屋の鍵は無し。

ドアは開け閉めの度に悲鳴を上げております。

 

古いお宿大好きだけど、正直少し怖い…。

 

宿の方が朗らかなのか救い…。

 

ひとまずお茶でひと段落したら、さっそくお風呂をいただきましょう。

源泉かけ流しで無色透明のお湯。

 

というか、服を脱いだ時に気づいたのだが、あんなにたくさん張ったシップが一枚しか腰に残っていなかったのはいったいどうゆう事であろうか…?

 

ま、まあ無いものは仕方ない。

 

貸し切り状態の温泉に伸び伸び入る。

 

ファーストインプレッションは「熱い!」だったが、全てお湯に浸かってしまうとなんと気持ちの良い温度か!

 

お湯が優しいのか、ゆったり浸かれる。

 

すごい芯まであったまる~~~。

 

湯上りには汗だらだらで全身から湯気が立ち上ってた。

 

生き返りました。そして若返りました。

 

続いては夕飯。

 

この辺においしいお店ありますかー?と宿のおじさん方に声をかけると、

すごく親切に教えてくれて、そのままちょっと雑談。

 

宿の方だと思っていた白髪のおじさまは普段は外国に暮らしていて、日本に来た時にはここのお宿を手伝っているのだそう。英語もペラッペラだそうな。

ぜんぜんそう見えない…。外国かぶれした感じが全然ない。

 

そして、この宿のご主人と思われるおじさまは、自転車で旅していたことがあるそうで面白エピソードをたくさん持ってた。

 

とっても朗らかでお話楽しい!宿の古さにちょっと心細くなってたけどこんな楽しい人たちのやってる宿だと思うと気持ちが楽になった。

 

 

教えてもらった近所の食堂「よしのや」にて夕食。

最近会津でイチオシらしい「ソースカツ丼」

 

ものすごいボリューミー!

お腹ペコペコだったから一気にかっ込む。

 

ソースうまっ!強めの味がキャベツとお米で素晴らしいハーモニー。

 

お肉も柔らかいし、さっぱりしたスープも絶妙。ああー!大満足!

 

すっかり暗くなってきた中、温泉街をちょいと散策。

 

温泉宿に明かりが入っていい雰囲気。

 

射的がある~!

 

昔ながらの温泉街って感じ。

私の泊まる宿にももちろん明かりが入ってる。

散策から帰ると、ちょうどお客さんが来ていた。

 

ネイキッドのバイク2台、しかも二人とも女の子!

 

わあ!何か嬉しいな~。

 

彼女たちがパッキングを解く間、宿のおじ様たちも交えてちょっとお話し。

 

私のバイクを「ドラスタだ~♡」と喜んでいたのがちょっと嬉しかった。

 

その後は瓶ビールを1本貰って部屋でダラダラ。

 

飲み終わったらまた温泉。

 

お酒の力も相まって体ホカホカのゆるゆる~。

 

何だね?この天国は。

 

漫画もたくさん置いてあってついつい読みふけってしまったわ。

 

 

さて、今夜こそよく眠れますように…。

 

よれより何より、腰良くなりますように…。