海を見ながら贅沢に貝食べた。

サザエにつぶ貝に蛤!

タレが香ばしくておいすぃ~♪

蛤だけ妙に瑞々しかったな。


雨は降らず、とても暖かい。

でもいつ降りだ出すか分からないからカッパを着込んだ。

結果、必要がなかった。

ずっと花曇りで、明るい空。

時折日差しが届き、桜もこぶしも木蓮も満開。

風が強いが、雨が降らなきゃ何てことない。

ただ、休憩後に走り出した直後、でっかい虫がヘルメットのシールドに衝突して具を撒き散らした後だけは、雨を切望した。

口元のとこだもの。

しばらくえずいちゃったわ。


海を横に幸せを噛み締めながら走っていたら、突然姿を表した。

「マジでか!」

と叫ばずにはいれなかった。

その姿は鳥海山。


浮世離れした佇まい。

近づくにつれ、激しい雄々しさ。

巨大なスケール。

岩手山と全然違う。

鳥海山を目で追い、海を目で追い、
また鳥海山を見たら、雲が変。

渦巻いてる?竜巻みたい。

地震雲だったらどうしよう…

しばらく進んでも、雲はずっと渦巻いてた。



日本一周で通った道をまた通ってる。

懐かしい。

ここ知ってる。

この景色はここだったのか。

記憶の引き出しがパカパカ開く。

いとおしい。



鳥海山のその先に、また雪を被った山が見えだす。

美しくておののいた。

あれはなんだ。

田植えが始まった田んぼには雉が飛んで頭の上を通りすぎる。

「ピィーイ!」

と、鳶が雄叫びをあげて並走する。


日本は美しい。

美しいよ。


風が強く、車体が浮き上がるようでとても怖かったが、それどころじゃなかった。