『試験結果在中』と書かれた封筒が、三度私の手に届いた。

封筒を開ける時、同じ様に緊張の面持ちをした母が見ていた。

中には、いつも入っている合格科目の書かれた紙が無く、

変わりに入っていたのは合格証書の賞状。

母と私は抱き合って泣いた。

「お父さん!やったよ!!」

父の祭壇へ報告した時、
写真の父が涙目になっていた。

ああ、喜んでるなーって、不思議にも思わなかった。

だけど、生きてるうちに、この合格証書を見せたかったな…と呟いたら、

母「絶対見てるよ!」

うん、そうだね。

でも、明るいニュースを一つでも、生きてる間に伝えたかったな。

頑張ったな!って一緒に喜んでほしかったな。


少しセンチになったけど、2年がかりの悲願は達成された。


それじゃあ行ってきます!!!


何とまあ偶然に、ミサトちゃんとの湯治旅の日だったのだ。

こーりゃ幸先いいねえ♪
ご褒美ご褒美♪

今年は雪が早くて、バイクはもう乗れない。

なので、恒例ラストツーリングは出来ないけれど、どっか行こうぜ!って事で決まった湯治旅。

足は電車にございます。

何しろ『湯治』だから自炊なもんで、荷物も多い。

一泊くらいなら手ぶらで行くワタクシも、30㍑のバックパック満載であります。

不慣れな電車移動に、重たいカバン。

なのに私たちはウッキウキ♪

ミサトせんぱ~い!
鞄から御葱様の御尊顔が見えておりまするぞ~!


何てキャッキャキャッキャしてたらあっという間に到着、


花巻鉛温泉『藤三旅館』
カスケード
昔ながらの鄙びた湯治宿といえばココ!!


初めての自炊部のお部屋は・・・

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私たち、絶叫。


「ずでぎいいい゛い゛ぃぃいいいいぃ!!!!!!」

 (訳:素敵~~~~~☆)


手入れの行き届いた手のひらサイズの部屋に、おコタ、障子の格子がふつくしい~~♪


そして部屋の中とは思えないほどの水音がすると思ったら、すぐ下にはさらさらと川が流れていた。


木造の窓枠は長い年月で歪み、その隙間から川の水音を届けてくれていた。(寒風も)


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懐かしさ満載の室内にて、これまた懐かしさの塊みたいな茶器でまずは一服。


この後の流れをザザッと相談し、それでは活動開始~~!!!


まずは「湯治」と言う事で、いくつかあるお風呂の中『河鹿の湯』へ。


寒いから早く浸かりたいーって、急いで洗いを済ませて待望のお湯へ右足投入~っ☆


「ぬぁちゃちゃちゃ~!!」 あっつ!!


もんの凄いゆーっくり身体を慣らしながら浸かると、じんわ~り…。気持ちいい、、、いい湯だ~~・・・。


ちょっとぬるぬるしててお肌ににも良さそうだわ。


結構すぐにのぼせてきたから、このぐらいにしてやるよ、MYボディ。今夜は長いからね(ニヤリ)


部屋に戻ったら軽く乾杯をしてから、材料抱えて調理場へ。


カスケード
クッキングスタート♪


メニューは

ミサトちゃん:イチオシ肉屋さんのモツ鍋&メカブon tha冷奴

私  :アサリの酒蒸し


合宿みたいで超楽しい♪


キャベツ切ったり葱切ったり下準備万端で来たから後は煮るだけ。


完成した品々を持って部屋に戻ったら、宴じゃああああ!!!!!


本格的に乾杯をして、あつあつのモツ鍋を頬張って「ハフハフッ」


酒蒸しも上手にできたし、メカブ豆腐もさっぱりしてておいしいの。


うわ~~~ん幸せだあああああああ
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っああああああ写真取り忘れたあああああ食いかけえええええええ


いつに無く酒が進んでしまう私たち。

お腹も一杯になって、本格的に飲みだしたのだが、寒い…。


こいつぁーひとっ風呂だな…と向かったのは、


カスケード

来ました!!藤三旅館名物『白猿の湯』!


120cmの立ち湯で、普段は混浴なんだけども時間で女性専用になっております。


上から湯船が見える感じが別府の竹瓦温泉みたいだ。

お酒の力もあって、最高にはしゃぐはしゃぐ。


深いお風呂って独特の浮遊感と水圧があって大好き。


不思議とさっきのお風呂よりものぼせるのが早い気が。あ、はしゃいでるからか?


ほこほこになったらまた飲んで、寒くなったらまた温泉。


今度は自炊部の隣に併設されている旅館部にある『銀の湯』


自炊部から長い道のりをテクテク・・・いやもう酔っ払っちゃってうひゃうひゃしながら移動。


旅館部はグレードが違う立派な面持ちであります。うひゃうひゃ。風呂はどこだ?うひゃひゃ。


あった~~~!!
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ホントはこんなに飲んで温泉って駄目だろうな~・・・。


だけど気持ちの良さには勝てないもん!


で、ここからが大変だった。


旅館部から自炊部まで帰れない・・・。


館内をぐるぐる歩き回る。


「あれ、ここさっき通ったって!」「どっちだっけ?」「またここに出た!」


いかんせん酔っ払ってるもんでどっから来たのか覚えておらず、一度通った道も覚えられず、


時間的に誰もいないので自力で帰るしかない。


ふと、非常扉を開けてみると、そこには見慣れた自炊部が・・・。


「着いたあああああ!!!!」歓喜!!


あれきっと小一時間は彷徨っていたに違いない。(時間感覚もあいまい)


お部屋に戻ったら、ラストスパート!



かなり濃厚な夜は、とっぷりと更けていきました。


カスケード-121211_221844.jpg (この写真取った記憶が無い…)



翌朝

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ちょっぴり二日酔いだけど、それを吹き飛ばすほど清々しい天気☆


ひとっ風呂浴びたら、朝食に卵掛けご飯とお味噌汁。


んん、日本人で良かったわ。


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分かり難いけど、部屋から見えるとても透明な川。


もう名残惜しくて、帰りたくない。


毎年、バイクシーズンの終わりには、ココで〆る事と決定。


帰りたくないけど、また来年会おうぜ~