立ち枯れた木と黄色く染まった木、青々とした笹。
薄暗い空を翔ける、山にかかる雲。
反対側、ガードレールからの見晴らしは素晴らしい。
そうそれはつまり、風強い。
うう、寒くさえなきゃ、こんなにも荘厳な景色を、もっと楽しめたのに…
まさに骨まで冷えるって奴だ。
そんな時はコレだよね!
モクモクと漂う硫黄の香り。
あっ!極楽が見えた!!
一秒でも早くたどり着きたい…!
ここは厳寒の八幡平に燈る小さな灯、藤七温泉『彩雲荘』
まさに鄙びた温泉宿。
オラわくわくすっぞ。
まずは内湯に突撃したものの、温い…。ここ源泉熱いはずなのに・・・。
どうやら、前に入った人が熱かったらしく、水がジャージャー出っ放しになっていた。
もう、まっっったくあったまらない!
水を止めても湯舟全体はすぐ熱くなるはずもなく、
ひたすら給湯口に張り付いて耐えていた。
真っ白の硫黄泉は、温くても効能が強い。
ようやく湯船が温まり、顔が少し紅潮してきた頃には、ちょっと湯当たっていた。
さすがだ。
休憩したら、再突撃。今度は寒風吹きすさぶお外へ。
名物の混浴露天風呂。
超超超寒いから、一瞬で服を脱いで、湯にドバーン!!
「っっぬる~~~~~!!!!」
雨の影響か、コチラも温い・・・無念・・・。
ロケーションは最高なんだけど(道路からも見えるので要注意)、今日は日が悪かった。
雨と風は無常にも水温と体温を奪うのです。
温泉成分にて真っ黒な温泉卵。
だけど殻を剥くと、ぷるるんピュアホワイトなもちもちお肌。
そしてなめらかな食感、絶妙な塩加減・・・・・・・・・おかわり!
ストーブに当たりながら食べてたら、何とか身体は暖まった。
では出発しましょう。
樹海ライン、もしかして私初めてかもしれない。
アスピーテよりもRが穏やかでひっそりとした雰囲気。
目の前に見えるは岩手山。
日の当たり具合、空の色、雲の塩梅が絶妙な瞬間。
すごくいい道だ、だけど、やっぱり、寒いよおおおお!
あっという間にまた冷え切った。
でも私は知っている。
もう少しの辛抱だ。
樹海ライン後半にある松川温泉、到着☆
松川温泉の中で一番手前にあった『峡雲荘』にしてみた。
館内は木造でとても綺麗。
ふふふ。日に二回も温泉に浸かるなんて贅沢だなあ。
松川温泉も大好きな真っ白硫黄泉で、念願の熱いお湯。
「あ"あ"ぁぁ~~~~~!」
自分に正直になったら、こんな声出た。
露天も広々してて熱々。しゃーわせ・・・。
泉質が似ているだけに効能の強さも似ているようで、なかなかのぼせてきた。
湯当たりしない程度にしないとね。
もう一回内湯に浸かってから風呂を後にした。
いやーあったまったー(ほこほこ)なんて外に出たら雨が降っている・・・。
くぅっ(泣)
あと少しで里に下りれるから行ってしまおう。
と走り出したら、樹海ライン、何か本気出してきた。
ヘアピンカーブにヘアピンカーブ。
たとえ路面が濡れていなくとも、私のライテクでは厳しーっ。
ひいひぃ言って下りていたら、やっと見たことのある「八幡平へようこそ」の看板が出てきた。
信号が見えたときの「里にたどり着いた」感たら、ハンパなかった。つい叫ぶほどだった。
後はもうこっちのもの。
進むたびに、徐々に空気が柔らかくなって、骨まで冷える寒さでは無くなった。
でも、確実に秋は深まっていく。
さて、今年はいつまでバイクに乗れるかしら?