ソファーにもたれて、缶ビールを嗜む。

その至福の瞬間を、至福たらしめる、夏の出来事。



晴天が眩しいとある朝、とある北国のとあるコンビニに、
2台のバイクがありました。

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一台は、お馴染み『相棒』ドラッグスター。

もう一台は、お馴染みの相方ミサトちゃんの『相棒』スーパーフォア。

2台のバイクは、これから旅に出ます。

北東北から南東北へ。

どちらのバイクも、旅に出るのは久方ぶりでした。

出発地点であるとある北国盛岡から、まずは沢内を通り、107号線に乗り海を目指します。

目の前につっ尖っている南昌山の後ろには、恥ずかしそうに入道雲が頭を覗かせていました。

穏やかな峠を駆け抜け、
川に添い、田んぼに添い、山をくぐり抜けます。

相棒と共に、私達は覚醒したようでした。

忘れていた感覚がどんどん呼び覚まされて行きます。

相棒は感覚に溶けていきました。

流れ流れる目に映る風景の、葉の一枚一枚すら、物語りを語り出します。

最盛期を少し超えた夏が、次々と刹那のはかなさを叩き付けます。


思い出しました。


滑る様にアスファルトを伝いながら、
その瞬間毎に生まれるストーリーの存在を。


『混ぜるな危険雨女』なのに、目に痛いほどの日差しが続きました。

その熱さ故に私達はバテてしまいます。

海まで持たずに、由利本荘の道の駅にて休憩兼昼食。

鴨ラーメンで体力の回復を。
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つか、昔ながらの中華そばは不滅の旨さでした。

元気を補給したので、再び相棒に跨がり、海を目指しました。

内陸の107号線から日本海に沿う7号線へ乗り換え、海の気配を感じながら走りつづけます。

ふと見えた水平線。

2年ぶりの日本海は、ただただ青い、大きな何かでした。

そのまま南下を続けて、目的地が近付くと、出発前とは違う、『旅人』が二人いました。