今年は秋が愛おしい。

何でだろう。

バイクで走る気持ち的余裕も時間的余裕も見つけられず、
特別どこかに行った訳じゃないのに。

だからなんだろうか。

原色の水彩絵の具みたいな青い空も、
夏に養った濃緑の木々も、
低い雲と高い雲のコントラストも、
くっきりした山の陰影も

肌に触れる風も、

太陽が暖かくても、どこか凛とした空気も、

全部が愛おしくてたまらない。

「今日」の空気をたまらなくなるほどに愛でたい。

父の病院は、駐輪場から少し歩く。

その少しの距離で感じる空気が、私に何かを急かす様であり、窘める様だ。

もしかしてリンクしてる?

私が、秋の時期なのか?

周りからの優しさを、最近、嫌というほど感じてる。

これも実りなんだろうか。

甘えてもいいのだろうか。

というか甘えたい。

ただ肩を借りるだけでいい。

静かに泣かせてもらえればいい。

楽しい話を聞かせてくれるだけいい。

「大丈夫!」って、強い言葉を聞きたい。

聞きたい。


弱気になると自制する。

私は一番楽なポジションにいるのだ。

そう思うと、頑張れる。

姉は、具合が悪いのに、私が落ち込んでれば明るく振る舞ってくれてたし、
母はいつだって母でいてくれてる。

秋の空みたく高く高く居る。

父も、仕事の話や、色んな話を聞いてくれてる。

入院する前よりずっとずっとたくさん。

私が言葉を間違えて、無神経な事をうっかり言ってしまっても、

笑顔で仕事に送り出してくれてる。


頑張らなきゃ。

もっともっと気を張って、頑張ろう。