寒いのはあんまり得意じゃないけど、

外に出る度に感じる秋の空気は好きだ。

今日は久しぶりの星空。

空気がピンと張ってるようで、
星の光が何にも邪魔されずに私に届いた。

燦然と輝く一等星とまたたく星々のコントラストも際立つ。

いつもの場所に、いつもの欠けてく月が煌々と佇んでいる。

満月はとうにすぎたけど、お月見したい気分。

虫が鳴いてる。

台風の名残の水音がする。


今夜は穏やかな夜だ。

この不安を、少しだけ忘れさせてくれる。




どんな状況にあっても、人生は紡がれてく。

何か特別な夜ではないけど、それでも今夜の事はきっと忘れない。

だから、父に思う。

病気だろうと入院していようと、治療が辛かろうと、
今も紡がれてる一瞬一瞬だから、
少しでも穏やかに思える時間を作ってあげたい。

今の辛い時間の中に、何か少し、心が和らぐ瞬間を。

きっと私にも出来るはずだ。


今夜みたいに、何でもない夜が、私を慰めてくれたみたいに。