オレンジ色の三日月が、見え隠れ。

山や住宅に隠されながら浮かんでる。

聞こえる、エンジン音。

軋むチェーン、鋼の呼吸。


明日も明後日も明々後日もその後も、ずっとずっと、
しばらくは途切れる事無く続くの。

その義務の中で、小さな癒しを見つけたり、
楽しく騒いでみたり、

そんな風に、今日だけを見つめて繰り返すだけ。

夜の公園、河原のベンチ、火薬の匂いも思い出さない様にして、

せめて毎日違う道を通ってお家に帰る。


目を疑う程に浮世離れした、欠けてく月を見たよ。

湿った空気が汗と馴染んで、真夏なのに肌寒いんだよ。

見て。

今日の夜空を。

今日の月を。

聞いて。

バイクの鼓動を。


無いものよりも、有るものが、真実。