例えばの話し。


今ここに肩があったなら、頭を預ける。

今ここに腕があったなら、私の肩から下全てでもってしがみつく。

手の平を、私に向けてくれるのなら、
私の手の平を重ね、静かに握ろう。

その声を、私にだけ聞こえるボリュームで耳に届けてくれたなら、
歓喜と快感の狭間で搾り出す建前の返事と裏腹な切迫した感情を知るだろう。


だから、

そばに来て、
私にだけ聞こえるような押し殺した声で、

名前を、呼んで。




三次元が二次元になるまで捏ねくり回して、もう区別がつかないくらいの

この恋心に似た感情は、きっと報われない。