白鳥が、空を渡って行った。
毎年の様に舞い降りては去っていく。
震災から11日。
仕事が無い。
有り余る時間でもって、テレビを見たりインターネットを見たりして情報を貪った。
何か私にもさせて!ってボランティア団体に連絡したけど、お声がかからない。
現状何も出来ない自分を嘆いてシクシク泣いたりしたけど、
そんなの最高に意味が無い。
あったかいご飯、あったかい布団にありつける幸運を手にしてる私たちがしなきゃないのは、
避難してる全員が安心できる環境までいち早く持って行く事。
そして、被災地が復興する為に、背後から支える事。
でも、じゃあ私が一体何を出来るの?
答え
普通に生活する。
ヤシマ作戦参加、ウエシマ作戦参加、さらに悟空に元気を分けてでっかい元気玉を作って貰う。
そういう事を積み重ねながら普通に生活する。
不謹慎に浮かれるのでは無く、それでも笑顔で。元気で。
これ、大事。
現地の惨状に悲観的になって、何も出来ない自分を責めて、
心を病んでしまってはいけない。
あったかいご飯を食べる度、
あったかい布団に入る度、
被災地の人を思って申し訳ない気持ちになったからって、
罪の意識を感じてはいけない。
普通に生活するって事は、つまり経済活動。
経済活動は必須。
だからこそ復興の後押しになる。
NPOの現地ボランティアに登録した時の注意書きに、
『心身ともに健康である事』
とあった。
ドキっとした。
テレビのヒーローみたいに、被災地に降り立って皆を助ける事は出来ない。
だからって、自分の無力さに打ちひしがれる必要なんてない。
「何かしたい」って、一円でも募金した人、
電気のスイッチを消した人、
みんなが、本物のヒーローだ。
随分暖かくなった3月の空を毎年の様に渡る白鳥の姿はやっぱり神聖で、
今こそ健全に生きなきゃいけないんだって感じた。
ひとます、ボランティアの準備は万端だから、お呼びがかかるまでは働きたい。