宮古から盛岡を繋ぐ106号線の終点付近。

中津川を跨ぐ中ノ橋を渡っていたら、川にうごめく白い衆。
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「クカッ、クカッ」「ヒ」とちいちゃく鳴いて、

橋から覗く私に向かって泳いで来る。

あーん愛おしい。

ゴロゥンとしたでっかい体が柔らかそうで抱きしめちゃいたい。

でも白い衆達は以外と強い武器を持ってるから迂闊に近づくと怪我するぜ。

クチバシなんかよりもずっと私を戦慄させるのは、

声のでかさ。

今はささやいてる感じで可愛いけど、本気出したらすごいんだぜ。

至近距離だと心臓弾けちゃうぜ。


冬抜け切らぬそんな日々だけど、バイク通勤解禁。

さみーさみー。

けどたーのしー!

バイクに乗る私のかっこいい事ったらないね。

早くツーリングに出掛けたいよ。

盛岡の中心付近で働く私は今日もせっせと勤労勤労。

あー、今日もいい仕事したぁー!
と帰る寸前に、店長に呼び止められた。

「ちん!ハイ!誕生日プレゼント!!」

振り返ると、満面の笑顔の社員達と、ものすごいドヤ顔でプレゼントを持った店長。

その手に抱えられていたのは、

『トリス』の4㍑ペットボトル。

ぶ、武骨!!

しかし『トリス』の首元にはリボンが巻かれていた。

か、可愛いじゃないか…。

わざわざリボン付けたなんて、何だか可愛いじゃないか!

驚嘆する私に社員が近寄り、「これも。」と刈り上げショートカットの私に何故か旅行用のトリートメントをくれた。

う…、嬉しいじゃないか!

チョイスセンスに吹き出しながらも喜びのままお礼をして、職場から出た。

そしたら嘘でしょう?

雪積もってるじゃないの。

4㍑というウェイトの『トリス』を抱えて雪の中バイクで帰るの…?

でも、やるしか無い!!

だって相棒に雪積もっちゃってる!!

カバーかけてあげなきゃ!

それには家に帰らなきゃ!

バカに重く感じる『トリス』をタンデムシートに括り、
さらに腹も括って積雪2cmの道へ踊り出した。

ヤバイ!ケツ振ってる!

ちょー怖い。

この盛岡の中心から自宅へ帰るまで、裏道か大きな通りかルートを考えた。

裏道は車通りが少ないからゆっくり走れるけど、
車通りが少ないが故に雪が積もってるだろう…。

曲がり角も多い。

大きな通りなら真っ直ぐだし、車が雪を溶かしてくれてるはず。

大きな通りを走ろう。

一か八かの賭けに出てみたが、ハイ、私の負けでした。

平日深夜2時の盛岡の車通りなんてたかが知れてました。

道真っ白。

キラキラと光って綺麗だなー…って、凍ってるのか!?

最高速度25Km。

生きた心地しない。

道路のつぎはぎ程度の段差でタイヤが横滑り。

ぎゃひー。

家はまだか。

自宅付近は住宅街で、どうやってもクネクネの細い道を通らなきゃならない。

ははーん、完全に私フライングしたな。

雪化粧ですよ。

真っ白な雪が景色をモノトーンにしちゃってますね。

2速のままアクセルを開く事無く、自転車みたいにユラユラ。

家、遠。

迫り来るマンホール原が恨めしい。

足をすくおうとひしめき合ってる。

私はマリオか!

いや、今の動きは完全にワリオ。

体当たりするしかなさそうだ。

タイヤを真っ直ぐ乗せればイケル…!

とにかくコケたくない一心で必死に家までたどり着くと最後の難関。

屋根の雪が落ちるからと、かなり敷地ギリギリに車を停めている我が家。

バイクの入口が車体ギリギリ。

敷地は砂利。

そして前に一度ここでコケてる。

でも行くしかない。私はワリオ。

ギアはロー。

アクセルには触らない。

相棒のポテンシャルを信じろ。

慎重に操作したら、全然普通に駐車完了。

あー…。私、この数分で老けたよ…。

後ろを確認したら『トリス』は無事に鎮座してた。。
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パッキングからぶち抜いて部屋に連れてくが、

お前さん、やっぱりでかいねぇ…。

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(比較 麦とホップ春Ver350㍉㍑~空~)

とりあえず無事を祝って一杯やろう。

もう深夜だけど。