亡くなってからずっと、いつもの場所に安置されていた。

もう何の気配もないけれど、体がまだある事は少しの救いの様なもので、

動かなくても、キャリーはそこに居る、と感じてた。

ようやく火葬場の手配が整い、その準備の為に、燃えやすい段ボールへと亡きがらを移した。

寒さが、今度はキャリーを守った。

固く冷たくなっていたけど、

まるでスヤスヤと眠っているように、何も変わらない姿だった。

それは穏やかな寝顔だった。

全身がカチカチになってたのに、大きな耳だけは生前の様に柔らかかった。

これが最後。

キャリーの姿を見れる最後。

バイバイ、キャリー。

花の一つでも入れてあげたいけど、今は何の花も咲いてないの。

代わりにお菓子を入れるね。


煙と一緒に、駆け上がって行って。