朝5:00
強烈な眠気、二日酔い。
やっべ…。
しかし行くのだ!
今回も、スポーツランドSUGOまで案内がてら送ってもらえる事になった。
ふおお、助かる!!何しろ迷子になる自信MAX!!
予定より少し遅れて(元)新潟夫婦のお宅を出発。
次はもっとゆっくりじっくりたっぷりお話したり酒飲んだり酒呑んだりしましょう!
早朝なのに赤信号だらけの仙台市内を通り抜け、見覚えのある景色の道へ出た。
去年、朝食を買ったローソンでお別れ。
あんまり時間が無くて慌しく別れたのが心残りではあったけれど、
本番前のしんたろうさんを煩わせる訳にはいかなかったので先を急いだ。
待ち合わせ場所に着いて連絡したら、すでに到着していて、荷物預かり所にパスが預けられていた。

関係者ゲートをくぐってSUGOの中へ。
広いスポーツランドの中で、迷子になるんじゃないかと心配だったけど、
警備員さんがいたし、ちゃんと道を覚えていた。
「今年は9番ピットだよ!」
あらかじめ聞いていたから、真っ直ぐに向かった。
9番ピットを覗くと、いたいた!!
前回お世話になったイワサキさん、ダルさん、そしてしんたろうさん!
お変わりなく元気そう!
「髪伸びたね!」
お約束のようなこの言葉に、お約束のように笑ってしまう私。


一日のスケジュールは、9:00からテスト走行があって、決勝本番は11:30。
それまで、私が出来る事なんてほとんど無い。
本番前でも朗らかなしんたろうさんに、今回もレーシングライダー始め、たくさんの方に会わせて貰った。
みんな、なんて気の良い人たちだ!揃いも揃って!!
全力でぶつかっていくアスリート特有なんだろうか。
本当に気持ちが良い笑顔で、人懐こくて明るくて、さわやか!
素敵…
そうこうしているうちに決勝。
空気が変わる。
手塩にかけたバイクたちがスタート地点に並びだす。
緊張の最高潮。
シグナルが点滅から青に変わると、
一斉に小さな戦闘機たちが発射して行った。
駆け抜けるエンジン音は、脳にビンビン来る。
これだよ。そう、これ。
タイムと順位を知らせるボード持ちを手伝ったけれど、
タイムを直すのも、出すタイミングを私に知らせるのもイワサキさんで、
私足引っ張ってないか…?と思ったがそっとしといた。
ピットからひたすらタイム出しをしながら、目の前を通り過ぎる直線の一瞬を
20周分20回、ハラハラしながら見ていた。
20周走りきって15位で戻ってきたしんたろうさんは、少し悔しそうで、
「お疲れ様でした」って言ったきり、声をかけずらかった。
レースの決勝にかけて、みんながみんな作り上げてきた。
仲間と力を合わせて。
だからライダーもメカニックも、ライバルだろうが気持ちの良い笑顔で挨拶を交わすし、
本番で見せる真剣な眼差しがあんなに強いんだろう。
昼食やピットウォークを挟んで、次のクラスの決勝まで自由にフラフラ。
次のクラスの決勝を見て、片付け。
またさっぱり役に立っていないような気がする…。
片付けが済んだら、お別れ。
去年よりも、今朝よりも、もっとずっと優しい3人の笑顔と言葉。
楽しかった…!!とにかく楽しかった!!
ありがとう!!
固く握手をして、サーキットに背を向けた。
相棒に跨り、ここからが長いと思い出す。
眠気もあるし慎重に帰ろう。
無事に帰宅したのは、出発から約5時間後、夜の21:00。
灼熱の炎天下に一日中いたから、顔は真っ赤に日焼けして、髪も金髪のようになっていた。
レースの置き土産。
熱い漢の戦いに、私も少しあやかれたという勲章のようだった。
こんなにソフトな雰囲気なのに、レースになれば人が変わる。
んん、ストイック…